六話 彼に気を遣いました
六話 彼に気を遣いました
要は想にリモートのアポを取った。
そのまま相談すれば良いと都に言われたが、エスパーダも参加させるために強引に押し切った。基本、想は要の提案を嫌がらないので、都を説得すればリモートは実現する。
都は了承してくれた。
『じゃあ、準備があるから夕方ね』
何の準備かは知らないが、要も話す内容を頭の中で整理出来て、冷静になれる。エスパーダがゲームもしないで要を見つめていることに気付けるほどに。
「ごめんね、テンパっちゃって」
「私が慰めてあげたのにスルーされたのはへこんだ」
「エスパーダを守りたい気持ちが強すぎたんだ。一緒に想達と考えよう」
「そこは二人でって言えないんだね」
要は項垂れてしまった。エスパーダの軽口が思いのほかクリティカル気味に心に刺さったのだ。
「あ、でも私、都って人……苦手なんだよね」
エスパーダは気を遣って、別の話題にしてくれた。ここはビシッと言って、エスパーダを安心させなければならない。
「エスパーダは俺が守るよ」
「期待してる」
エスパーダが大人な返しをした。
しっかりしないといけないと要は自分に言い聞かせた。




