三話 興味津々です
三話 興味津々です
要がパソコンを立ち上げる様子をエスパーダはじっと見つめる。その熱視線は要が照れ臭くなって作業を中断するほどだ。
「見られると恥ずかしいよ」
「スーツ姿の要が疲れてないなんて初めてだから」
確かにスーツ姿の時は疲れていて、エスパーダに嫉妬されないとゲームアプリを開くどころか、着替えることもできない。朝も元気と言う自信が要にはない。
「ホレ直した?」
「馬鹿なこと言ってないで会議しな」
エスパーダは要の腕に蹴りを入れてくる。要には輪ゴムがぶつかった程度の痛さしか感じない。が、その痛さに慣れていると冷兵器を繰り出してくる。血はさすがにまずい。照れ隠しに出血多量にされては身が持たない。
「エスパーダは映らないように気をつけて」
「分かってるって。こんな格好で映ったら恥ずかしいじゃん」
そういう意味ではないのだが、映らないでいてくれるならそれに越したことはない。もし映ったら、ネットを賑わし、後追いでマスコミが押し掛けてくる。二人でまったりゲームを楽しむことが出来なくなるかもしれない。
「じゃあ、つけるよ」
要はリモートソフトを立ち上げる。会議の始まりだ。