一話 私はゲームに夢中です
一話 私はゲームに夢中です
ある日、エスパーダはいつまで経っても着替えに行かず、ゲームをしていた。
要に着替えを見られるのを嫌がるエスパーダは部屋のどこかに衣装部屋を持っている。そこでスーツに着替えて出勤するのだ。
要が本気になればG退治の時に使った見えーる君で探し当てられるが、それをするメリットが見つからない。黙ってエスパーダが着替えるのを待つのみである。
だが確認はしたりする。
「今日は仕事休み?」
「まあね」
エスパーダは生返事をした。
最近あのギルド、『エスパーダと愉快な下僕達』に新メンバーが加入した。サイズという名前で、女の子らしい。
らしいというのはエスパーダから聞いただけで、要は接触したことがないからだ。
エスパーダは初心者であるサイズを育て、幹部にしようと目論んでいるようである。そのため要に必要な素材を集めてこいという指令がたびたび下されていた。
要はそれで良いと思ってる。要はエスパーダの恋人であって、友達にはなれない。サイズが友達になってくれれば要への当たりも弱くなるはずだ。
多分。
要はノートパソコンを出して、テレワークの準備を始めた。