奇襲
太平洋戦争の開戦に間に合わせる様に軍艦の改装を急がせていた。
改造艦は戦艦一〇隻空母五隻重巡軽巡一六隻ずつで全て対空機銃等を強化し、CICを艦橋下に設置。
此れは艦橋を破壊されても戦闘継続出来る様にする為で、対空機銃はその艦橋下を守る為である。
ただし、速度は多少低下してしまうが乗組員を守る為に致し方無い事なのである。
1941年11月27日トラック島泊地へ移動の為出撃。
直線距離1798浬で2日18時間34分かかる距離。
「総員起こし!」
起床ラッパが艦内に響き渡った。
「半舷上陸用意!」
間もなく艦内を走り回る者や水密扉に躓いて衛生兵に飛び込む者まで居た。
つい「クスッ」と笑ってしまった。
「あっ、艦長!」
呼び止めたのは機関長の佐武少尉だった。
「真水タンクが破損しました」
この破損で25Lのも真水が流出した。
「修理可能か?」
「はい、2日頂ければ」
「頼む」
「ハッ」っと言ってタンク室に入って行った。
12月2日太平洋トラック島
「第一聯合艦隊及び第二聯合艦隊出撃!」
これから大東亜戦争の幕開け。
12月7日未明, ハワイ時間12月6日
「航空隊発艦!」
第一航空艦隊がそれぞれ一〇機発艦させた。
同日、真珠湾攻撃開始
真珠湾の海軍基地上空にて二一式魚雷と三二爆弾を戦艦や巡洋艦に向け投下し、爆音と共に巡洋艦が爆沈した。
多分弾薬庫に被弾したのだろう、その巡洋艦の破片が近くの航空機を破壊した。
「第一波攻撃隊から」
攻撃終了後に連絡する事になっていた。
・・―・・ ・・・ ・・―・・ ・・・ ・・―・・ ・・・
「虎虎虎で有ります」
*虎虎虎は我奇襲成功なりの意
まずまずの戦果は行けない、もう一度攻撃隊を。
「第二波攻撃隊発艦!残ったのを片付けろ」
「第二波攻撃隊発艦開始」
「第二波攻撃隊が帰還次第帰投する」
史実では空母は居なかった。攻撃したらさっさと引き上げるのが得策だろう。
「了解!」
此処で、第一波攻撃隊が帰艦して来た。
「今回戦果は、戦艦七隻撃沈・一隻座礁・重巡洋艦二隻撃沈・軽巡洋艦三隻損傷・駆逐艦三隻座礁・航空機損失一八八機・損傷一五九機と戦果を挙げ、我が方は九七式艦攻四機失っただけ」
史実では、民間人68名と民間機三機を殺してしまったが、この世界では『民間人を殺すな』と命令している。
「大戦果だが、この勝利で米帝の戦い方が変わってしまった」
「元々、彼方さんは艦隊決戦思想だったが、戦艦だけでは航空機に太刀打ち出来ないと航空思想になった。本来の艦隊決戦思想に戻ってもらう事をする」