8話 鳥を追いかけて
~カイル視点~
レオが大きな鳥に捕まり、どこかへ連れ去られた。ゴードンは鳥は迷いなく一直線に飛んで行ったからそれを追いかければたぶん追いつくだろうと言っていた。
しかし大きな鳥というけど、子供とはいえ人一人を連れ去れるほど大きな鳥なんて聞いたことがない。これもこの森の異常というやつなんだろうか?しかし、魔物であれば連れ去る前に襲ってくるはずだし、これはつまり元々この森に生息していた鳥ということなんだろう。
護衛対象の1人を連れ去られたことでゴードン達はピリピリしているし、俺はもちろんアイリもレオのことすごく心配している。レオのやつ無事でいるだろうか。
足場の悪い森の中を鳥が飛んで行った方角に向かって駆け足で進んでいる。
アイリはペースの速さについてこれず最後にはこけてしまって、今はヨハネスに背負われている。本当は俺がアイリを背負いたかった。アイリを他の人に預けたりしたくなかった。でも今の力ではアイリを背負ってこのスピードにはついていけない。戻ったらもっと鍛錬して今度こそは俺が、いや。今度はこんなことになることがありえないほど強くなるんだ。
魔獣に出会うことなく進み木々が開けた場所へとたどり着いた。
そこには大きな鳥とあちこち火が出ている小屋があった。
しかし、レオの姿はなかった。
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~アイリーン視点~
鳥が飛んで行った先を目指してペースを速めて森の中をグングンと進んでいる。あまりにも早すぎて私はついていけず最終的に足がついてこずこけてしまった為今はヨハネス様に背負ってもらっている。森に行きたいって言って無理を言ったのに私が足を引っ張ってて今にも逃げ出したい。…でも、今はレオが大きな鳥に連れ去られてレオはその鳥と2人?きり。怖いだろうし寂しいだろうって思うと早く助けてあげないとって思う。
木々が生い茂っている森の中を私を背負ったことでさらにペースが速くなったみたいでカイルの息が少し上がってる。
(ふふ♪カイルってばかっこつけて私に微笑んできてたけど、そんなに変わらないじゃない。可愛い)
私だけ体力がないのかと思ったけどカイルもけっこうギリギリなんだって思うとなぜか少し安心したの。そして前をみたら木々の向うに開けらた場所が見えてその先には、大きな鳥と燃えている家があった。
生き物って本能で火から遠ざかるって本で読んだことがあるけどなんであの鳥はあの家の近くから離れないんだろう。
あの鳥がレオを連れ去った鳥だとは、まったく分からない私はあの鳥は何をしているんだろうって考えて、鳥がこちらを見てきてすぐに家のほうへ顔を向けたその仕草で私はもしかしてって思った。
そしてそれをカイル達に伝えるために、ヨハネス様の背の上から気づいたことがあるのでみんなを集めてほしいと伝えた。
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~ヨハネス視点~
迂闊にもレオ様を連れ去られてしまった。ゴードン副団長と共にレオ様を連れ去った鳥が飛んでいく方角をしっかりと確認して崖を滑り落ちるように下って行った。
下にいた皆も僕たちが滑り落ちる音を聞いて荷物をまとめていたみたいでそんなに時間を取られず出発することができた。
森の中を走りつつレオ様が連れ去られてことを伝えた。そこからは、無意識にペースを速めていたみたいでアイリーン様の体力が限界なのか転んでしまわれた。カイル様が背負おうとしていたが、まだ子供。背負いながらこのペースについてくるのは厳しいとみて私が背負うことになった。
アイリーン様を背負ってからはさらにスピードを速めひたすら鳥を追いかけて足場の悪い中走り続けた。カイル様の行きも上がってきてそろそろカイル様も背負う人を探さないとと思ったとき目の前に木々が開けた場所が見えた。
開けた場所の中央には例の鳥と火が上がっている小屋がありレオ様の姿は見えなかった。
鳥はこちらをみてすぐ小屋に顔を向けなおしたが、その仕草からアイリーン様が何か気づかれたのか私にみんなを集めてほしいとお願いされた。
私はゴードン副団長に声をかけみんなを集めてもらった。
そしてアイリーン様は私たちにこう告げた。
「あの家に属性石があるのだと思うの。そしてあの鳥はレオ連れ去ることで私たちにそれを伝えようとしたのだと思うわ。そして姿の見えないレオはあの家の中にいるはずだわ。燃えているからいつまで持つかが分からないし、誰かあの家の中まで行ってレオごと石を回収してきてくれないかしら?」
別視点をと思って書いては見ましたが初めてのことなのでうまく書けたかしら?笑
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