表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拳に爆弾を  作者: ボブ
4/5

始まりが走り出す

「あー・・・どうも、ありがとうございます・・・?」

どったんばったん大騒ぎしている内に陽は傾き、夕暮れが近づいてくる。

されるがまま茶屋に連れてこられたアマリは、とりあえず礼を言うものかと思い、冒頭に至る。

「おっ、礼儀正しい子は嫌いじゃないよ。でもお礼はいいよ。可愛い女の子を助けられてボク大満足だからー」

チャクラがホクホクの顔で言い切る。

「かわっ・・・そんなことより、あなたも一位の賞品狙いですよね?」

わかりやすく当然のことを言って話を変える。が、

「んぇっ?賞品?」

わかってなさそうな声と顔が予想外。

「・・・あれっ、知りません?」

コクコクとうなずかれ、ホントに何しに来たんだろこの人・・・とため息をつく。

「えっと・・・このテストで一つのブロック、要するにサーバーで最後まで勝ち残った一名は、フルダイブへの適性が認められてここの社員として働ける上に部屋まで用意されるんです。」

「えぇ・・・初耳なんだけど・・・」

テスターに選ばれたときにいろいろ説明されたはずだが、何を聞いていたのだろうか。

「まぁ、でも、さっきの急に爆発させるやつがあればなんとかいい線いけるとおもいますよ。」

先程の戦闘を思い出しつつ話す。

「というか、あれ、どうやったんです?」

「爆弾メリケンで高速ジャブ」

すかさず返され、呆気にとられていると、チャクラが立ち上がり、

「そんなことより、つまり、一番強くなりゃお仕事もらえるんだろ?」

「えっ、今の説明を・・・」

完全にさっきの話は忘れられ、急に真面目くさった顔つきになった無職は、

「なぁ、手伝ってくれよ。ほら、助けたお礼だと思って」

「さっきはお礼はいいなんて言ってたのに・・・まぁ、助けられたのは事実ですから、お手伝いしますよ。」

文句は言いつつも、お礼はしないと、と思っていたので、承諾する。すると、子供のような笑顔で、瞳の奥に炎を燃やして、

「よし、決まり!ありがとな、・・・えーと、名前は・・・?」

締りのない、彼らしい始まりが走り出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ