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イマジン×サバイバル   作者: 鷹
第1章 創造神シトラリクエ
9/14

9.サバイバルクッキング

思考の海に沈みかけたとき、竿に僅かな振動が来た。

ゆっくり竿を動かして、当たりを待つ。

グンっと引っ張られる感覚。

糸が針金だから切れる事はないだろうけど、釣り針を持っていかれるのはもったいない。

魚の体力が減るの待ち、振動が弱まって来た所で引き上げた。

結構重い…。

桴の側まで引き寄せると、先には40センチくらいの大きい魚がかかっている。

えーと、全体的に黄色と青っぽいけど、食べられるの?

しかも太っ!?


〔ドンブリ(時知らず) 煮てよし、焼いてよし、刺し身でもよし!な、万能魚。 旬は冬だが、時知らずは夏でも油が乗って絶品。めったに取れない事から市場に出れば、争奪戦になるほど高値で取引される。あら汁も絶品〕


どうやら食べられそう。

ってか、ドンブリって。

丼で食えってか。無理でしょ!

もういいや。突っ込みを入れてたらキリがない。口から釣り針と疑似餌擬きを外し、魚を持ち上げてエラの部分から息を吹き込む。

ビチビチと元気だった魚はだんだん大人しくなった。

一部を除いて魚はエラ呼吸だけど、これ実は水中でしか適応出来ないんだよね。

二酸化炭素って水に溶けやすいから、水中に二酸化炭素を溶け込ませることで排出してるらしい。

だから空気中だと二酸化炭素の排出ができなくて、呼吸が成り立たないから魚は気絶するって訳。


魚捌こう。こんなに大きい魚をニャンコシャークの歯で切れるかな…。

身はぐしゃぐしゃになりそうだけど、歯で切り込みを入れてほぐしたロープでやってみるか。

中樽の蓋に海水を汲んでおこう。内臓取った後、洗うのに必要だし。

大樽の蓋はまな板がわりに使おう。

鱗…はついてるか。

別に皮食べないから気にしなくてもいいんだけど、食べる時鱗が舌にあたるのいやだしなあ。

包丁があればすき引き出来るんだけどね。あとは水で流しながらピーラー使う方法、お湯にくぐらせる方法、束子を使う方法とか…? すき引きは竹で代用するにも竹が長すぎるから無理。ピーラーはない、お湯は火はなんとかなるけど燃やす物がない、束子はなんちゃって草束子があるけど、衛生面を考えたら気が退ける。

うーん、ニャンコシャークの歯を磨いた時に使った、竹の繊維をバサバサにした竹ブラシ使ってみるか。

…取れるには取れるけど、範囲が狭くてイライラする。面倒。

結局ロープを適当に切って、魚のしっぽから頭に向かって擦った方がとれたよ、ちくせう。


海水で鱗を流したら、次はニャンコシャークの歯を使って、お腹から切り込みを入れて内臓を取り出す。

内臓は釣りの餌に使おうと思うので中樽の蓋に入れておく。

お腹の部分を海水で洗ってから、今度はエラ下から、背鰭に切り込みを入れる。

あー、やっぱり刺さるのは問題ないけど、切るのはノコギリ見たいにやらないとダメだねぇ…。

お刺身で食べるなら、魚の繊維を壊さないように切らないと、美味しくないんだけど…、仕方ないか。

片側半分、切り込みを一周させたら、しっぽを足で踏んで抑えて、ほぐしたロープ繊維(1ミリにも満たない)数本を撚りをかけてから、両手人差し指に巻き付けて握りこみ、糸を張らせる。

しっぽを踏んだのは魚が動かないようにする為だ。

本当は、手で押さえながら三枚におろして、皮を剥ぐんだけどね。

糸ノコみたいにしてエラからゆっくりひいていく。新鮮だからか意外とすんなり切れたよ。骨に当たったら、しっぽ側に引いていく。お腹の骨の所が少し手間どったけど、無事に半身が切れた。

しかも、血合がピンク~! 新鮮な証拠だね!鮮度が落ちると血合ってだんだん赤黒くなる。でも鉄分やビタミンA、D豊富だから食べよう。

マグロとかカツオ、サバだと少し生臭いし小骨多いんだけどね。


ひっくり返して、もう片方も半身を切る。

骨と頭は後でやるとして、今度は皮を剥ごう。左手で押さえながら、右手の人差し指で親指にピンと張った糸で皮と身の間に添えて少しずつ引いていく。

本来ならこのまま包丁で引いて行くのだけど、この魚、油のり過ぎて滑ってやりにくい。皮を上にして皮を持ち上げながら剥がしていった。

皮を剥がしたら、今度は身の下に糸を置き、左右に糸をクロスさせ、一口大に切っていく。

リクが作ってくれた、縦半割りの竹に移せば出来上がり!

あ、パセリも添えておこう。大きめにちぎったパセリはお刺身に添えて、もう1つの縦半割りの竹には細かくちぎったパセリに海水を少し混ぜたもの。醤油変わりだ。

欲をいえば更にこの中にオリーブオイルと、少しのレモン汁入れるとカルパッチョ風で美味しいと思うんだけどねぇ。


まだ残ってる半身はどうしよう…。

うーん…、あ! 昆布締めのお刺身!

メーカブで出来ないかな!?

メーカブの乾燥具合は…。半日そこらで乾く訳…。

うん、わかってた。リクがなんかしてたの気づいてた。

昆布生産者もびっくりするぐらい、完璧な乾燥昆布あったよ。

なんで増えてるの?

ウチの手のひらに乗る位しかなかったよね!?

増殖させたの!?

何した、豹柄ミイラ!?













パパセリはパセリ、ドンブリはブリ、メーカブはめかぶ(根昆布)のイメージです。

書くの忘れてました…。


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