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イマジン×サバイバル   作者: 鷹
第1章 創造神シトラリクエ
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8.桴改造

まあ、いいか。リクの事はペットとして扱おう。

しっかり、しつけしないとね(黒笑)


リクがせっかく用意してくれたので、屋根を作る事にする。

イメージはビニールハウスだけど、雨水が直接大樽に流れこむようにしたい。

曲げられた竹はL字形なので、桴のサイズにあわせてコの字形になるように、真ん中をロープで結んで、ニャンコシャークの歯を使って余分な所は切る。それを6組作った。

それを桴の隙間にさして針金で固定する。

樽側は低めに、反対側まで少しずつ高くなるように調整した。

次はレザーシートを広げて大きさを確認すると、横1.5メートル、長さ2.5メートル位のが4枚あった。


「風呂敷みたいにデカかったらしんどかったけど、これなら切らずにできそうかな」


レザーシートを1枚、縦10センチ間隔の蛇腹状に折ってから、樽側から上に被せ竹の上、下と交互に入れて反対側まで被せ、シワになった所を伸ばす。

とりあえず、端っこは樽の底に届く位に調整して、

それからぐらつきを抑える為に、曲げられていない竹をレザーシートと同様にL字形の角に交互にさしていく。

天井にあたる結び目の所にはL字形の竹を短い方を樽側に向けて、長い方を差し込んでいき、さらにロープで固定。この時に真ん中を凹ませて雨水の通り道を作る。

横にもレザーシートを張ろうと思ったけど、風であおられて桴ごと転覆は避けたいし…。

うーん、風の通り道を作って、開け閉め出来るようにしようか。

天井同様に蛇腹状に折ったレザーシートを交互に差し込んでから、等間隔に3本差し込んでロープで固定。

反対側も同様にやる。

これだけだとぐらつくので、針金を竹の両端に巻いて切る。

それを針金の端をU字にし、組んだ竹に引っ掛けたら海に沈めて桴の下に通す。

あとは交互に引っ掛けながら樽側の組んだ竹まで移動。組んだ竹を挟むようにして針金で固定。

ふう…。

あとは蛇腹状に折ったレザーシートを、少しずつ上にあげれば

風の通り道を調整できるよね?

残った材料は組んだ竹に緩く捻った針金で固定。これで流されないでしょ。


レザーシートが1枚残ってるので、今度は針金の釣り針を使って服を作ろう。

着替えは必要だよね。下着は無理そうだけど…特に下の部分は…。

今、ウチが着てるのは長Tシャツにハーフパンツ、タンクトップ、下着である。

だって寝てたしね…。


Tシャツ自体作る訳じゃなく、結ぶタイプのベストみたいなのと

ハーフパンツを作ろうと思う。

レザーだから通気性悪そうだもんね…。

少し短めのワンピースタイプの方が作るのが楽だけど、溺れた時の事を考えたら怖い。

泳げないからよけいに…。

Tシャツを脱いで、広げたレザーシートに、ニャンコシャークの歯を使って苦戦しながら切る。

見栄をはったサイズ…、少し大きめにね。

ロープは綿?っぽいから、適当な長さに切って繊維をほどく。

繊維状になったら刺繍糸位に束ね、針金釣り針にくくりつける。

少しずつ錐で穴をあけながら、クロスタッチで縫う。ハーフパンツも作って、出来上がる頃には辺りはオレンジ色に煌めいていた。

出来上がりは…、まあその場しのぎだからいいかって感じかな。

出来たばかりの服と残ったレザーシートを畳んで、中樽に入れて蓋をする。


あ、そうだ。期待は出来ないけど、ロープを等間隔で結び目を作って桴から海に沈めておこう。

貝系がくっついたら儲けもの位で。

はあ…。

ご飯…。

お腹空いた。

桴の下をそっと覗いてみるが魚はいない。

そりゃそうだよね。ついさっきまで桴改造してたんだもん。

ガタゴトしてたら逃げるよね、そりゃあ。

仕方ないので竿に針金をくくりつけて、ロープで作った疑似餌擬きと、針金釣り針を取り付けて海に放る。

時々、竿を動かしてみるがそう当たりなんて来ないよね。

ぼーっとしているのも無駄な気がするので、リクが何でウチを助けたのか考えてみる。


さっき加護を付けたと言っていた。

で、真贋さんとやらの説明だとリクに食事を与えないと弱るときた。

何でそんな自分が不利になるような事したんだろう?

ウチを死なせた罪滅ぼし…にしてはやり過ぎな気がしてならない。

それに助けたと言って、なんで海のど真ん中なの?

無駄に頑丈な浮島みたいな桴も気になるし…。

まあ、一番気になるのはリクの生態だけど!


そもそも、真贋とかスキルって何?

大体ウチってスキルとか、なんとか魔法とはなんぞや?な人間だよ?

ウチはゲームもあまりやってなかったし、漫画もあまり見てない。どういうものかは友人知人から聞いて知ってはいるし、時々貸されて読んだ事はある。

でも、ウチ基本興味あるものしかやらないタイプだし、本に至ってはミステリー系とか、トリビア系を主にみてたし。

そのおかげでこんな、やぐら擬き作れたんだけどね。

大概は忙しくてみれなかった、プレイできなかったと言って返却。友人達もウチのヘビー生活を知っていたから仕方ないね~で笑って許してくれた。


ウチは、中学を卒業したあと定時制学校に進学した。

昼は働いて夜は学校。学校を卒業したら貯めたお金で専門学校に入学した。

月に1日だけ、平日に体を休ませる休息日を入れ、土日や連休は稼ぎ時なので、1日にバイトの掛け持ちを2つ3つ入れて。

成人式を迎えたらお水商売のバイトもした。

働きながら調理師資格を得て、更に介護の資格も取った。

母は内職系の仕事をしてたが、体が弱く、出来高性の賃金なんてたかが知れている。

6歳違いの弟を高校に行かせる為、母の負担を軽くする為。ウチは頑張ってきたのに。

ギリっと唇をかんだ。

血の味がする。


過ぎた事は戻らない。前に進むしかない。

それでも、心のモヤモヤは晴れる事はない。

なら、せめて母が産んでくれたこの命、大切にしよう。

まずは生き延びなきゃ。





























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