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イマジン×サバイバル   作者: 鷹
第1章 創造神シトラリクエ
2/14

2.目覚めは桴の上で

シトラリクエの名前はアステカの神様からお借りしました。マイナーすぎて、資料が少ないです。

体が淡い黄緑色の光に包まれると、苦しかった呼吸が楽になり、寒さも痛さも柔らいでいく。


〔オートヒールが完了しました。マスターの健康状態をスキャンします。…軽度の脱水症状を確認しました。これにより、水魔法を習得しました。応急措置に移行し体内の水分、塩分濃度を正常値に調節中…。完了しました。 続けてマスターの──〕


「って、いつまで続くんかいっ!? さっきからピコピコうっさいわぁっっ!」


〔マスターの指示を確認。サイレントモードに移行します。これにより、状態魔法を習得しました。………。〕


しーんと、やっと頭の中のピコピコ音が止まった。

なんとか桴に這い上がり、仰向けに大の字になる。

「はあはあ…。なんか、無駄に疲れた…」

リアルにorzの文字の格好になる位、疲れた。

そして、目が合ってしまった。豹柄ミイラに。

その豹柄ミイラは、濡れた豹柄包帯を絞っている。

[あ、落ち着いた?]

と、首をかしげる豹柄ミイラ。


ウチは無言で、豹柄ミイラを掴みあげた。

[え″?]

すごい、ぷにぷにもふもふしとる。水風船に、毛皮を纏わせたような感触だ。よく見るとしっぽまで豹柄包帯で、先っぽだけふさふさの白い毛だった。

感触が面白くて、つい喉もとやお腹の辺りをコショコショすると、じたばたとする姿がちょっとかわいいと思ってしまった。


[や、止めっ…! うきゃぁっ]

ウチの親指をペシペシと叩いて抵抗しているが、かわいいだけだ。…なんか楽しくなってきた。しつこくやってると、


[いい加減に…]

突如、包帯が割れた。

[せんかい!]


パシーン!

目の前には、先程までいじくり回していたハリセン(豹柄)を持ったミイラ。

視線を落とし、自分の手のひらを見ると豹柄ミイラ…の、脱け殻。


ハリセンで叩かれた所は、さほどくない。

肩で息をしている豹柄ミイラをまじまじと見つめ、ウチが最初に思った事は、


「脱皮? え、これ蛇みたいな脱け殻なの? ミイラって爬虫類とか甲殻類なの? 蝉とか蝶の蛹みたいに進化するんじゃなくて? うわ~、無いわ~…」

若干ドン引きしてしまった。見た目は哺乳類なのに脱皮って…。


[突っ込むトコそこなの!? さりげなく距離取らないで!? 僕傷付いちゃうよ!?]


知らんがな。

ウチは豹柄ミイラを無視して、脱皮した脱け殻を観察する。

脳内でピコーンと電子音か鳴った

突然の事で体がビクッと反応してしまったが、何故か脱け殻にゲームで使われるような半透明の吹き出しが現れた。

ご丁寧に指さしのアイコンが点滅している。


「え~……」

アイコンの点滅は、早よう押さんかいって言うぐらい段々スピード点滅している。

だがしかし、ウチは押すなと言われて押すタイプだ(キリッ)。

それは、自分が納得した上での自己責任と言う、ウチなりの曲解だから、理解されにくいけど。


無視していると。

〔マスター、サイレントモードの解除をお願い致します〕

吹き出しの外に文字が出てきた。

〔何とぞお願い致します〕

面倒くせ~…。

〔どうか、ひらひらにっ!(土下座の顔文字)〕

あー…。うん。いいよ。あまりピコピコ煩くしないでね。


〔ありがとうございます! ……。サイレントモードを解除。スキル、鑑定を習得により対象を視界に入れる事で、生物、無機物問わず情報を任意で開示できます。現在マスターは、鑑定、看破、隠蔽、探知、探索の感知探査系スキル全てを習得し、EXスキル真贋に統合されました。〕


は?

EXスキル? なにそれ? まあ、どうでもいいや。

〔真贋スキルをマスターのイマジネーションスキルとの組み合わせで、スイッチを押すイメージにて使用できます。アイコンにまたはウインドウに視線をあわせてください〕

よくわかんないが、この吹き出し見ればいいんだよね?

脳内アナウンスの言う通りに、スイッチを押すイメージで開いて見る。


〔創造神シトラリクエの衣。天の川から採れる微量な繊維から出来ている。包帯ではない。〕


吹き出しを見て、今までガン無視していた豹柄ミイラに視線を移し、手の中の脱け殻を見る。

その豹柄ミイラはこちらに背を向け膝を抱えて、いじけているが。


「これ、服なんだ…。」

そしてふと、ウチはある事を思った。

「今、真っ裸って事…!? ぎゃっ! 変態!」

[ちゃんと服着てるよ!? もういいから、それ返して! あと、いい加減説明させてっ!?]

浮き上がって、ウチの手の中の服ぶんどるように奪い返すと、いそいそと脱け殻を再び身に纏い、ウチに向き直る。

[それじゃあ…グェ]

「…説明して貰おうか?」

再び豹柄ミイラを掴みあげ、ウチはニッコリと笑顔で尋ねた。


のちに豹柄ミイラ事、創造神シトラリクエはこの時の黒い笑顔は、死という概念がない神でさえ、命の危険を感じたと、他の神達に語ったという。



























話のイメージを崩したくないので、顔文字を文字で表現しています。脳内イメージでお願い致します。



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