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イマジン×サバイバル   作者: 鷹
第1章 創造神シトラリクエ
10/14

10.試食タイム

大変遅くなりました。


もういいや。

せっかくあるんだから使おう。

ニャンコシャークの歯を使って、半身の大きさにあわせてメーカブを二枚切る。

半身をメーカブで挟んで、半割り竹に入れて小樽に入れておく。1日寝かさないと旨味が出ないからこれを食べるのは明日かな。

後は、頭と骨か。

とりあえず骨は力技で頭から折った。

骨も叩いて細かく砕けばカルシウムもDHAも取れる。今は出来ないけどもったいないよね。

今は運よく魚釣れてるからいいけど、捕れない時もあるだろうし。

骨の間にある身をニャンコシャークの歯を使ってこ削げとって、細かくちぎったパセリと数滴の海水を混ぜてタタキ擬きを作りながら骨の活用法を考えた。でもだんだん面倒になって、結局骨は内臓と一緒に撒き餌にしようと思いいたる。

骨は竹筒にはいる位の大きさに折って、竹筒に内臓と海水と一緒に移す。ハギレのレザーシートを被せたらロープでしばって常温発酵させよう。匂いがきついほど、魚集まってくるだろうし。


大量の塩が有れば魚醤も作れたんだけど、海水の塩分濃度だけじゃ足りないからねぇ。

レザーシートに海水をかけて天日で乾いた塩も考えたけど量がたかが知れてるもんね。せいぜい大さじ1杯か2杯って所だし。

やっぱり内臓は餌にするしかないか。


頭はどうしよう。マグロとかサーモンのカマって美味しいんだよね。あら汁とかうしお汁にしても、シンプルに塩焼きにしても。

正直、増殖されたメーカブと針金があるから、鍋がなくても煮ることはできるんだよ? 火もカラカラに乾いた竹があるから火種ならなんとかなる。でも、燃料…燃やすものがない。

流木とか近くに流れてきたら考えよう。

という訳で、頭は放置。

樽の蓋を海水で洗ってからその上においておこう。

手早く片付け、完全に日が暮れるまで時間がないから早くご飯食べるか。


箸と出来上がったお刺身、タタキ擬き、調味料擬きをテーブル変わりの大樽の蓋の上に置いて、大樽の中に放置したリクを回収に向かう。

「起きてる?」

樽の中を覗きこむと、ミノムシみたいにぶらぶらしているリクと目があう。

ロープで全身簀巻きにしたウチがいうのもなんだけど、斑柄のいも…。

[虫扱いしないでぇぇっ!?]

ちっ。

[舌打ちした!?]

「ご飯出来てるよ」

[無視なの!?]

ミノムシ状態のままリクを持ち上げ、テーブルがわりの樽の蓋に乗せ、簀巻きにしていたロープをほどいた。

「それじゃ、いただきます」

竹箸で、まずはお刺身を何もつけずに一口。

うん、プリプリの歯ごたえ。油がのって美味しい。サーモンの時知らずも食べた事あるけど、こっちは弾力と歯ごたえがあるね。油もほんのり甘味がある。

血合いの部分も新鮮だからか生臭くないし美味しい。

しゃぶしゃぶで食べても美味しいかも。

次は調味料擬きの海水inちぎりパセリを付けて食べてみる。パセリ独特の苦味と青臭さはあるけど魚の油とマッチして中々美味だ。

糸で切ったから口当たりは悪いけど、これはこれで有りかな。

ネギトロ擬きも中々イケるね!

うまー。

[じー]

リクがヨダレを垂らしてじーっと、ご飯を見ている。

[あー]

座って両手を広げたまま謎の行動をするリク。その姿はテディベアを連想させた。

[あー?]

首をかしげるリク。

「食べないの?」

[ガーン]

何故ショックを受ける。

[食べさせてくれないの?]

………。

「な・に・を・甘えてるのかなあ?」

[ぐえ]

リクのほっぺたをむにーっと両手ではさんで伸ばしたあとグリグリする。

意外と伸びて逆にびっくりしたけど。

あ、あれだ。焼き色がついたお餅。あれに見えてきた。

……。

さっきの魚の頭と一緒に煮込んだら、お雑煮にできそう…。

無言でリクをじっとみてみる。

[僕、食べちゃうの? 食べられちゃうの!?]

涙目でプルプルと震えて見上げてくるリク。

「うん、お腹壊しそうだからやめとく」

[ガーン!]

なんかショック受けてるみたいだけど、早く食べないと真っ暗になる。

「ハイハイ、これ持って。マナーは大事だけど使いこなせないなら刺して食べても…」

さっき作ったつまようじサイズの箸をリクに渡そうとした時、突然吹き出しが現れた。

〔加護レベルは神への貢献、献身度によって上昇します。

マスターの場合、創造神シトラリクエに手ずから食事を与える事で貢献値・献身値が大幅にアップします。〕


……あ"?


〔申し訳ありませんでした、マスターの御心のままに〕

土下座マークがゆらゆら揺れてる。

吹き出しを怖がらせてしまった。すまん。


[ごはん…]

ヨダレを垂らして見つめるリク。

ごはんを食べさせると貢献した事になる、ねぇ。

箸でお刺身をリクにあわせて小さく切って、リクの口元に持っていくと、リクはキラキラした目でウチを見上げ勢いよく食べ初める。

[ウマウマ!]

そうですか。

そのあとリクが満足するまで食べさせてやる。

手のひらサイズの身体に実会わず、割と大食間な豹柄ミイラの生態に若干引いてしまった。

後片付けをする頃には手元が少し見える位まで真っ暗になり、

行動も限られてくる。

もう、横になろう。

お腹が膨れ動けなくなったリクを中樽の中にいれると泣きだされた。

「高波がきたとき投げ出されたら危ないでしょ? ウチ泳げないし、我慢して」

[うう…]

……。

あ、そういえば、海に放り投げてもリクは戻ってきたから投げ出されても大丈夫か。心配して損した。寝よう。























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