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冬の雨が上がる時  作者: 登夢
第2部 再会・自立編
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年末年始と普段の生活

年末年始は二人とも仕事が休みだった。私は社員食堂に勤めることにしたので、休みはずっと一緒に過ごせるのでとても嬉しい。山内さんも機嫌がいい。


大晦日は山内さんの部屋でテレビを見て、除夜の鐘を聞いてから、すぐ近くの八幡神社に初詣に行った。


それから戻ると明け方近くまで二人でお酒を飲みながら、お互いの仕事のことなどを語り合った。そして私は後ろ髪を引かれる思いで自分の部屋に戻った。


元旦は目が覚めたら、もう11時を過ぎていた。急いでお節料理を準備する。12時を過ぎたので山内さんに電話する。


今起きたところだと言っていた。お節料理を作ったので食べに来てほしいというとすぐに来るとのことだった。


山内さんは私の作ったお節料理をおいしいと言って食べてくれた。お雑煮も一緒に食べた。お腹がふくれたところで腹ごなしに二人で公園へ散歩に出かけた。


帰りがけに私は元旦の夜は泊ってほしいと言って何度も頼んだ。山内さんは、ただ抱き合って眠るだけとの約束で泊ってくれることになった。


それでも泊ってくれることになったので、とても嬉しかった。私はそれで十分だった。


久しぶりに二人でお風呂に一緒に入った。山内さんが私の背中を洗ってくれた。私も背中を洗ってあげた。


その間、私は山内さんのあそこにちょっかいをかけてみた。やめろと言われてもやめなかった。山内さんもまんざらでもなさそうだった。


私は固くなったのを見届けてからようやく止めた。安心した。山内さんはやはりもう回復していた。


二人は布団で横になって、山内さんは腕枕をしてくれた。山内さんがひとりごとのように私に話しかけてくる。


「未希とは最初は身体の関係だけで、好き放題できればいいと思っていた。でも不思議なものだ。それが続くと情が移ると言うか未希が可愛くなって惹かれていった。そしてもう手放すことができないくらいに未希が可愛くて好きになってしまった。どういう訳か、未希もいつの間にか俺を好いてくれるようになっていた。あんなことに俺がなってからは、二人は心だけで繋がっていた。今もそうだ。身体の繋がりから生まれた心の繋がりの方がそれを生んだ身体の繋がりよりも遥に強いことが分かった」


私はそれに再び身体の繋がりが加わればもっと二人の絆が強くなると言いたかった。


でも山内さんが我慢して私を抱き締めるだけにしている訳は分かっている。その気持ちの方を今は大切にしたい。


だから、ねだるのはやめて、しがみつくだけにしておいた。この方が私の気持ちを伝えられる。


久しぶりに山内さんの腕に抱かれて眠った。私は夜中に目覚めてやっぱり我慢できずに抱きついて身体を押し付けて誘惑してみた。ダメなことは分かっている。でも何かしないと気持ちと身体が治まらない。


山内さんは私を強く抱き締めてくる。動けない。でもそうされることが嬉しくてたまらなかった。


私はそういう山内さんのやり方に満足して眠ってしまった。久しぶりに満ち足りた気持ちで眠れた。


◆ ◆ ◆

正月休みが明けて、普段の生活が戻ってきた。


私は8時30分が始業なので山内さんより早めに出かける。山内さんは9時からなので8時過ぎに出かける。


帰り時間は、私は食堂でパーティーがない限りは6時前にはスーパーに寄って帰宅する。


山内さんは8時頃にアパートに着くけど、五反田で私にメールを入れてくれる。そして自分の部屋には行かずに直接私の部屋に寄って食事をする。


その方がほどほどで引き上げるには都合がよいと思っているみたい。泊まるにしても週末に限っている。お礼の千円は月末に回数でまとめて払ってくれている。


土日は二人で出かけたりしなければ、山内さんが夕食を作って私を招待してくれる。


私が以前一緒に暮らしていた時に作ってくれていた野菜炒めやカレーなどが食べたいと言うと、希望の献立で作ってくれる。


それを食べるとあのころが思い出されて本当になつかしい。私もお礼に千円を払っている。山内さんは自分の方が断然得していると言って喜んでいる。


私は今の生活に満足している。いや、山内さんとの身体の関係が元に戻っていないから少し不満であるのは事実だ。


でもこれでいいと思っている。だからいつも穏やかな気持ちでいられる。山内さんもいつも穏やかで不機嫌な顔を見せたことがない。私に気を使っていてくれるのかもしれないが、心が休まるし癒される。


山内さんは私と正面から向き合ってくれているのがよく分かる。私のためにも山内さんのためにも、二人が過去から解き放されるためにも、それが良いと思っている。


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