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冬の雨が上がる時  作者: 登夢
第2部 再会・自立編
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彼がおじさんのアパートに訪ねてきた!

今日も就職の面接を受けにいった。


ホテル勤めは調理師の腕を磨くには良いけれど、勤務時間が不規則で、独身のうちはそれでもなんとかなるけど、結婚したらすれ違いが多くなるので、結婚生活には不向きなことが分かった。


今度は勤務時間が一定で土日はお休みのような職場を考えた。おじさんと休みの日が同じであることが一番大切と考えたからだ。レストランだと土日が書入れ時で休みはとれない。


そんな都合の良いところはないかと探してみると見つかった。社員食堂のコックさん。


社員食堂は会社が休みの日はもちろん休みになる。社員食堂を運営している会社の求人がいくつか見つかった。


調理師免許を持っていると給料はソコソコだけど就職先は結構ある。生活に困るほどの給料でもない。


3社ほど回って、今のアパートから通勤が容易な場所にある社員食堂で働けるところを探した。


今日面接を受けた会社に決めようと思っている。会社も採用したいと言ってくれている。


9時におじさんから携帯に電話が入った。


「山本真一が俺の部屋を訪ねてきて、今、帰ったところだ。アパートの周りにいないか確かめて、9時30分ごろに未希の部屋に行くけど、いいか?」


「はい、待っています」


9時30分丁度におじさんが私の部屋をノックする。私はすぐにドアを開けておじさんを中に入れた。


ソファーに座ってもらって、コーヒーを入れてあげる。


「彼は何と言っていましたか?」


「もう一度やり直したいと言っていた。もう一度未希に聞いてみるとは言っておいた」


「そうですか」


「本当に別れたいんだね」


「もう決めました」


「分かった。それなら彼に都合を聞いて、週末にでも会って来よう。離婚届に署名を貰ってきて上げよう」


「お願いできますか?」


「必ず署名をしてもらってくる」


「ところで勤め先は見つかった?」


「候補が2,3か所見つかったので、面接に行っているところです。決まったら教えます」


「離婚届の用紙を区役所の出張所からもらってきて、未希の分だけ必要事項を記入しておいてほしい。俺はそれを持って彼に会いに行く」


「分かりました。準備します」


私の決心は揺るがない。おじさんも気合が入っている。


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