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冬の雨が上がる時  作者: 登夢
第1部 家出・同居編
3/49

住まわせてもらえることになった!

玄関ドアのカギを開ける音がする。おじさんは9時ごろといっていたけど、まだ8時半を過ぎたばかりだ。玄関へ行くと、おじさんが靴を脱いでいた。手に弁当が入ったレジ袋を下げている。おじさんは私をジッと見つめた。


「おかえり」


「ただいま。まだ、居たのか? 家へ帰らなかったのか?」


私は黙って頷いた。


「夕食は食べたのか?」


お釣りが残っていたので、おじさんに黙って差し出した。


「お釣りか? 取っといていいんだ。君に上げたのだから」


そうか、私のものなんだ。おじさんの言うとおりなんだ。


「残りは自由に使えばいい。財布をあげよう。小さくて使い辛いのがあったから、それに入れておくといい」


整理ダンスの引き出しを探して、小さな革の黒い財布を渡してくれた。私のくたびれた財布よりずっといい。私はお釣りを入れてそれを握りしめた。余ったら私の自由にして良いんだ。自由になるお金が少しでもあるのは嬉しかった。


「掃除をしてくれたのか?」


掃除したのをおじさんが気付いてくれた。


「ありがとう。下でデザートを買ってきたから、俺が弁当を食べてから、一緒に食べよう」


おじさんは冷蔵庫から缶ビールを出して、それを飲みながらチンした弁当を食べている。食べ終わるとお湯を沸かしてインスタントコーヒーを2杯作ってくれた。私は椅子に座ってそれを見ている。


「ケーキを食べよう。ケーキは好きか?」


ケーキは大好きだからすぐに黙って食べて始める。


「おいしいか?」と聞かれたので頷く。その時、黙々と食べている自分がおかしくて笑ってしまった。


「名前を聞いていなかったな?」


美崎みさき 未希みきです」


「未希か、良い名前だ」


「俺は山内やまうち じゅん、歳は31になったばかりだ」


「未希は18だったね」


私は黙って頷く。


「明日は土曜日で休みだから朝はゆっくり寝ていよう。朝食を食べてから、未希の着るものを買いに行こう。今着ているものだと寒いだろうし色気がない。もっと女の子らしいものを着てほしい。それにその髪はなんとかならないか? ボサボサだ。近くにヘアサロンがあったから連れて行く。もう少し小ぎれいで可愛くなってほしい」


「分かった。ありがとう」


おじさんは私の着ているものや容姿が気に入らないみたい。もう少し私を可愛くしたいみたいだ。でもありがたい。今まで毎日食べていくことがやっとで、着るものを買うゆとりなんかなかった。おじさんの言うとおりにしているのが良いみたい。


それから、昨晩と同じくおじさんがお風呂を準備してくれて、二人で入った。このあとどうするかは昨晩と同じと分かっている。おじさんが先に入って、私が続いて入った。おじさんが身体を洗ってくれる。なすがままにまかせていればいい。おじさんは何も言わないけど機嫌がいいみたい。


お風呂からバスタオルを身体に巻いてベッドに連れていかれた。それからはやはり昨晩と同じだった。じっとしてなすがままになっている。やはり昨晩と同じ痛みが襲った。痛いと言ってもおじさんはすぐにはやめてくれなかった。


でも痛さを我慢しているのが分かったと見えてようやくやめてくれた。昨日より少しは慣れてきた。でも、終わったら身体から力が抜けて、すぐに眠ってしまったみたい。


明け方、おじさんが私を抱きよせたので目が覚めた。目覚ましが6時を指している。また、昨晩と同じことをする。昨日の朝は何もしなかったのに今日は朝からだ。我慢してジッとしている。そういえば今日は土曜日でおじさんは休みだった。ようやく分かった。


私がぐったりするまでやめなかった。今朝も痛かったけど、我慢できるようになった。それからおじさんは私を抱いたまま眠ったみたいだった。私もまた眠った。


これまでは良く分からなかったが、おじさんは私が妊娠しないように避妊してくれている。今朝、それが分かった。確かにおじさんにはだらしないところがない。結構几帳面な性格なのかも知れない。


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