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冬の雨が上がる時  作者: 登夢
第1部 家出・同居編
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高校の卒業

3月10日、今日は高校の卒業式だ。私はおじさんにどうしても来てほしかったので、出席をお願いした。おじさんは快く出席してくれた。


長いようで短い1年だった。4月には父が亡くなって、その後私が倒れたり、父の散骨に行ってからおじさんの身体に変調が起こったり、いろいろなことがあった。おじさんには不能が一番の事件だったように思う。


今はおじさんに落ちつきが戻ってきている。でもそれは慣れたというか、あきらめに近いものなのかもしれない。


私はおじさんとの穏やかな生活の中で卒業を迎えた。お陰様で私は母のように高校中退とはならずにすんだ。


卒業の記念に校門の前で二人の写真を撮ってもらった。高校の入学式では両親と3人で写真を撮ったけど、その両親はもういない。この4年間はいろんなことがあり過ぎた。今、私はもう天涯孤独だけど、おじさんがいるし、守ってくれている。


すでに私は4月から蒲田の調理師専門学校に入学することが決まっている。手続きもすべて終えている。卒業式が終わったらすぐに毎日アルバイトをすることになっている。学校に通い始めると土日位しかアルバイトはできないから、今のうちにできるだけお金を貯めておきたい。


授業料は年間130万円で、私が全額払うと言ったけど、約束どおり半分はおじさんが身体で返す約束で出してくれた。今ではもう身体で返す意味がなくなっているけど、おじさんはそれでいいと言った。おじさんが望んでいることもあって私はそれに甘えることにした。それ以外は私の負担ということになっている。


このごろは、私はいつもおじさんの腕の中で眠っている。安心して眠れるし、おじさんもそれで心が満たされているように気持ちよく眠っている。このままの生活が続きそうで安心している。


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