第15章王国再編6
まだまだ続きます。
ヴィンハルト王国 王城
アークが遊びに来た。最近アリバから来た3人がメイドしている。2人がお茶を準備して1人がアーナを呼びにいく。
アーナが子供を抱いて来る。「どうだ?可愛いだろ?」とアーナがアークに聞いている。「そうだな。子供は良いもんだな!」アークも同意する。
「じゃ、そろそろ結婚しろよ!もう三十路だろ?」と僕が言うと「いや~。結婚はなあ~。」と暢気なアーク。
「ふっ!その様子だと女の1人も居ないんだろ?」とアーナに鼻で笑われる。「誰かみたいに大勢いるよりマシだろ?」とアークが反論する。
「三十路近くで1人も彼女すら居ない負け犬の遠吠えだな。それでも私の兄か?この甲斐性なし!!」とアーナが容赦無い。
「言ったな!作る気に成ればハルトにだって負けない数が出来るんだぜ!」とムキになって反論するアーク。
「ほう!言ったな?彼女達も証人だ。明日楽しみにしておこう!」と言ってアーナが去る。「い、イヤ、明日なんて無理だよ!」とアークが情けなく言うがアーナは居なくなってる。
「ど、どうしようハルト・・」とアークが言うから「まあ明日来いよ。ダメでも何とかなるさ!」と考え無しで僕が言う。
「アイツ、何故だか俺には容赦がねえから・・」アークが悲しそうに言って去った。
そして翌日、アークが1人で来る。「ハルト、やっぱ無理だよ。助けてくれ!俺の周りは顔ブスか性格ブスしか居ねえ・・」とアークが言う。
「顔も性格も良くてとなると・・」と思い僕が後ろを振り返る。にっこり微笑んでくれる美女3人居るではないか。
「アーク、後ろの3人はどう?」と僕が聞くと「あれはお前の女だろ?」と聞かれる。そこで3人に「アークの彼女に成っても良い人は居ないかな。」と聞くと。
「私で良ければなりますよ。」と3人共言った。「うそだろ!やった!」と喜ぶアークがいる。そこにアーナがやって来た。
「昨日はあのように言ったが私は私で兄様を心配していた。良かったな兄様!」とアーナに言われ嬉し泣きするアークだった。
アークは3人と結婚式をあげ「ありがとうハルト!」とずっと言ってくれていた。
そして僕は旧ソウジ王国に飛んだ。王都や周辺の町や村は荒廃している。原因ははっきりしている。戦争で青年、壮年の男が戦死して男手が無いのだ。
ある村には男は老人が1人だけだ。「この前の戦争で村の男は全員連れて行かれたのです・・」と寂しそうに言った。このままでは限界集落になる。
今やこの旧ソウジの男女比は1:9だ。それも1のほとんどが老人か子供なのだ。そこで・・
各地の内政官に連絡し未婚、未亡人を問わず結婚の意志がある人は王城に来るよう指示。すかさず王城に戻り爺と相談する。
「爺!お見合いイベントを王城でやろうと思う。会場の準備を頼む。」と言うと「いっそヴィンハルト王国全土から呼び寄せては如何ですかな?」と言う。
「男も兵士や農家の次男や三男等は結婚出来ず苦労しておるそうじゃ。」と言う。「では1か月後を目途に開催しよう!」と僕が言う。
参加資格は15歳以上で年齢制限はしない。未婚、既婚は問わないが夫や妻が居る人はダメという条件でハンゾウ、シズカ、フランクにビラや口コミを頼む。
各地の内政官は王城行の乗合馬車を仕立てた。こうして各地から400万人を超える男女が王城に集まって来た頃。
「どうして私は参加できないのさ!」と10歳だと名乗る女の子に僕は怒られていた。戦災孤児の子供を面倒みている女の子だった。
内政官も全てを把握出来る訳も無い。そこで孤児達も救助せよ!と各地に伝令を立て王城へ向かわせた。
そうして王城には800万人近くの人が集まった。よく入る城だと感心してしまう。
ありがとうございます。




