第15章王国再編4
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オローシア帝国 帝都
悪魔の王、狂犬と呼ばれていた3代目オシリスキー皇帝は今や悪夢の王、駄犬に成り下がっていた。それを見ていた弟のオホモスキーは宰相を呼び出す。
「何よ!アレは!駄犬に成り下がっているじゃないのよ!」と兄を罵っている。「アンタも側にいてどうしてこうなったのよ!」と煩い。
「は、はあ。帝都を奪われ180万の将兵を失ったショックから抜け出せないようでして・・」と汗をかきしどろもどろで答える宰相だった。
「じゃ、もう要らないわ!サッサ殺して!私が4代目皇帝してあげるから。そして兄の仇を取ってあげるからね。」とキモマッチョが言う。
自分が殺せと言って仇取るって・・と近習達も思うが誰も口にしない。そして4代目オホモスキー皇帝が誕生した。
すぐさま、インデア帝国とソウジ王国に使いを出し同盟を決める。見た目はアレだが行動力と決断力は優れている。
この報はすぐハンゾウの手によってもたらされる。インデア帝国の国境にも砦(大)を設置してタールとマイヤの兵30万が収容される。
当然オローシア帝国の国境砦にはアークとカールの50万が入っている。そしてソウジ王国にはアルファの1万が配備されているが国境ではない。
森や山に潜んでいるのだ。そう言えばセバスに預けたソウジの五男のメビウスは心を痛めているかと思って覗いてみると、「バカな父と兄達ですよ。」とニコニコしてる。
「あの人達にしたら僕は死んでも良い人間だったんです。」と言う。「生まれてからずっと邪魔者扱いでしたから。」と少し寂しそうに言った。
「陛下に逆らう愚か者共は皆死ねば良いのです!」とにこやかに言うセバス。「ホントその通りですよセバス様!」と笑顔のメビウス。
なんか怖いと思いながら僕は爺に会いに行く。「今回若はどこを攻めるお積りですかな?」と聞いてきた。「彼らに任せてみようとおもっているよ。」と僕が言う。
「余程の事が無い限り、若の出番は無さそうですな。」と笑顔で言う。
オローシア帝国でも前回の失敗は研究していた。(兵力を分けた事と砦を攻める準備が不足してたのが敗因ね。私は失敗しないから)と出来る女医のような事を言う。
攻城用の投石機を百機用意していた。(私は駄犬とは違うのよ王様。)とキモマッチョが高笑いした。
一方インデア帝国は機動と破壊を誇る象兵を用意していた。グズリはこれでハルトに泣きを見させてやると意気込んでいた。
その頃ソウジ王国では
「2か国の大国に挟まれ四苦八苦した時がチャンスじゃな!」とパパイヤ王が言う。「左様ですな!」と宰相が悪巧みしていた。
「メビウスには可哀想な事をしたがこれも国の為を思えばよ!」ホホホと笑う。「御意。」と宰相も言う。2人とも可哀想と思ってないのは明らかだ。
「兵の用意は出来ておるのか?」と聞くと「もちろんでございます。」と答える。もうすぐ破滅するのを知らずに・・・。
攻城兵器をいくつ用意してもあの砦は傷も付かないのだ。バズーカでも傷1つ無かった。石や象で何とかなると思っているから可哀想だ。
(まあ振動くらいはあるだろうけどね。)まずはオローシア帝国が喜んで仕掛けてきた。百の投石機が1回目、2回目、3回目と仕掛けた。
最初は歓声が上がるが3回目が終わると悲鳴に変わる。(なによ!どうなっているのよ!)と焦りだす。4回目、5回目と仕掛けても結果は一緒だ。(どうすれば・・・)と考え込む。
一方インデア帝国も象兵が次々門に殺到するもビクともしない。矢を射ち掛けられ象も兵も死んでいく。将軍達も今までで経験した事がない恐怖に支配されていく。
敵は無傷で自分達だけが減っていく。こんな戦いはした事が無い。一旦引く事に成るが誰も何も言わない。言えなかったのだ。
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