第15章王国再編1
次に移ります。
ヴィンハルト王国 王城
「爺!この国から貴族制度を今の代で終わらせる。それから軍を再編成する。それに伴い軍学校と一般学校を作るぞ!これからは実力主義の時代とする!」
大将 アーク
中将 カール
少将 マイヤ タール
准将 アルファ
「これから5人に佐官、下士官の選定を行ってもらう。爺には地方長官、内政官を決めていって欲しい。」と告げる。
マイヤとタールは辺境伯では無くなったが不満は無い。領土の事を考えずに済むからだ。
「アーク大将とカール中将は対オローシアだ。マイヤ少将とタール少将はインデアに備えよ。そしてアルファ准将は対アリバだ。」と言うと「はっ!」と全員が答える。
「それぞれが兵を訓練し遅れを取らぬよう!」「はっ!」と答え解散した。
僕は砦(大)をオローシア国境に移動させアークとカールは任地に赴く。マイヤとカールは暫く王城で家族と過ごしてもらった。
今の所インデアに動きはない。それまでは2人は兵の練度を上げてもらう。
近隣諸国から使いが大勢来るようになった。シラン南部に大小10以上の国から側室や息子をと言ってきた。驚いたのは北のアリバから3人の美女を贈られたのだ。送り返そうと思うと。
「返されたら悲惨な目に合うのでお許し下さい!」と言う。良くて娼館、悪くて奴隷として売られると言う。「端女としてで良いので使って欲しい!」と言う。
爺が来て「置いて上げなされ。おそらく彼女達の言う事も本当であろう。早くアリバなんぞ潰してしまえば良いのです。」と静かに言った。
アルファに会いに行く。100人の部下が隊長になり1万のゲリラ部隊を編制していた。山や川、そして森に潜む訓練だ。
「アルファ近々この部隊に活躍してもらうぞ!」「それは嬉しいですね!お任せ下さい!」と頼もしい。
「ハンゾウいるか?」「はっ!」「アリバの状況とオローシアの繋がりを調べてくれ。」「承知致しました。」「あと南部の国々も出来たらで良い。教えてくれ。」「はっ!」
国内に僅かに残った貴族から大きな反発は出なかった。領地経営の難しさから解放されたいと思っている方が多いのだ。
ハルトは識字率が上がればいずれ立憲君主制を取ろうと思っていた。しかしこれはまだまだ先の話になりそうだ。
インデア帝国 33代グズリ皇帝が君臨していた。300年続く名家として近隣諸国は崇めている。
「宰相、隣の国は主が変わったそうじゃが挨拶にも来ぬか?」とグズリが言う。「新興国にてそのような礼儀も弁えておらぬかと。」と答える。
「貢物1つも寄越さぬとは生意気じゃな。」とフンガフンガと怒っている。「左様ですな。」と澄ました顔で宰相も答える。
「まあ良い。北にアリバがいる。痛い目に合うじゃろ。」カッカッカっと笑う。
その頃アリバでは
「ギャングのお頭!ハルトって野郎、ちゃんと上玉3人受け取ったようですぜ!」と手下1が言う。「バカヤロー!お頭って呼ぶなって何度言えば分かるんだ!!」とギャングが怒る。
「なんでしたっけ?総統でしたな。」と手下2が言う。「そうよ!忘れんじゃねえぞ!」とご機嫌なギャングだった。
「おい!それでお礼は何か言ってねえのか?」と聞くと皆が首を傾げる。「まあ良い。これで安心して荒稼ぎ出来るってもんよ!」と上機嫌に言う。
それぞれの思惑でまた動きだすのであった。
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