第14章シラン陥落2
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ヴィンハルト王国 王宮内
「陛下。この度はお救い頂き感謝申し上げます。」とアマンダが静かに礼を言う。まだ顔色は冴えない。「シアの姉君なのだ。礼を言われる程の事でもない。」と事も無げにハルトが言う。
「まだ顔色もよろしく無さそうだ。無理をせぬよう。それと過去は変えられぬが未来は変えれるのだ。自分の意志でな。困る事が有ればシアに言えば良い。大概なら何とかしよう。約束する。」と言う。
そうなのだ。過去は夫に売られ奴隷のような扱いで死を迎えそうだったのだ。と身震いするアマンダだった。
シアから「最初の側室様方3人は奴隷にされ女として人間としても地獄を見そうな時、ハルト様に助けられたと聞きましたわ。」と話すシア。
自分と似た境遇だった人達は今、幸せなのだろうか?側室が幸せとは思えない・・シアは本当はどうなのだろう?と思いアマンダは聞いた。
「私も帝国70万が来て終わると思っていました。そこにハルト様が現れ私や父、民を救ってくれそして・・お、オンナとしての喜びも・・教えて・・」と真っ赤になり微笑むシアだった。
丁度シャムが通りかかりアマンダに話をする。「私は魔族とのハーフなんです。」とシャムが言うとアマンダが少し怪訝な顔になる。「普通の人はこう言うとそんな反応をされます。」と言う。
「ご主人様は差別する事も無く、飢えと病気で死にそうな私達を助けてくれ、しかも子供まで授けて下さいましたわ。だからこれからも横に居たいです。」と幸せそうに言う。
あの神々しいのは姿だけでは無いの?そう思い「陛下は人なの?神なの?」とシアに聞く。「以前同じ質問すると、神と思えば神、人と思えば人とお答えでしたわ。」とシアが言う。
「シアはどっち?」と聞く。「私は神に遣わされた使徒様だと信じております!」と断言した。(あの方は私に自分の意志で未来を開けと言われた。きっと側室方もそうなのね。)とアマンダは思う。
急に晴れ晴れとした顔のアマンダを見て「姉様どうされました?」と不思議そうにシアが聞く。「私もシアや側室様のように幸せに成りたいなって思って!」「はい!とっても幸せなんですよ!」と笑う。
シラン共和国 国境
「戦況はどうだ?」とゴミダが聞く。「その・・逆に攻め込まれているようでして・・」と言うと「何をやってるんだ!?指揮官共は何をしているのだ!!」と怒り出す。
前線の指揮官に言わせれば士気も低い、練度も無くイヤイヤ狩り出されたような人達を使えと言われても数が多いだけだと言いたいのだ。良かったのは攻め始めた最初だけだった。
このままだとマズイとシラン側が焦り始めた。大商人達も傭兵を雇い繰り出し防衛に充てる。首都まで攻め込まれてはいないが今の勢いだと明日にでも来るのでは無いかと思っているのだ。
大商人達は急遽集まり会合を始めた。「ゴミダを解任して戦犯とし、隣国のヴィンハルト王に差し出すと言うのはどうじゃ?」「しかし明日にでも敵軍は来そうな勢いじゃ。間に合うのか?」
「我らの家や店も燃やされ無くなってしまう・・」「そもそもを言えばゴミダが勝手に戦争など仕掛けるからこんな事になるのじゃ!」「それを今言ってもどうもならん!」
結局纏まらずに会合は終わる。最初の傭兵を雇うというだけだ。総勢1万を集めたのはさすが大商人というところか。
1万集まった傭兵にしても纏まりはない。その中でアルファという若者が1つ前の町で迎撃を主張した。「ゲリラ戦を行う!」と。しかし「臆病者の若僧は引っ込んどれ!!」と一蹴された。
仕方なく手勢100人で1つ前の町に行き街中でゲリラ戦を仕掛けた。これにタールとマイヤも苦戦する事となる。アルファはヴィンハルト王の目に止まるのであった。
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