第1章6
『ミッション:村と村人を守り、魔物を殲滅せよ!』
1人平原の方に歩いて行こうとすると村人たちが止めようとする。普通の感覚なら当たり前だろう。
どう見ても自殺志願者にしか見えない。「ありがとう。大丈夫です。男の人たちは村をお願いします。」と僕が言うと「アンちゃん死ぬなよ!」と声を掛けてくれた。
頭を下げ平原の見通しが良い場所を選ぶとゴブリンやオークが殺到してきた。
「さっそく試しますか。」
天叢雲剣を抜き、一騎当千とつぶやく。あっという間に死体が積みあがる。3分で200は死んだであろう。村との距離は200m以上ある。
「さあもっと寄って来い!」そう叫んで乾坤一擲を発動する。全滅したか?と思ったら1体だけ立っていた。どうやらゴブリンキングだ。
「最後試させてもらおう。明鏡止水。」
ゴブリンキングはなす術なく散っていった。村に被害がないかと急いで戻ったらどうやら全員無事だった。3人が走り寄って来る。
「ご主人様素敵でしたわ。」「恰好良かったです。」「愛してます。」
最後なにか違うがまあ良い。
村に入ると
「アンちゃんスゲーぞ!」
「カッコイイぞ!」
「愛してるぞ!」
やはり最後おかしいが気にしたら負けた気がするのでスルーする。
無愛想だった宿の主人がニコニコしながら近づいてきた。気味が悪いが話は聞こう。宿に連れ込まれそうになったら天叢雲剣で成敗する。
「ご領主様がお呼びだ。」そう告げてきた。良かった。僕の貞操は守られた。普段は代官がいる屋敷で、ご領主様はいつも王都にいるそうだ。
お昼ご飯を食べてから行く事になった。
『ミッション:コンプリート』突然頭の中に響く。
『嘗ての部下を召喚出来ます。1人だけ呼ぶ事が出来ます。誰にしますか?』そうなるとアイツしか居ない。大賢者で参謀、宰相のコウメイだ。「コウメイを頼む。」
髭面の仙人みたいな顔だったなあと思っていたら現れた。「久しぶりですな若。」NPCだったヤツが呼びかけてきた。
曖昧に「あぁ」と頷くと「どうなされた?そんな他人行儀な」と悲しそうに言う。どうもこうもない。昔から他人だ。
「コウメイ、僕たちは違う世界にきているんだ。」と言うと「まず昔のように爺とお呼び下され、そして僕なんぞ言ってはなりませぬ。余もしくは俺までは許します」
色々突っ込みたいがガマンした。平成のサラリーマンに「余は」って無理がある。
3人にも爺を紹介する事にした。3人が盗賊に囚われ解放したが奴隷紋までは消えなかった事。
まだ3日だが共に旅してきた事等。「相変わらず女ぐせが悪うございますな。」ため息まじりに言われる。お前は俺の何を知ってるというのだ?さっき初めましてだぞ!と叫びたい。
「彼女達とは何もないぞ。」と言うと
「あら?お風呂であんな事やこんな事されましたわ」とマリ(頭と身体洗ったな)
「布団の中で肌を合わせましたよ。」とラナ(裸で隣に寝てたな)
「ずっと一緒だよと約束しました。」とルナ(それ、拡大解釈な)
「彼女達の事はキチンと責任を持って下され。」と諦め顔で言われた。オッパイの1つも手のひらで味わってないのにどうしてこうなる。