第12章VSオローシア帝国3
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エラク王国 王都
パトリシア殿下一行はハルトと別れ王都に戻った。キウイ王に報告する為だ。「殿下、王はこの話をお信じになられるとお思いですか?」とタールが聞く。
「見ていた我々でも夢物語の中にいるようでしたから。」とマイヤが言う。「天使様が現れ70万を壊滅状態にしましたよ。」と言えば誰だって頭を疑うであろう。
「一緒に報告して下さいね。」とパトリシアが言うと「御意!」と2人が答えた。一通りキウイに説明するシア。2人もフォローするが「70万、70万だぞ?」と信じてない。
(無理もない・・)と3人は思うのであった。その夜、シアは風呂上り高ぶった気持ちが押さえれなかった。(ハルト様ハルト様、シアをもっと、この胸もメチャクチャにして!あっあっあ~)
一方ヴィンハルト王国 国境砦 オローシア軍
「あれが本当に1日で出来たと申すか?誰か答えよ!!」オシリスキー皇帝が八つ当たりのように激怒している。(今更そんな事を言ってもどうにもならないのに・・)と皆思っている。
「ひとまず一戦当たり砦の強さを確認してみるのは如何でしょうか?」と宰相が言う。「そうだな。将軍はいるか?」「はっ!ここに。」
「卿に兵を預ける。あの城門を壊してこい!」「御意!」とただちに兵を再編していく。翌朝早朝から砦軍10万対オローシア軍10万が激突する。
ヴィンハルト王国 国境砦 王国騎士団
ヴィンハルト王国側の道は石畳で幅100mだがオローシア側は土を踏み固めただけで幅も10mぐらいだ。100万居ても一気に攻めるのは無理がある。
しかもこの砦はコの字型なので両サイドから矢を射かける事が出来るのだ。敵は門しか攻撃出来ないので守り易く攻められ難い。(ハルトはどうやってこんなの作ったんだ?)
「アーク団長、敵来ます!!」丸太を抱え城門を打ち破ろうとする部隊が坂道を駆け上がって来る。「弓隊構え!打てえ!!」とアークが叫ぶ。3方向から矢を打たれバタバタと死んでいく。
「第二射構え!打てえ!!」と言うと敵の先頭はほぼ倒れる。結局敵はいたずらに損害が増える一方の展開だ。「城門まで辿り着けません!!」と兵の悲痛な声が響く。
この日2万以上の損害を出し撤退するのであった。翌日も同じように力押しして3万以上の被害を出す。オローシア軍の士気は下がる一方である。
オローシア軍 本営
「誰か良い作戦はないのか?」とイライラしながらオシリスキーが尋ねる。皆が沈黙する。正攻法では死者が増えるだけなのだ。「山側から攻めるというのは如何でしょうか?」と宰相が言う。
険しいあの山に誰が行くというんだ・・と皆が思っているが口には出さない。百人単位を10作り左右に展開した。ハンゾウが罠を仕掛けているので途中次々と命を落とす。
結局誰も成功する事無く時間だけが過ぎた。「エラクや間道の方はどうなっている?未だ成功したと連絡が来ぬのはなぜじゃ?」と言っていると報告が来る。
「申し上げます!!エラク侵攻軍壊滅!!」「敗残兵がチリジリになり1万程度が戻っている由に御座います。」「な、なんじゃと!!70万が負けた??」とオシリスキーが叫ぶ。
「斥候の報告では間道軍10万全滅した模様。」と次々悲報が飛び込んでくる。そしてダメ押しに「帝都付近で謀反!」「レジスタンス反乱!」と報告が入る。
「止むを得ん。帝都に戻るぞ。」と悲しそうにオシリスキーが言う。狂犬のキバは抜かれたのだ。
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