第12章VSオローシア帝国2
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エラク王国 王城
同盟を発表するも貴族や民衆の評判は芳しく無かった。貴族の大半は国を捨てて逃げ出していた。そもそも弟であるアナール公爵が1番に逃亡したのだ。後に続く貴族を王は責められない。
そんな中、2人の騎士爵が王都にやって来る。目通りを願っていると言うので通すと「マイヤと申します。国難に立ち上がるべく、陛下の恩顧に応えるべく兵500ですが率いて参りました。」
「タールと申します。同じく国難を排除、陛下の恩顧に応え敵を殲滅すべく自領より兵500を率いて参上仕りました。」と言う。
まるで帝国の双璧と言われた、ロイ〇ンタールとミッター〇イヤーのようだ。と僕がニコニコしていると2人が「我が国と同盟して頂きありがとうございます。」と礼を言う。
「余はこれからパトリシア殿下と共に帝国軍70万を殲滅すべく国境へ向かう。卿らはどうするのだ?」「陛下!我らも殿下をお守りすべく国境へと向かうご許可を!」と言うと頷くキウイ。
「パトリシア殿下、こちらへ!」と呼び寄せる。「その方達はゆるゆると参られよ!我らはは先に行く!」と言ってシアの腰を引き寄せる。
「シア!しっかりとしがみつけ!飛ぶぞ。」と小さな声で指示すると真っ赤な顔で「こ、これでよろしいでしょうか。」と首に手を回す。口づけポジションだ。「よし!飛ぶぞ!」と飛んでいく。
「な、おい!タール急ぐぞ!置いて行かれた!」とマイヤが叫ぶ。「へ、陛下。我らも急ぎますのでこれで失礼致します。」と頭を下げ駆け足で出るのであった。
エラク王国 国境
見通しの良い高台に着いた。吹き渡る風が心地よい場所だ。まだ帝国軍は集結出来ていない。「シア、もう離れても大丈夫だぞ!」と声を掛ける。「え?いやよ・・・」と小さな声で言う。
「うん?なんて言ったの?」と聞くと「な、なんでもありません・・」と言って慌てて離れた。それから暫くするとタールとマイヤらしき兵が遠方から砂煙を上げやって来た。
帝国軍も集結したようだ。「役者は揃ったな。」と僕が呟くと「え?役者?」とシアが可愛く聞く。「お、おまたせ致しました。」と疲労困憊のタールとマイヤだ。
「卿らはここで殿下をお守りしながら余の戦いを見ておれ!」「な、まさかヴィンハルト王が御一人で!?」「いけませぬ!自殺行為ですぞ!」とタールとマイヤが止めようとする。
飛翔術で飛び出し天使アバに着替えヴァルキリーとイフリートを召喚する。天叢雲剣を抜き一応帝国軍に呼びかける。「その方達、宣戦布告もせず我が同盟国に攻め入るつもりか?」と言う。
「当たり前だ!こんな国なんざ一捻りだ!」と叫ぶ。ヴァルキリーは右、イフリートは左だと指示する。
「主の御前です。跪きなさい!」とヴァルキリーの美しい声が空から響く。タールとマイヤ、それにシアと千人が跪く。「殿下、かの王はか、神であらせられるのか?」とマイヤが聞く。
「あの方は以前私にこう仰いました。神と思えば神だ。神と思わねば神では無いと。」とシアが言うと「なにやら謎かけのようですな・・」とマイヤが呟く。
「下賤共、頭が高いぞ!」とイフリートが言うと炎に焼かれ左側面に居た兵たちが逃げ場を無くし死んでいく。中央でハルトが「一騎当千」となぎ倒して行く。
「主に仇なす者達よ。消えなさい!」とヴァルキリーの澄んだ声が響き光のシャワーが降り注ぐと次々と兵たちが死んでいく。
シアは手を合わせ神を信じた。後ろの千人の兵達からもどよめきが起こる。「神が我らにお味方されたぞ!」「天使様!」「ヴィンハルト王は天軍だったんだ!」と歓声が上がる。
「乾坤一擲」半径400m内に居た敵兵が消える。さらに味方から歓声が起こる。「も、もうダメだ・・」「神に逆らったんだ・・」「許しを・・」「とにかく逃げるんだ!」
恐らく無傷の人間はほとんど居ない。怪我人ばかり5万居るかどうかになって皆逃げ出した。僕は追わずに陣営に戻ると「使徒様。」と静かにシアが言うと皆跪いた。
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