第10章統一編5
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ヴィンハルト王国 城内
「若!イジワルを言わず助ければ良かろう。」と爺が言う。もちろん助ける気は有るのだ。ただアノ王だと思うとなあ。「思いつめて親殺しをさせては成りませぬ。」と諫言する。
「ハンゾウ、俺が行くまで親殺しさせないようにしといて。」と言うと「承知!」と声だけ聞こえる。
その頃のアルメニア皇国 王都
「姉上、もう親父の引退とかの次元じゃ無くなったよ・・」とガーネットが寂しく言った。第一騎士団長が来る。「国王は何処に居られます!!」「ここじゃ!どうした?」
「マケグーセ公爵率いる貴族軍5万がもうすぐ攻め寄せております。それとネグーセ侯爵率いる貴族軍2万が別働隊を、またそれぞれが反乱軍を率いております。逃げるなら今すぐに!!」
「何故だ!!!何故皆裏切るのだ?」「本当にお分かりに成られるなら頭と心のご病気なのでしょうな・・・私の騎士団以外は全て、敵になっています。」
「う、うそだ、私はこの国の為に・・・」「何も無さっておりませんな。少なくとも10年以上前から。」「だが・・」
「もう時間はありません。我らと籠城して敗れて打ち首にみんなでなるか?逃げて、運が良ければ生き延びられるか?それともまた決断からお逃げになりますか?」
「この10年何もしなかった訳ではないぞ・・あの時だって・・」と1人ぶつぶつ言ってる。
「報告します!!我らは完全に包囲され、マケグーセ様からの降伏勧告が来てます!!!」「なんと言ってるのだ?」
「王とアランは打ち首だが妻や娘たちは生かせてやる!!と言っています。「とりあえず騎士団は籠城準備だ!」「分かりました!!」と返事をして去って行く。
騎士団長は冷たく言う。「王家の皆様はご自害の準備を・・」と言って去って行った。
パールは悲しんでいた。(こんな終わり方なの?私の人生って・・死ぬか奴隷として生きる選択が最後なの?あんまりだわ・・)
「親父!!テメーが王として何もしなかったツケを私達・・死ぬか奴隷しか残されて無いんだぞ!!何とか言えよ!!」とガーネットが泣きながら言う。
「私は何も間違っておらん!むしろヤツらがおかしいのだ!」と今になってもこんな事を言ってるベンザ王であった。
「あなたは最悪で最低な王でした。でも夫として父として優しい所もありました。だからここで私達と一緒に死にましょう。」と夫人が微笑みナイフを取り出した。
そして全員が絶望の淵に立ったその時、王城の上空から声が聞こえてきた。「卿らに聞こう!!なにゆえ謀反を起こし王を裏切るのかと。」とリンとした声だった。
「あの声は・・・ヴィンハルト王!!!」とトパーズが叫ぶ。そう言って声のする方へベンザ王以外の全員が駆け出して行く。上空には天使の羽と衣装のハルトが上空に浮いている。
パールがトパーズに聞く。「ヴィンハルト王って神様だったの?」「私がお会いした時は人間の恰好をされて居りましたわ姉様。」
「頭の悪い王は要らぬと貴族全員の総意だ。邪魔立て致すなら、そなたも無事では済まされぬぞ!!」と言ってヒャヒャヒャと笑う。
「話し合いで解決出来ないのかと問うておるのだ。そんな事も分からぬ愚か者しかおらぬのか?」とハルトが公爵たちを虚仮にする。
「たった1人で来て、総勢10万の我らに勝てると思っているのか?このアホウが!!」と公爵が言うと「下賤共が!天に逆らう愚か者共!!」と言ってヴァルキリーとイフリートを呼ぶ。
「主の御前です。跪きなさい!」とヴァルキリーの美しい声が響くと王家の面々も跪いた。
「下賤共、頭が高いぞ!」とイフリートが言うと炎に焼かれ兵たちが逃げ場を無くし死んでいく。その光景を王家の面々は見ている。
「主に仇なす者達よ。消えなさい!」と光のシャワーが降り注ぐと次々と兵たちが死んでいく。
「まだ抵抗を続けるか?」ハルトが上空からゆっくり降りてくると兵たちは武器を捨て平伏した。
(このお方がヴィンハルト王なの?なんなのこの胸の高鳴りは?)とトキメキを隠せないパールが居た。
(ヴィンハルト王は・・ううん神は私達をお見捨てに成らなかった・・ありがとうございますヴィンハルト王・・私の一生を賭けお慕い申し上げますわ。)とトパーズは決意を新たにする。
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