第10章統一編3
土曜は接待に行ってきます。
アルメニア皇国 王都
「し、城が大きいくらいでギャーギャー騒ぐでない。」「しかし城の大きさは国を表すとも言いますぞ!」「いっそ使節団を送ってみるというのは?」と誰かが言うと何となくそれが良いなとなった。
ベンザ王(42)決して能力は低く無い。唯一の欠点が致命的なのだ。優柔不断で決断力が無い。妻は1人だけというこの乱世で珍しいが周囲は決められ無かっただけと知っている。
今回珍しく全員一致で使節団を送ると決めても中々王は了解しない。宰相がこうなりましたと言うと、でもを必ず言うのだ。しかし子供には恵まれた。
第一皇女パール(24)おっとり型だが頭は良い。
第二皇女ガーネット(22)強気、ワガママ、脳筋
第三皇女トパーズ(18)空気読める、思慮深い
第一皇子アラン(16)甘えん坊、未知数
この中の1人を使節団に入れてと言われても自分では決められ無いのだ。送った方が良いのも分かっていて出来ない。もう病気なのだ。
貴族たちもどこかが攻めて来れば逃げようと大半は思っている。この王と心中したくないのだ。
そんな中、ガーネットがまたグチグチ悩んでんのか?私が行ってやるよ!と言い出した。だがこの皇女が見てもスゲーよ、でけーよ!で終わるだろうと皆思ってる。
3日待って王が決断したようだ。皇女たち4人も出席していた。そして王が全員に向かって「いっそ誰も行かないというのはどうだろ?」と言ったのだ。
沈黙の後、全員が「はあーーーーー????」と言った。皇女達4人は俯いた。もう謀反がいつ起きてもおかしくない。
第三皇女が手を挙げ「すみません。皆様。私が行く事で決まっております。父上は病気で今日から少し休養させて下さい。」と言うと「なんだ、決まってたのか。」「病気ならあの言動も仕方あるまい。」
なんとか場が収まった。第二皇女が父親の口を押え無理やり退場した。
首都が移転した事により便宜上、3か国はヴィンハルト王国を名乗る事にしたのだ。3か国のどこを名乗っても蟠りがあるのだ。
しかも城塞と言っても良いだろう。この世界でこれだけの規模はもう見れないだろう。さすが神の使徒様よとまた評判になる。そんな時アルメニア皇国から視察したいと書簡が届いた。
しかし書簡が王ではなく第三皇女だった。(まあ誰が来ても問題でもないか。)と了承した。
そんな時、すっかり忘れられていたクルイーヌが見つかったとムサシから連絡が入る。本物かどうか分からないのでラフランス帝国から顔を知ってる人を呼び寄せる。
第一皇子が死んだ時に母親(38)と逃げたが途中、盗賊に捕えられた。クルイーヌと母親はそれぞれ処理専門になり母親は妊婦になった。
クルイーヌも母親も奴隷の首輪をつけられているので逃げる事も死ぬ事も出来ず生きながらえていたようだ。普通に考えれば処刑するしかない。本人達もそう希望した。
最後は生き地獄だっただろう。希望通りにする事にした。これで直系男子は居なくなった。ラミアかライラの子が聡明なら復活すれば良いだろう。
アーナ、ラミア、ライラが懐妊した後近衛の子4人とマリとラナも懐妊した。ルナとシャムが悔しがっているがこればかりは仕方ない。
王城で暮らし始めて1カ月は経ったがまだ使ってない、入った事のない部屋が数多くある100人くらい子供が出来ても大丈夫な気がする。
そんな時アルメニア皇国の一行が到着したと連絡が来た。早速目通りの許可を求めて来たのだ。(父王みたいに優柔不断で無いのかな?)
「ヴィンハルト陛下お初にお目に掛かります。アルメニア皇国、第三皇女のトパーズと申します。今回の視察を受け入れていただき感謝に堪えませぬ。」
「楽にして城内を自由に見てくれ。」と言うと「陛下に相談したき事があり参りました。」と言うので隣の部屋を使う事にした。
「陛下は我がアルメニア皇国をどう思われますか?」「話が抽象的で分からないが?」「敵対、同盟、属国、放置だとどれでしょうか?」「素直に言わないと思わないの?」と笑う。
「陛下が我が国や私に嘘を言う必要は無いと思っています。それだけのお力をお持ちです。」と言うので「僕が何もしなくてもアルメニア皇国は近いうち滅びるだろう。」と言うと悲しそうな顔をした。
「それは君にも分かっているだろう?あの父上ではね。」
書き溜めします。




