第1章3
試しに首輪を弄ってみると、あっさり壊れた。
「信じられな~い!」と3人が口を揃えて言っている。どうやら人の力で取れる代物ではないらしい。
しかしながら奴隷紋はそういう魔力を持っている人でなければ消せないようだ。
3人とも怪我しているし身体も弱っている感じだ。僕が持っている万能薬やHP回復薬が役に立って欲しいと願いながら使ってみる。
「目が見えるようになった!」「足が動く!」「切られた指が戻ったわ!」3人が嬉しそうな声で叫んだ。
元気になった所でお互いの自己紹介をする事にした。僕は遠い国から来てこの国の事が分からないと。出来れば奴隷紋を消すまで一緒に旅をして欲しい。
その間こちらの常識等教えて欲しいとお願いしてみた。
意外にも快く3人とも快諾してくれた。
2人は元男爵の娘でルナとラナ、そしてもう1人はダークエルフでマリと言った。
今、この国は王様が崩御なされて跡継ぎである王子も暗殺され混迷、混乱の最中だそうだ。
俗にいう群雄割拠、戦国時代の様相だ。ルナとラナの父親も戦いに敗れ、捕まって奴隷にされ売られる途中だったと。
「私達姉妹は帰る場所がありません。ずっとご主人様のお供させて下さい。」と言う。
「私は森を出たら掟で戻れない。私もよろしく!」と元気にマリが言う。
とりあえずボッチにならずに済んだが美人3人連れてというのは。喜ぶべきなのだろうか?
少し悩んでいると「私達はご主人様の好みに合わないのでしょうか?」と3人からウルウルした瞳で言われる。
「い、いやそんな事はない。僕と一緒に行動してくれてありがとう」というと「キャー!ずっと一緒にいるって!」3人が拡大解釈している。
3人に色々と聞いた。この国の今どのあたりで通貨は?と聞くと少し怪訝な顔で国の南東辺りで港町に連れた行かれる途中だったようだ。
通貨はギルという単位。(ゲームのギルは使えるんだろうか?)と考えていると突然、音が鳴った。
『ミッション・コンプリート』