第8章聖光国陰謀5
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イシュタル聖光国 聖都
到着した途端かよ。と思うくらい3人が尾行に付く。まあこの服装だしな。(腹芸の得意な教皇様はどう出てくるかな?)
「ほう!ヴィンハルト1人で来たか?」「どうなされます?」「どうとは?放っておけば良いではないか?怪しい行動だけ注意しておけ!」「承知致しました。」と言って下がる。
(何かを掴んできたか?いや。おそらく怪しいと思って探りに来たのじゃろうな。)
「ハハハハ!残念じゃが手ぶらで帰ってもらおう。」と1人でおかしそうに笑う。前回ハルトを煙に巻いた事で見下しているのだ。どうせ小僧だと。
聖都貧民街の廃屋
1人の枢機卿が転がっている。もちろんハンゾウに拉致された男だ。散々シヴァに頭を弄られてる。「主よ。簡単に喋れぬようにガードされてます。」「何とかなるか?」「もちろんです!」
「起きろ!」と言うと気だるそうに枢機卿が起きた。「色々聞きたい事がある。」と言われ(肝心な事は喋れないようになってるんだよ。)とほくそ笑む。
「教皇は人間なのか?」と聞かれ「いや、魔族だ。」と答え自分に驚く。「じゃ今回の事は教皇が企んだ事か?」「いや、もっと上の指示だ。」と言って自分の口を押えようとする。
「そいつは誰で何処にいるんだ?」「俺たち下の者は知らされていない。」「魔族がよく教皇になれたな。」「今の教皇をしているヤツは顔を変えれるんだ。」
じゃ前の教皇は殺されて、なり替わったということか。「すぐ成り替われるのか?」「1度変えると2度、3度は難しいらしい。」出来ない訳でもないという事か。
「例えば俺に成りすます事も可能なんだな?」「出来ない事も無いだろうが時間は掛かると聞いた。」「どのくらいだ?」「おそらく・・1カ月くらい。」
それは割に合わないな。「2つ聞きたい、その上のヤツはここに来るのか?」「1カ月に1度程度は来ている。」「来たら知らせろ!」「分かった。」
「次に魔王と言われるヤツはいるのか?」と聞くとブルブル震えだす。そして小さく頷いた。「どこに居るんだ?」北の方を指差し「かなり遠くだ。」と言った。そして解放した。
「ハンゾウはさっきのヤツと連絡を取り合え。シヴァはヤツの頭を覗いたなら上のヤツが分かるだろう?」と言うと頷いた。
尾行者はシヴァに頭を弄られているので問題ない。ただ付いてくる人になっている。教皇は既に油断しきっていた。尾行者達も毎日問題ありませんと報告している。
そして遂に・・上と呼ばれているヤツが現れる。レーダーも強い赤だ。かなり強そうだ。「主よ。気を付けて下さい。かなりの強さです。」とシヴァに言われる。
聖都の外れで待っているとソイツは来た。「人間ごときにしては、やるようだな。」と嬉しそうだ。天叢雲剣を抜き「話し合いより好きだろ?」と言うと「バカが!」と襲い掛かって来た。
強い!だが「一騎当千。」と呟き反撃に出る。徐々に押し返すと「クソがぁぁぁぁ!!!」と再度反撃しようとする。ヤツが焦り始めている。「明鏡止水。」
1撃、2撃、3撃で崩れた。4撃目で勝負がついた。「人間に、人間に俺が負ける・・・とは・・」と言って死んだ。ちょっと危なかったな。
残るは教皇だけだな。どうしようかなあと考えているとハンゾウがニコニコしながら「殺します?」と聞いてくる。「良い人で死なれると困るんだよ。」と僕が困っていると。「分かりました。」と言う。
「シヴァ殿をお借りしても良いですか?」「何か良い案でもあるの?」と聞くと「お任せ願えますか?」と相変わらずニコニコしている。「分かった。頼むよ。」
それから1週間後
「お屋形様、教皇はこれから破滅します。」と恐ろしい事を相変わらずニコニコしながら言う。
2週間後、徐々に顔が化け物に変わっていく。逃げたい、逃げ出したいのに部屋から出れない。
3週間後、「人間共を殺すのじゃ。」(こんな事言いたくないのにナゼじゃ?)とすっかり化け物の顔した教皇が言う。そこで聖光騎士団が突入し、怪しい枢機卿と共に討ち取られた。
ハンゾウ、一生付いて来てね!!
感謝、感謝です。




