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海外から異世界に?  作者: 駿
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第3章ローズ村編7

王城にて


ボラギ公爵とシルバーベル王都防衛騎士団長が居なくなって早いもので3カ月になった。居なくなった人の穴は誰かが埋めなければならない。


「アイツのせいでこっちは大忙しだよ・・」アークがぼやく。


今のアークは防衛騎士団長も兼務している。


「兄様、シルバーベル殿は病気になったのだから仕方あるまい。」とアーナが笑顔で言う。(アーナはこんなに脳筋だったっけ?)


兄妹で戦えば10回に1回アークが勝つかどうかだろう。


アークも弱い訳ではない。騎士団長が弱くては勤まらないからだ。


「アイツと言ったのはハルトの事だよ。」「な、な、なんでハルトの名が今出てくるんだ!!!」顔を真っ赤にして叫んでいる。


死霊が現れ、兄妹とリリイ殿下が参戦すると言った時、王家派は終わったなと思っていた。


自分たちが死んでも確かにローズがいるが1兵も持っていないのだ。


突然現れたアイツは10万の死霊を退けたかと思うと全体の6割以上握っている派閥の長と3割の派閥の長を王都から追いやったのだ。


(これを妹は、偶然だと思っているんだな。)


(あいつは2年と言った。たった4カ月でここまで成し得たんだ。)アークは思う。


自分が強敵2人を王都から追い出すなんて一生を賭けても厳しいであろうと。(今は難しい。)とも言った。「アイツの頭の中はどうなってんだろうな?」


アークがニヤニヤしながら言うと「兄様、独り言を言うのは年寄りだけですわよ。しかも気持ち悪い。」とアーナが文句を言う。


アークがそう思うのは無理もない。


大公派や騎士派の貴族たちの1部が既に水面下で王家派に鞍替えしたいとセデスやアークにお願いして来ているのだ。


(離反までさせるって一体全体どんな手を使っているんだ?)そんな事を考えていたら、リリイが大至急に来て!と呼んでるらしい。


今、王都に喫緊に迫った問題は無い。


アークや王家派が1番困る事は・・ハルトが暗殺される事だ。今、すり寄ってる貴族は手のひらを返すだろう。


何より2大巨頭が息を吹き返す。(そうだとマズイ、マズイぞ!)


リリイが真っ青な顔で突っ立っている。


アークはその顔を見てハルトは死んだのか?と勝手に思ってる。


「姫様!」とアーナがリリイを抱きしめるとリリイがポロポロと涙をこぼし始めた。居た堪れない静寂な空気に包まれる。


「ハルトが・・・ハルトが・・・」と泣いているリリイを見て、アークは勝手にハルトを死なせた。(安らかに眠れ友よ)と。


「ハルトが6人も側室作ったらしいの。」それを聞いたアークは盛大にコケた。


「な~んだ。たったそれだけ?」とアークが笑いながら言うと「たっただとぅ?」と妹から怒りを露わにされ「それだけだとぅ?」と産まれてきて初めてリリイに切れられた。


事の起こりはセデスがローズ村に調査団を送った事だ。


5人の女性調査団員はハルトにゾッコンのようだ。


そこでローズは4人の給仕と学校の先生と病院の先生はハルトの側室だと5人の男達に告げたらしい。


1人の男が正室は居ないのか?と聞いたら、ほぼ決まっておろうと無い胸を反らした幼子がそこに居た。


「私は側室が何人いても気にしない心が広い女よ。」と賜ったそうだ。


「あのガキィィィ。」(アーナ、アーナ相手は王女だよ。)と小さな声で注意するアークだが聞く耳ナシ。


「姉を怒らせるとどんな目に合うか一度身を以て知らせる必要がありますわね。」(リリイ様ってこんな怖い人だっけ?)と怯えるアーク。


早速、セラを呼びリリイとローズ村に行くので後を頼むと言うとセラも行くと言う。


それだと騎士団がと言うと「アーク様2つ面倒見るのも3つ面倒を見るのも変わらないですよね?」とアークに詰め寄る。


迫力に負けたアークが折れた。「ではリリイ様アーナ様参りましょう。」と出て行った。


「俺なら一生独身で良いや。頑張れよ友!」とアークが小さく呟きハルトにエールを送った。

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