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海外から異世界に?  作者: 駿
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第2章王都編5

『ミッション:王城の北部に死霊が現れた。殲滅せよ。』


王城の内部夜半


リリイ王女は寝ていたが騒がしさで目を覚ました。どうやら何者かが王都に向かって来ているようだ。


謁見の間に着くと近衛騎士団長アークとユリ騎士団長アーナ、そして宰相が控えていた。王都防衛騎士団長シルバーベルの姿がない。


「状況はどのような状況なのでしょうか?」と王女が口を開くと「斥候の報告によりますと約10万の死霊が押し寄せてるそうです。


近衛騎士3千は既に王城の左手で迎撃準備完了しています。」とアークが報告。


「ユリ騎士団王城右手に2千迎撃準備完了しております。」とアーナ。


「シルバーベルはどうしたの?」と王女が訝しむ表情で聞く。


「恐れながら王都10万の民に被害があってはと。防衛騎士団1万5千が避難民の防衛、誘導を行っております。」と宰相が報告するが、これは嘘だ。


実はこの会議が始まる前に宰相とシルバーベルで打ち合わせが済んでいた。


悪巧みだけは素早い。10万の敵に5千が迎撃で、1万5千が避難誘導というのはどう考えてもおかしいのだが・・・


「分かりました!アーク、アーナに命じます。私が陣頭指揮を執ります。」


「な、な、何を仰っております!なりませんぞ。」とブタが焦る。


ここで万が一にでも王女に死なれたら『素敵!結婚して!』計画が台無しだ。


5千が全滅した後に、自分の私兵5百を率いて敗れた兵の1/10で10万の敵を撃破。英雄として凱旋する予定なのに。


「10万の敵に蹂躙され兵も民も失うくらいなら私も戦います。」と決意は揺るがない。


宰相が少し考え「わ、分かりました。せめて私の兵5百を護衛に付けて下さい。」


最後は自分1人が10万の敵に無双する計画に切り替えたようだ。


「ではその5百も前線に投入して下さい。護衛は不要です。」とにべもない。


(まずい、まずいぞ。よし!5人ぐらいの手練れをリリイの近くに伏せてヤバそうになれば連れ出さそう!)相変わらず悪巧みは健在だ。


「招致しました。お言葉通りに。」そして宰相は城に残り王女と団長たちは戦場に向かった。


一方ホテルでは


ハルトがいつもの軍服に着替え、ソファに腰かけて召喚の事を考えていた。


(ヴァルキリー・シヴァ・イフリートを呼べるんだな)そっと後ろから裸のままのマリが抱きしめてきた。後ろ頭に、誰より豊かな胸が当たり気持ちイイ。


「まさか1人で行こうとしてない?」と聞いてきた。「あっマリだけズル~イ」と3人が寄ってくる。


あと1時間で前線が激突するであろう。ここから歩いても前線まで10分だが王都は混乱の極みだ。


いつの間にか両隣に姉妹が腕を取ってシャムが前に来ている。


「それでご主人様は私達を見捨てて1人で行かれるのですか?」とシャムが上目使いで聞いてくる。


姉妹たちが「私達スラム街で役にたちましたよね?」「兵の人や町の人の助けになれると思います」と口々に言ってきた。


女性用アバターを100着以上出し「一緒に来てくれ。」と言うと歓声があがる。


「他の男が喜ぶ服だとご主人様嫌がるよねえ」「そうそう露出少なめ」・・・違う。


これから戦場に行くんだから動きやすいとかあるだろ。これから戦場だというのに緊張のカケラもない。


(まあ良い事かもしれないな。)キャッキャッと言いながら楽しそうだから。


ホテルを出ると大混雑、大混乱していた。


(間に合うのか?)と思い少し急ぐ。戦場の手前に椅子やテーブルが放置された場所があった。ここなら野戦病院になると思い回復薬と万能薬を大量に取り出す。


でもこんな場所で4人が襲われたりしないかと心配だと声を掛けると。


「私達なら大丈夫。心配しないで気を付けていってらっしゃい。チュ」とラナがキスする。「勝ってね」「やっつけてきて。」「愛してるアナタ」それぞれ祝福のキスしてくれた。


最後おかしいが元気出た。


マップを広げてみると左右の黄色い点に赤い点が大量に接近している。


真ん中の黄色が点滅して破られそうだ。(急がなきゃ)と中心部に向かって走り出す。3体召喚して。


「ヴァルキリーは空から攻撃、イフリートは周囲をシヴァは召喚術師を捕えろ。」と指示する。


天叢雲剣を抜き崩壊しそうな前線へと駆け出した。

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