罪深き人間に与える鉄槌の裁き
目を覚ますとそこには無限に広がる大地に見渡す限りとても綺麗な草原の中、真太郎は一人ポツンと立っていた。
「ここは…?」
急すぎる出来事にぼーっとしてしまう自分。
「そうだ、とにかくこの世界のどこかにいるピエロを探さなきゃ俺様は元の世界に戻れない。人を探すと言えばまずは酒場だな、街を探すか。」
東も西も分からない状況だが何も気にせずとりあえず歩き街を探す。
「人もいなければ動物もいない、うーんどうしようか…てかあの変態ピエロ…街に飛ばしてくれてもよかっただろうが。」
しばらく歩いていると奇妙な形をした白い建物が複数見えてくる。
「集落か?人が居そうだな。」
集落をぶらぶらするが人は見当たらない。
奇妙な形をしてる建物がいっぱいある中、一つだけ明らかに白い布を被せただけの建物らしき物があった。
「これだけなんか妙だな、別に興味がある訳じゃないが一応見ておくか」
実は興味津々な真太郎は白い布を大きく引っ張る。するとそこには黒い鉄格子に囲まれた大きな牢屋があった。
「なんだこれ」
中は空っぽだった。
「盗まれた後ってことか…そういえばピエロの奴が言ってたな。戦争が起きそうとかどうのこうのと」
次は奇妙な建物に向かう
「変な形してるけどこれやっぱり家か、邪魔するぜ。」
中に入ってみるとそこには机に布団、冷蔵庫には食料と人が住むには十分な設備が整っている。
「なんだよここ、人は居ないしドアに鍵も掛かってないとてつもなく不気味だ…。」
すると遠くの方から物音が聞こえてくる。その音は次第にこちらに向かってくるようだ。
「おっ、ここの住人達が帰ってきたっぽいな。話が通じればいいんだけど」
外に出て音がする方向へ腕を振る
「おーーーい!!おーーーーーい!!…むっ」
黒いフードを着た何人かの人が馬に乗ってこちらに向かってくる。なにか嫌な予感がした真太郎はさっき不法侵入した奇妙な家へ身を隠す。
「俺様の予感が正しければあいつらは完全に悪者。この世に生まれた時から無意識に悪さをしてるって感じがする。俺様を轢いたあのドライバーと同じ…。」
一目見ただけでなんの根拠もないのに勝手に悪と判断した真太郎は隠れながら窓から様子を伺う。すると黒いフードの集団がこの集落に到着し、どでかい馬車の荷台から腕に銀の手錠をかけた人間が降ろされていく。
「やっぱり見た通り悪だ。…人攫いってとこか。」
数人降りた後、金の手錠をした耳が少し長い金髪で赤い瞳をした女性が降りてきた。
「すごい綺麗な目をしてるなあの人」
向こうと目と目が合う、がすぐ逸らされた
「今目が合ったか…?」
黒いフードの集団は馬車から下ろした数人をさっき見た大きな牢屋にぶち込むと一人が大きな声で喋り始めた
「おぉぉぉい、布が飛んでってるじゃねぇか。だから布は地面に釘打って固定しろっていっただろぉぉぉ???まぁいいとりあえずよぉぉぉし、これで安全だな!!これからオイラはエピソードの旦那に連絡するからお前らはちゃぁぁぁんとこいつら見張っとけ。くれぐれも傷モノにしてくれるなよ。」
喋り終えた黒いフードの男は別の奇妙な家へ向かった。
「なるほど…腐ってるな。今から俺様が手に入れた力を使ってあの捕らえられた人々を助けてやるよ。」
真太郎は家から出て集団の前に立ちはだかりこう言った。
「よぉ、この俺様と出くわしたが貴様らの運の尽きだ。悪いがそこの人達を解放させてもらう」
なんだこいつと言わんばかりに全員が見てくる。
「ふざけてんのか、こいつやっちゃっていい?」
一人の黒いフードの男はナイフ片手にこっちへ近づいてくる。
「フッ…モブが。」
真太郎が能力を使う。右手を天にかざした後、相手の目の前で振り下ろす。
「喰らえ。罪深き人間に与える鉄槌の裁き(ジャッジメントデスルーラ)!!説明しよう!罪深き人間に与える鉄槌の裁き(ジャッジメントデスルーラ)とは、受けた悪者は死ぬ!」
なにも起こらなかった。
「…。」
相手の頭の上に?マークが出てるのがわかる。そしてもう一つ技を使った。
「白旗を掲げた者に明日は来ない(ホワイトフラッグ)。」
真太郎は捕まった。
空いた時間に書くの凄く楽しいです。