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異世界遊神帳  作者: 火色 宙
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第6話 ゴブリン 班分け?

第6話 ゴブリン 班分け?


『・・・・ああ、のどかわいた』

『うん、俺も』

『この後、いっぱいやろう』

『おお、川の水?血水?』

『川がいい。ここキモチワルイ』

『同感さっぱりしよう、命令しかたない』

『ぎぃー。年長の仕事』

『ギィ!』

『『ぎゃぎゃは!』』

 なんか友情を感じるな・・。でもあいつも死ぬんだな・・・寿命?

【肯定。このまま進化しなければ3年立つと推測】

 推測ってなんで?

【角の大きさでわかります】

 うん、そういうこと・・・知りたいんだけど。

【角の長さでゴブリンの年齢が分かります。約5センチで1歳、10センチで2歳、15センチで3歳です】

 そういうのってさ、アドバイス的に教えてくれたりできないかな、割と切実に。

【説明済みですが、具体的なことについては意識してもらわないと不可能です。サポートとして感情を推測していますが、疑問に思ってもいないことを予測するのは非常に困難です】

 そ、そうだったね。うん・・・まぁいいか。それより川の水? 地の水?血?・・・どういう意味だ? ゴブリン的にはお酒のようなものなの?

【不明】

 習慣にかかわるのは仕様的に無理か、なら―――ちょっと聞いてみるまで。

『・・・川の水?』

『『ぎゃ!』』

『お、おまえ、男なのに賢い!もう分かるのか?』

『・・・こくり』

『お前・・・』

『こいつ一押し』

『ぬぬ・・・肉付き、力・・・強そう』

『これを生んだメスは?』

『分かるわけないだろ』

『むぅ・・・』

 おお、あほゴブリンが悔しがっている。ふふ。ちょっと意趣返しだなって!

『・・・・・・な、何!?』

『ぎゃーん、ぎゃーんん♪』

『・・・いい』

『ひぃ!』

 抱きつくな!なんだこいつら!ませ餓鬼が!

『変なやつ・・・うらやましい』

『おい、ダメだ・・・殺されるぞ・・・雌選ぶ、強くなってから』

『あ、ありがとう』

『・・・変なやつ』

『飾りか?』

 心外な・・・。ちなみにさっきまで右の子といっていた言葉を覚えるのが早く手を握ろうとする子をチビゴブリン、左側の妙にボディータッチが多いやつをゴブリンビッチとなずけました。だって周りを見るときかならずナニを確認しやがる。うん、スケ子からもう昇格。そして同じオスの背が高いひょろっとしたやつを、アホゴブリンとします。

 恐らく班だとおもうから、名前を与えてみた。もちろん、自分の中だけだけど。

『『!?』』

『どうだ?ちゃんと分けたのか?』

『ぎゃ! しっかりしました!』

 入り口から登場したのは、体格が更に立派なゴブリン。緊張が伝わってくる。

『ほう・・・いい感じだ。他のところはバランス悪かった、育飯をやれ』

『ぎゃ!』

『あれは・・・飯なのか、壷?のなか動いてねぇ?・・・匂うし水じゃないよな? きたねぇ・・・て、手を洗うとか?』

 二匹の死ぬゴブリンより強そうなやつが、もってきたもの・・。

それを葉っぱに分けていく部下?と死ぬゴブリンたち・・・。おい、それ飯とかいうの?

 うじゃうじゃ・・・白いのがうじうじ、動いてます・・・。水もなんか臭い。気のせいじゃない・・・。食わせるきだ!

『ぎゃぎゃぎゃ!』

『ぎゃー!』

 すげぇ・・・こいつらめっちゃ食いついてるよ!!

目がいっちゃってる!

『食え』

 おお・・・死ぬゴブリンがわざわざ手づから・・。あ、死ぬゴブリンとは、最初にいた二匹のゴブリンさんです・・・。

そんな優しいことしないで、うにうに動いて・・・皿・・・近づけないで・・・。

『どうした?病気か?』

『そ、そんはずはないぎゃ!』

 うわぁ・・・怒ってる? 強そうなゴブリン・・・。それに優しい死ぬゴブリンが焦ってる。・・・ここは、く、食いますよ・・・食えばいいのよね。

『ぬちゃ・・・』

なれ、慣れが欲しいよ・・・さぽちゃん!ちゃんと食べたよ! 噛んだよ!!

【ヘルパーです】

 ヘルパー様!!

【悪食を取得しました】

『・・・お。少しは・・・』

 な、なんかほんのり甘い気がする。さっきまでフクザツな味だったのに。

『よかった・・・おまえいちおし。いっこ多くやる』

 だからっていらねぇよ!・・・。って・・頭なでできた。

 ぐっ・・・。複雑な心境・・・。なに、優しいじゃない・・。顔が孝行爺・・。

『・・・まずい・・・けども。まぁ食えなくもない』

『素直じゃないな。急いで食えよ』

 おう・・・ってウインク?したぞ・・。小声で・・・まさか油断させといてあっちの毛があるんじゃないだろうな・・・。

 葉っぱの皿にはまだ、10匹以上いる・・・。親指サイズとサービスの手のひらサイズが・・・。でかいよぉ・・・。

 美味しそうにはみえないよぉ?・・・

【性格や価値感、感情に直接作用するものは基本的にスキルでは得られません。間接的に作用するに留まります】

 でも、【悪食スキルは、あらゆる物を食べることができ、味覚にも補正がかかるスキルです。経験したことにより嫌悪感への影響があったと推測。またこのスキルは、対象の栄養価を極限まで吸収し、空腹を満たすだけでなく、未経験の食事を取ることであらゆる力をランダムでラーニングするレアスキルです】

 なるほど・・・食えるのかなぁっては思わなくなったかな。それで嫌悪感が少し減ったってことか・・・うーん、まぁ虫を食べる文化はまだあったしね。テレビだけど・・。たくさん食べなくていいのは助かる。

『・・・・まぁ美味しい?のか。うん・・・だからといってあれほどほしいわけではないな・・・喧嘩するなよ、いや、ゴブリンの本能でもあるのか?』

【肯定】

 どうも・・・って俺は感情に助けられて理性が勝るのと知力があるからそこまでないということよね?

【肯定。俺という言葉に違和感を感じますが、なじんできている証拠と推定。種族変化による感情への間接的な影響も考えられます】

 そうなんだ。俺ってなったんだ。ワイルドォ・・・だぜぇ・・・とか考えてる場合じゃないな。何だこの水・・・臭いけど、よし・・・

『これやる・・・食え、急げ』

『『『いいの??』』か!』

『急げ』

 むしろ食ってくれてありがとう!三馬鹿パーティかっこ仮!

『ぎゃああ!』

『ぎぎぃ!ぎぃいい!』

 隣でむさぼる三馬鹿ももちゃもちゃしながら声のほうへ見やる。

 うお、なんか洒落にならない喧嘩始めた二匹がいます・・・。

 ゴブリン・・・なんて哀れな。泣きそう。

『・・・おれ・・くう!それ!』

『・・・・ぎぃ!おでの・・・』

 おいおい、止めないのか?結構派手になってきた。

周りのやつはその間に自分のうじゃ飯?を口に含んだり、どさくさにまぎれて盗んだり。皿を持って我関せずを決め込んだり。

大人ゴブリンはといえば、完全放置している・・・なぜだ?

『ぎゃーー、ぎゃーーーん・・・ぎゃ・・・ん』

 っておいおい・・。ひでぇ・・・。殺し合いだろそれは・・。

引っかいたり、噛み付いたり殴りあったりしていたが、臭い水がはいった土器もどきで殴り始めた・・。完全にマウントをとられ殴りつけられているやつ・・・土器もどきはとっくに割れて刺さるというほうが正しいかもしれない・・・。醜い・・・。

『お前らはあんなことするなよ?』

『しない・・・』ちびメスゴブリン。

『ぎゃん!』いい返事だ。スケ子あらためビッチメスゴブリン・・。

『お前・・・いい』一応分かってるのか?アホゴブリン。

『やめさせろ』

『『ぎゃ!』』

 いつの間にか後ろに現れた大人ゴブリン(強そう)がそういうと、もとからいた死ぬゴブリンがドロップキックばりに、マウントしていたゴブリンを押さえつけた。

『こっちは喧嘩は二人だけか・・・。』

『ぎゃーーー!』

 ドン・・・。

 威勢が良かった同期ゴブリンが一撃で悶絶・・。押さえつけられ騒いでいるゴブリンの腹に、踏みつけ。容赦ない・・・。俺の後ろにいたと思ったら、さっと跳躍して何事も無い様に踏みつけ。そしてまた、ゆっくり戻ってくる・・。こえええ・・・。

『いい戦士になりそうだ。こっちは・・・。もうだめか?』

『ぎゃ・・・』

 殺されると思ったのか、殴られて血もでているゴブリン。ぷるぷるしながら立ち上がる。

『根性だけはあるか。そうだ、それでいい。雑用でも強いほうがいい。薬ぬっておけ、そいつだけな』

『はい』

『できるだけあれを使うのを忘れるな』

『ぎゃ』

 ゆっくり周りを見回しつつ、遅れて入ってきた部下?に指示をするでかゴブリン。最初の死ぬゴブリンより上なのは確定事項だな。

 部下の中にいるやつも死ぬゴブリンより上だろう。

そのうちのメスゴブリン、メスといっても体格がいいし、杖?のようなものを持っている。

魔法か? ヒールも使えるのか? 上位種?

【推定。ただし、ヒールについては不明】

やっぱそうか、ヒールって魔獣とか魔物には使えない?

【非常に難しく誕生の条件などで違います。またゴブリンは魔物です】

 というと?魔獣と魔物の違いもあるの?

【恐らく、人などの苗床から生まれた亜種ゴブリンなら可能と推定。ただしこれも人の推定で確実ではありません。魔物と魔獣はその性質において異なります。魔物は生存本能のほうが強く、社会性も比較的もっています。魔獣は破壊衝動で行動し社会性を持ちえません】

 !?・・・・そ、そうなんだ。細かい違いもあるんだなぁ・・・。ちょっと面どい・・。

残念ながらヒールを使うところは見えなかったが、あのメスゴブリン。知能に修正があるのか、わからないけど、動きが確かに人間っぽい・・。ほかは見た目的には変わらないけど。人間・・・かぁ・・。っていかんね、嫌な創造ばかりする。

『動くな』

 ぼろぼろゴブリンに卵殻に残った汁をかけたり、怪しげな緑の薬?をべちゃべちゃと塗ったくる大人のメスゴブリン・・・。

・・・・免疫効果があるのかね・・・死なないだけでもいいけど・・。うへぇ・・・

想像以上に過酷な現実。これからどうなるかわからないけど、自分については、確認する気持ちが倍増したぞ・・。

指示が終わったのか、こちらに来るリーダー?

とうとう1m付近まで近づいてきて・・・うおぉ・・強いやつってのは見ただけで分かるな。傷だらけ・・・歴戦ってことかな?装備もいい。若干さびているけどながいブッシュナイフのようなものと、木の盾を腕に装備している。鎧は何かの皮だろう・・・汚いけど毛付きの皮装備・・・。え・・・ 

『こいつは・・・』

 な、なんだよ・・・。俺の前でとまっちゃったよ!

『痛ッ!』

『ほう・・頑丈だ!!』

 っていきなり! ナイフの柄でどつかれた!

思わず痛くもないのに反射的に腹を抱えてしまう俺。早い・・・。

警戒しつつここは逆らわずにまっすぐ立つ。

『ほう、従順だな、よしよし、この4人は上出来だ』

 4人?って俺を支えようとするチビとビッチ!そして前に立ちふさがるアホゴブリン!

 アホゴブリンが何かをする前にあっという間に顎を掴まれてもがく・・。

『ぎぃいいいいい』

『だからといって調子に乗るな』

 どさりと下ろされちょっと安心した。

 アホゴブリン・・・ちと感動したよ。即宙吊りになったけどお前の勇気は忘れない。

もう、興味がないというように入り口にもどるリーダー的な強そうなゴブリン。お前もある意味忘れないぞ・・・。【動体視力強化を取得しました】ふふ。それよりもっと・・

『大丈夫か?』

『ぎぃ・・・あいつ強い』アホが落ち込んでいる・・。

『いたい? どっちもだいじょうぶ?』

『ぎぃ? たい?』

『あ、ありがとな、俺より自分達のこと心配しろよ?おれは平気だ』

『『『ギィーー』』』

 何かの班分けか、まぁこの三馬鹿ならいいかな。

『全員ついてこい!!』

『『『『ぎぃ!』』』』

 いきなりの怒声でついショっ○―みたいな返事をしてしまった・・・。くそ、怒鳴ることないだろうが・・・。覚えてろよ!


お読みいただきありがとうございます^^


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