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異世界遊神帳  作者: 火色 宙
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第5話 ゴブリン体験記 はじまりはじまり 

第5話 ゴブリン体験記 はじまりはじまり 


 痛い・・・痛いって・・・毒!?・・・あ。痛くない。ふぅ・・・今思うと、人間って結構優遇されてるよなぁ・・・。

「でも気持ち悪いな・・・さすがにもういいかな、誰も来ないや」

 結界とか毒消しのキュアとか使ってたけど、MP切れを起こし・・・なんと虫に殺されそうです。

 痛覚の耐性をより痛みが走ればすぐ取得とこれを繰り返してるから痛みに関しての不安はなくなったかな。毒は寝不足にはなりそうだったけど、毒耐性覚えちゃったし、毒消し魔法、キュアも把握。

 ってことで寝て待ちましょう。

「誰も来なかったら次ぎはゴブリン転生・・・。虫の毒でやられるのか空腹なのかわからないけど・・・」

 すやぁーーー

どうやら毒も痛みもピーク。最大限の痛み峠をこえたらしい。痛み峠ってなんかありそうw・・・ああ・・・めっちゃでかいスズメバチ?みたいなのも着たな・・・・おやすみなさい。寝て待とう!「って痛!・・・ああ・・もう・・・きもち・・」すやーー


『よく寝てる』

『当たり前だろ?』

『ん?』

『お前が話すから起きただろ。声小さく、起きる順番も大切』

『悪い・・・こいつ2番』

『ぎゃああ!!』

『『!?』』

『どうしたんだ!』

『元気なのか!病気なのか!?』

『殺すか!?』

『怒られる!待て!』

『・・・・か・・・』

 ってそうか・・・言語はわかるんだったなぁ。僕が一番にぎゃーかよw。

そうかぁゴブリンですね。うん、間違いない。

目の前には記憶にあるゴブリンより少々立派な体格を持ったゴブリンが2匹。

なんというか、歯並びがいいし、筋肉の付き方がいい気がする。腹もあまり出てない。

ってそんなことより状況把握しないとな・・・。

 うわぁ・・・どこだここ・・・。洞窟?

『黙った・・・ふう』

『怒られずに済んだ・・・他も起きてきた』

『・・・?』

『・・・ぎゃ?』

『ぎゃあん?』

 ん、他の子供?のゴブリンの声が分からないぞ・・・ってか卵から生まれるのね。

【肯定。また普通生まれた直後は話しません。】

 そりゃそうか・・・ってびっくりした。卵割った記憶とかがないな・・・。

【本能的に割っています。卵の中でも覚醒するはずですが、寝ていましたので気づいてないだけです】

 なるほど~・・・。寝てたら危ないなぁ。死ぬ時に注意しよう。

 周りの状況を確認しつつ、自分の手足を見る。

暗いのに良く見えるなぁ。篝火程度の光でよくもまぁこの景色。まるで昼だ。それに、思ったより人間っぽいな。腹も出てないぞ?何か分かる?

【ゴブリンは生まれながらに夜目を持っています。スキルではなく、仕様です。生まれたてのゴブリンは見ての通りの姿としかいえません。成長過程で変化しやすい肌、機能が備わっていることは確かです。確認しますか?】

 もちろん。

【種族特性・・・ゴブリン。人型の魔物に分類され、性別は雌雄。体は飢餓状態に強く、生存本能、環境順応性共に高い。寿命は3年。性格は生存本能が強く野蛮な面を持つが集団で暮らし社会性を持っている。人と比べ潜在的な知能が低いが魔物の中では高いほうに位置する。これらも成長過程で大きく異なる。特に進化した場合は、寿命、能力、本能なども個々に劇的な変化をする種族】

 およ、結構ましなのね。進化ってやっぱりするんだ・・・。どんな風に進化するの?

【固体の成長の仕方、経験により大きく異なる種族ですが、一般的にホブゴブリン、ジャイアントゴブリン、ヒューマルゴブリン、オーガ、オーガキング、エンシェントオーガがあります】

 あれ?魔法とかに特化したらゴブリンメイジとかになるんじゃないの?

【なりません。それは職業的特化です。あくまでベースはホブゴブリンのメイジという認識です。人族ではそのあたりを一色単にしていますが、それも的外れではありません。経験と特技で種族の上位下位は覆る場合もあります】

 なるほど、奥が深いんだねぇ。

『話してくる』

『俺は選んでいく』

『ああ、気にするなよ?』

 ん、何か始まるようだってなんだ?気になるぞ!

一匹が松明を一本ぬいて出て行くと同時に、もう一匹は奥のほうでぐったりしているゴブリン赤ちゃん?に近づいて――

『ぎゃん』

『ごめんな・・・』

 ちょっとまってぇ・・・・何・・・いきなり虐殺始まったんだけど!!

【間引きと推測】

 そんなことするんだ・・・ゴブリンも世知辛い・・・。

うお・・・汁が・・とびまくって・・・血が緑なのね・・・ってあ、・・・ちょっとぐろ

【グロ耐性を獲得しました】

 あ、ありがとう。【恐怖耐性を獲得しました】。

 お、足の震えが止まった・・・。って周りがくぶるじゃないか・・・。って仕方ないか。

目は見えるし、人間の赤ちゃんと違ってもう全員に自我があるようだし。ゴブリンがすごいのか?それとも馬みたいに生まれてすぐ立つみたいな、そういう関係?

【ゴブリンの自我は早いほうです。人とは比べ物になりません。また馬とは比べ物になりません】

 さすが魔物・・・。

でも、意外だな・・。あいつ殺す時、複雑そうな顔だ。感情あるんだな・・・。表情もなんか分かる・・。気のせいじゃ【ありません】。うん、偏見だったんだなぁ。

 ってこっちきてる!

みんなすごい後ずさって。まぁ・・。俺も飛びのいたけども!怖いものは怖い!

『何もしない・・・怖くない』

『ぎゃぎゃーー!』

『お前あっち・・・ちゃんと立てたし元気』

『『『ぎゃ!』』』

 一斉に立つ同期の皆様。かくいう自分も直立しました。だれよりも美しく!

『・・・驚き。健康そのもの、お前・・・こっち。分かったか?』

 こくこくと頷く仕草をして一人入り口に近いほうへと向かう。

現在は雄が3種類のグループに分けられている。なんだろう、メスとオスの違いがはっきり分かるのってにおい?

【肯定】

 スキルだけじゃ分からない。種族の特徴って大事なんだね?

【肯定、特にゴブリンはオスなら雌をメスならオスを嗅ぎわける能力があります。これは本能的な身体力の向上です】

 あれだな、確か、美しい裸の女性の写真を視力検査で使うと視力があがるっていう不思議。

【肯定。それがより強化されていると考えて下さい】

 おお・・なるほど。見た目変わらんから、嗅覚は重宝するなぁ・・・まぁ僕には関係ないけど。さすがに対象外だ。

『次ぎは女』

『ぎゃ、・・・いい・! いい!』

『ぬ・・・いい。優秀。いけ』

『ぎゃ・・ぎゃん・・ぎゃーん?』

『・・・期待できる、お前もあいつか?』

 うぉ・・・キモチワルイ・・・・こっちに来たがってなぜかOKされたぞ。関係ない関係ないぞ・・・。

こんなモテキはクーリングオフだ・・・。って触るな!

『ぎぃーーん』

 どこ触ろうとしやがった。こいつ・・・って少し胸があるだと? 

【メスです】

 そうだろうけども・・・。まぁほっとこう。僕のあそこを不思議そうに見てるだけだしな。それより手を握ろうとしてくる右ゴブリンのほうがやばい・・ってしつこい!

『いい? だめ?』

『・・・・』

 コミュ障になりそうなんだけど!

【特別ポイント的にはおいしいと助言します、長生して評価が高いと追加ポイントが入ります】

 やっぱりみてるんだろ!神様の視聴率とかだろ!絶対!教えて!

【プロテクトがかかっているため教えられません、が推測的に正解です】

 正解いっちゃうんだ・・・。僕の味方なのね。

【肯定。プロテクトをかけていた意図がわかりませんが】

 そんなの簡単じゃないかと思い、反論しかけたところでゴブリンが立ってるやつもやりやがった・・・。

『ぎゃーーーぁぁあ』

『ごめんな、あとは足らない・・・飯が』

あ、手を繋いでしまった・・・。ま、まぁいい。えと・・・選ばれなかった10匹弱ほどがこの場で簡単に取り押さえられ殺されている。せせ、せ、正確にはですね、雄が6匹・・・女が2匹・・・。あ、3匹と死体が増えました。ははは・・・。

健康体かどうかは立つ事ができるかどうか、女は言葉を理解、すごい子は話せるかどうか・・あとはこいつの好みか・・・変態め・・。残ったのが18匹か・・ってことは約30匹中、三分の一が殺されたってことか。

残った僕たちを振り返る撲殺ゴブリン・・・・

『怖かったか? ごめんな』

 みんな震えている・・・・。けど、こいつ・・・泣いている?

『おれはもうすぐ死ぬ。だから安心しろ』

 周りはまだ言葉が分からないのか、立ち直れないのか、ってそりゃそうか・・・

でも僕は・・・分かってしまう。

そっと繋いでしまっていた・・手を払う・・・。

『コワクナイ・・・』

『!?』

『ぎぃ・・ぎっぃいい! いい戦士になる!』

 おや、感動してくれたのか?って肩をばしばし叩いてくる。

『コワイ・・・』

『コワイ・・・』

 おお、右の子がちょっとひいてるぞ。左の子、ちょっと胸でかが言葉を覚えたようだ。

『今度はわける。・・・お前らそのままでいいぎぁ』

 まだやるのか? いや、そんな感じではない。

『お前、あいつらと同じ』

『ぎ?』

『そうだ、行け』

『いく・・・おれ、おまえらといく・・・どこへ?』

 知らんわ。ってここにこいってことだろう・・体格がいいし一応、優良株ってとこか?・・・。ってか何がでかい・・だと・・。

なんだこの仕様の違いは・・・。僕のほうがスペック上だよね?

【そういう仕様は身体力の引継ぎに含まれていません、むしろ前よりは大きいかと】

 そりゃ赤ちゃんだったからねぇえ!【ゴブリンもあと1時間ほどは赤ちゃんです「そうじゃなくてっ」もとのデータからするとむしろ】

『待って! 御願いだから!』

『『『ぎぃ?』』』

 !しまった・・・名誉を守るためとはいえ。コホン、取り乱しました。ってそういう記憶ぼく曖昧なのになんで覚えてるの?

【作成ベースがばらばらにですが存在します】

 ってことは僕より地球の僕を知ってる?

【肯定。ですが組み立てなどはできません、映像のような文明文化への記憶にもサポートがされているはずです】

 そっかぁ。ま、確かに。そ、それにどうでもいいけどね。むしろここでは童貞が神だと思われる!【否定、神は子を作ることを】OK!・・・シャラップ!・・もう性に関することはいいから!いろいろダメージ負いそうだから!・・・ふぅ。

『・・?いたい?』

『にぎる?』

『??』

 なんでもないと仕草で伝える。って握るってなにをだよ!ってそこから目をはなせ!

没頭しすぎも気をつけよう、セクハラ警戒!・・・。それからゴブリンとして生きていく上で、人のプライドは捨てましょう。裸に慣れる、まずはそこから!

撲殺された選ばれなかったゴブリンが山積されていくのをみつつ・・・顔を上げ、覚悟を決める。

 もう賽はなげられた。頑張ろう。命、大切に、不死とか関係なくこの感情だけは失わないように。

きりっと気を引き締めた僕、きっと、ゴブリンなりにもかっこいい気がする。

 ふに・・・『あう!』

ってどこを握っている! こいつはスケ子にしよう! せっかくの覚悟の瞬間に変な声でただろうが!w


お読みいただきありがとうございます┏○))ペコ

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皆様のお暇つぶしになれば幸いです♪これからもよろしく御願いします^^

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