第一話 不老不死?でもこれはあんまりです
第一話 不老不死?でもこれはあんまりです
「いたいってば! もう!」
『ぎゃ!また!生き返った!』
『丈夫になっている!』
『どうなって! よしあれだぎゃ!』
『『『ぎゃ!』』』
「赤ちゃんから・・・・とは思っていましたけど。これはないんじゃないでしょうかって近くで見ると汚いなぁってか臭い!」
『泣きもしない!』
僕は転生した。それにもう数回連続で死んでいるのを自覚しています。
正確には死んだと思われる経験をしていました。
起きたら目の前には、緑の肌に、歯並びの悪い汚らしく臭い生物。
なんだ?とおもったら鑑定を取得しましたの声が頭に響き、ゴブリンと判明。
とびかかられ、一振りの棒で撲殺。今まで体験したことないような痛みが走ると同時に、痛覚耐性を覚えて安楽死?を経験。
次に起きたら、二度目の撲殺。このとき一瞬で分かったのが、二発耐えれる体力になっていたこと。『ギャー!ギャー!』さわぐ三匹のゴブリンがその後何度も殴ったりけったり、噛み付いたりして・・・打撃が効かないくらい頑丈になったし、数秒の一生?のなかで少なからずスキルも取得していた。
なんか諦めてと話しかけようとしたときにゴブリンの言語を習得・・・。
『なんだ? 今度は何!?』
『『『ぎゃあああ!』』』
ま、驚くよね。かといって落とさないで欲しい。
布で包まれた僕・・。あ、砂利が口に入った・・・べぇ・・
『急げ!』
『今度こそ』
いきまく割には、抱っこしたまま歩いてしゃがんだ。
一体何がしたいのか、お、快方かな?
『しねぇ!』
『!?ぶちょ!』
情けないけど、止めてと叫ぶ前に、水が!
川へ沈められている! 苦しい!!
どうにかして!!っと・・・あ・・・少し・・・眠くなって・・・
『やっと死んだ!ギィぎゃぎゃ!』
『人間の赤子! 柔らかい!うまそうぎぃ!』
『にくぎゃぁあ! 俺から!』
『『ダメだ!』』『俺がやった!ぎぃ!』
【ステータスが更新されました、水中呼吸スキルを取得しました、無呼吸耐性を取得しました】
あ、また死んだのね。
この数度のゴブリンたちの撲殺などのおかげ?で不老不死?の仕様が分かった。
不死って言うのは正確には、死ぬことは死ぬけど再生されるみたいだってことだ。
詳しく確認しないといけないのだが、なんせ赤子の間はあっという間に死ぬ・・・。ゴブリンがやっと死んだと思っている横で喜び誰がどこを食べるのかを争っている。今のうちに少しでもと目を閉じたまま聞きつつ、意識を初めて自分自身へと移す。
名前 なし 性別 男 0歳 レベル 11
HP 2000
MP 200
HPMP回復速度はレベルマックとなり無意味と判断され不死と統合されました。
スキル
受け流し
かわし身
鑑定
水中呼吸
死んだふり
魔法
結界魔法
ヒール
耐性
痛覚
異臭
眩暈
物理防御
無呼吸
加護
フェニックスエラー
白神の加護
蒼の女神の加護
創造神と神々一同からの恵み
いろいろ詳細に知る必要があるな。でも、今は。
『ねぇ!』
『『『ぎゃぁあ!』』』
『なんかごめん。生きてるんだけど、ちょっとお話しようよ!』
『コトバ、分かる!?』
『獲物なのに!』
『もっていく!』
『どこに?ってまって話そうよ!』
『キモチワルイ!』
『捨てる!? ス捨てないか!』
『『『捨てよう!!!』』』
『あ、ちょっとぉおおお!』
ゴブリンは叫びながら跳躍して茂みに飛び込んでいった。
しーんと静まり返るなか・・・
「ゴブリンに捨てられるって・・・さすがに泣きそうだよ」
異世界に来て初めて、空をまじまじとみつめた。
死なないとはいえ、いきなりこれは違うでしょう・・・。
なんか悲しい・・・。
今日は2話まで投稿します^^
あとは一日1話がしばらく続きます^^