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始まりの普通の日

それはどこまでも遠く誰でも会える存在

昔の子供番組の歌のような歌詞のようであるが

しかしそれは何かという暇もなくそれは間違いなく

引きこもりという存在であろう

それはこの世以外の存在を信仰する

まさに部屋だけに家だけに存在する世界を持つ

拒絶国家とも言える

それはまさしく世界を見ずに人間の本望と戦うことになる戦士と言えなくもないが、しかし食えない妄想などたれ流す人間をだれもみない

それがまさしくそのまっくつのような引きこもりという人種を

更にその暗闇のような部屋にと封印してしまうのである

僕は一見どこにでもある二階建ての家の前にいた

別に子供を構成させるわけではない

大人を子供にしに行くのだ

しかしそのときあえて言うなれば

僕はその類の人間ではないし

ましてはそんなボランティアなどしていないし、仕事も同様だ

「日本海洋研究所」これが僕の職場である

そして強いて言うのであれば、僕の名前は

「尸 浩」と言う


その赤い屋根の家に僕は無断で扉を開けて中に入る

もちろん扉を開けなければ入れ無いが


中にはいると僕はごめん下さいとそこで初めてその家に声を発した

「あら浩君、よく来てくれたわね」

このふくよかそうな笑顔の女性こそここに来た理由の一つでこそ無いけれど、実に幸せそうでこちらの心が和まないわけが無く

その笑顔を見に来ていると言ってもさしつかい無いのかもしれないが

しかしそれが目的ではない

強いて言えば彼女が振る舞ってくれるお菓子目当てでもない

しかし一級品であることは甘党の僕が認めるところである

「では行ってきます」

「・・・」

ガッツを示す彼女を背後に僕は紛い無くその類はすべからず居るであろうか知らないが二階に続く階段を歩く

その階段は木である

僕が二階に付くとそこには殺風景なほど何も置かれていない廊下と

その中できわめて殺風景な物が見える

それは別段窓ガラスから見た光景ではない

その目に入る物は

一つだけ木の扉に混じって鉄の扉がある

そこに居る人物こそ我が輩が長年手こずっている幼なじみである

「・・おーーい」

僕は扉を三回ノックしてからそんなことを言った

この鉄扉が導入されたのが去年の三月、早くも7ヶ月が立とうとしていた

それ以前はしっかりと他の扉と同じ色だけではなく材質から全てが同じ物であったが

しかしそれは三年前からぐらいになるであろうか

はじめは南京錠が鍵のない部屋にかけられ

次第にそれは悪化していく

幸いか鍵師検定一級の僕としては内側からかけられた物にて足が出せないことで奴は安心したのだろうか、はじめこそそれで満足していたが

僕という才能豊かな人間はそれだけにとどまらない才能をあふれさせこの局面を難なく突破した

・・・扉をぶち破ったのだ

その結果彼女はありとあらゆる物をたし

僕はそのありとあらゆる物を突破した(破壊)

そのあげく彼女は軍資金の最後の大物として恐ろしく頑丈な

それこそ銀行並みとまでは行かなくともそれ相応の物を自宅に設置した

僕はルパンかなどと思いながら僕はありとあらゆる事を考えたがそこで

僕は根本的なことに気がつく

(・・・・・彼女を出してもまたその何かの問題を解決しない限りまた戻ってしまうのでは・・だいたい彼女の部屋に無断ではいることは男性としてすべき事ではない)

そう思い立った僕は実行しようとしていた釘型爆弾をしまって彼女の身辺調査に乗り出そうとしたときだった

僕の手に持っていた鞄から音がしたので

さっき床に置いた鞄の中からガラケーを取り出す

・・ちなみに青色である

その中を開けると・・開くと通話ボタンを押した

「先生大変です」

「君は助手の頭巾君かね」

「・・いえ刷営という、縁も縁もないものです」

「その縁も縁もない方がどうして」

「実は先生にお調べ願いたい物がございまして」

「・・・すいませんが今知り合いを救出しようとしてますので・・」

「・・・それは何か大変そうですが何かあったんですか」

「それが・・斯く斯く然々

「なっなんと、それならどうでしょう一緒にお越しいただいては」

「それは無理ですよ、なんてあいては金庫の中に閉じこもるような筋金入りの引きこもりストなんですから・・」

「そうですか」

そのとき僕は切ろうと思っている指先が切るボタンを押すさなか

はてなにかを思い出そうと必死に考えていた

・・・・なんだっけ

「しかしそれはどう行ったご用件なのですか」

「先生は人魚という物を信じますか」

「・・・あの半分つまり尾が魚、頭が人間という」

「ええ、それが浜辺に打ち上がっていたんです」

「・・・直ぐ行きたい所なんですが・・・」

「そうですよね、信じていただけないですよね」

「いえそう言うわけではないんですが」

僕はついに携帯の電源を切ろうとしたそのときあることが奴が根っからのオカルトマニアだと思い出す

「おい、穴、出てこい今から人魚を見に行くぞ」

「・・・・・・・・・・・・・」

わずかにクグモった声が聞こえる

「すいませんもう少し待っていただけませんか」

「ええ構いませんが・・どうですか後でかけ直しましょうか」

「いえ、こちらからかけ直させていただきます」

「そうですか、ではでは、失礼」

僕は携帯をしまうとドアに向かう

向かうと言ってもまんま、それを見ているに過ぎない

「なんだ聞こえないぞ」

「・・・ぃく・・」

「・・・・何だ」

「行ってやるよ」

僕はそのときアマテラスオオミノカミが天野岩戸から出てきたところではなく、それはスーパーの大売り出し付近に群がるオバチャンというなのいせかいの住人かもしくは、サイか象の群に遭遇したような雰囲気に感じた

いきなりその鉄扉が開いて奴がまるで鉄砲玉の如く飛び出してきた

それは加減を知らず僕の腹にまるでタックルしてくるかのようではなく

まさにタックルされて僕は廊下の危なく階段付近でとどまるまで吹き飛ばされた

「・・なっなにしてんだ前は・・」

それは小柄でTシャツ[大きめ・ダボダボ]しかもよく分からない英語が書かれている、そのヨレたTシャツに似合うこれまた同じくらいやつれたボサボサ髪

・・・お前はのだめか

そうツッコみたくなるのをあえて控える

「・・どっちかといえばのだめというよりか狼少女か」

そのうえためは人間の目では無い

暫く山にこもり駆け回る破壊僧か矢っ張り狼少女に思えた

「・・だっ・・誰が」

「どうしたいくんだろ」

奴はうなずく

「そう言えばお前何歳だっえ」

「・・・・」

奴は腕を付き出すというか力なく前に出して二本の指をこれも力なくつきだした

はじめこそその奇形にも似た異様な人間はついに辺り構わず

ピースをするような人間になってしまったのかと思い

走馬燈のようにこれからこいつの人生を考えたが

しかし考えてみればニートで引きこもりで無職でそのうえ社会抹殺的な人間である奴がピースなんて明るいそんな人間になったという事は

「・・・22だ、そしてお前は俺とためだろ・・」

「・・っあそっち」

「どっちだよ」

僕は一瞬何を言っているのか分からなかったが

銀色の脳細胞がその難解な表現をする同い年のニッチ文章にも匹敵する行動を瞬時に理解したが、しかし指を二つつきだして、その12倍の数字を表すとは、さすがに籠もりすぎたせいで考え方も退化して・・いや自堕落化していたのかも知れない・・・

「・・用意は出来たのか」

「・・二十時間待って」

「・・無理だ」

「・・・ケチ」

「いや今から行く場所は週に一回しか船が行くことがないんだ」

「どこなのよ」

「木島」

「・・・鬼ヶ島」

「・・・いやその鬼ではなくて、生えている方の木だ・・えーーとあのよく二酸化炭素の・・」

「・・・・・」

「なんだ良く聞こえないぞ」

「それくらい知っているぞぼんくらでクソの木偶の坊のあほで馬鹿で・・」

「それじゃああ、明日の十時に君の家の玄関に集合で」

「いやちょっと」

「・・・・やっぽあり人前は怖いか」

「・・・」

「・・・」

「・・・何でもない・・・」

「何でもない奴は黙らないぞ」

「・・・いやなんでも」

「なんだいってみろ」

「朝十二時」

「・・・無理だ」

「ほら」

「・・悪いが船に遅れる」

「でも寝て起きる時間が・・・」

「それじゃあ早く寝ろ」

「・・・・・・首を振るな」

「・・・・・・」

「・・・・・・何をやるんだ」

「アニメ見てマンガ読んで調べ物して絵を描いて小説を書いて官能小説を

・・」

「つまりお前はろくでもないことに時間を費やしてきたんだな」

「・・・・・もう行かない」

「悪かった・・・・・・・・・・・・それじゃあどうだ・・お前を俺が無理矢理負ぶっていってやる」

「殺すぞ」

「・・・・・どうするお前矢っ張り行かない方が」

「・・・しかしミイラ」

「人魚だぞ」

「マジ」

「マジだ」

「・・・腐るのでは」

「・・・不老不死と言うくらいだからな」

「あんた学者なのに信じるの」

「しんじはしないがしかし一知識としてこれくらいはしっているさ」

「・・・ヘリでは行けないの」

「金がないだろ」

「うーーーむ」

「どうだいいおまじないを教えてやろう」

「・・・あんた本当に学者やっているの」

「・・・学者というか研究者だ」

「・・・・」

ちょっと待て

そう言って僕はサラサラと紙に鶏と一言文字を添えてやる

「何で鶏が喋っているのよ」

「・・・・こんな事を言うのもなんだが」

「・・どうせオタクはファンタジックだとか言いたいんでしょ」

「御意」

「・・・・」

「とにかく鶏が言っているとおり明日十時だからな」

僕はそう言うとかっこよく玄関まで華麗に去ったんだった

さてこうなったら明日から行く取材というか研究のために所長なんかに掛け合わなくては

僕はあの青い色のガラケーを取り出すと開いて通話ボタンで所長の名前を探す


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