第一章 二部-3
「なんだこのトラック……」
「それは、私の荷物ですわ」
ちょうど玄関を出た皐月が、背後から言う。
「随分な大荷物だな」
「衣類、家具などは運び終えていますわ。これは全て武器類です」
確かに、武器類は重く嵩張るものだ。特に保管用にケースに入れていたりすると尚更だ。
「こんなにか?」
「選択肢が多くて困ることはないでしょう?」
「まあな、しか二人分でこの分量は、しまうとこあるのか?」
僕がそう言うと、トラックからマクマリーさんが降りてきて言う。
「地下の武器庫なら余裕で入ります。事前に確認もしておりますし、皆様の分の収納スペースも十分あります。また、この中はお嬢様の分の荷物しか入っておりません。」
「つまり、マクマリーさんの武器類は別にあると?」
「はい、このトラック半分ほど」
「何をそんなに持ってきたんだ……」
僕は、基本的に学園から支給される武器類で十分だと考えてた。
支給される武器とはいっても、僕らのコースでは特権としてかなり多くの選択肢があり、その中から任務や訓練のたび、好きなものを選ぶことができる。例えば、ハンドガンだけでもベレッタ・M9、コルト・ガバメント、FN・Five-seveN、H&K・USPシリーズなどが揃えられている。
光学機器も暗視装置からダットサイトまで揃えられており、まず困ることはない。
せいぜい、自分の武器を持っているのは、銃の個体差を熟知する必要がある狙撃手くらいである。
なので、これだけの武器を持っている必要はあまりないと思うのだが……
「知りたければ後で見せてあげましょうか?」
「片付けが、落ち着いたら見せてもらおうか。しかしどいつもこいつも…… 武器庫に入り切るのか、これ」
皐月に僕が答えると、不思議そうな顔をして聞いてくる。
「あれだけの広さがあれば、収納には十分でしょう?」
「すぐに分かる。……ああ、ちょうど来たみたいだな」
先ほどのトラックの後ろを見ながら、僕が言う。
皐月とマクマリーさんもそちらを見ると、船舶貨物用のコンテナを引いた車両が入ってくる。
それを見て、皐月は驚いた様な顔をし、マクマリーさんが僕に聞く。
「あれは、何なのですか?」
「火力バカ、つまり桜のコレクションだ」
「何があればあんな量になるのですが?」




