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あなたと漢字を偏愛する  作者: M


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4/4

【笑】

【笑】

訓読み:わら-う・え-む

音読み:ショウ

部首:竹

画数:10

意味

 1 喜びなどで表情を崩す

 2 1によって声を立てる

 3 馬鹿にする

 4 力が入らなくなる

 5 花が咲く



 今日は休日なのに、天気が悪い。どこにも出かけず、二人ともダラダラとしていた。


「ねぇ。日本語って擬態語が多いの?」


 私はスマホを片手に、ソファに寝転がる。彼は読んでいた本を椅子の上にそっと置く。


「面白い動画でも流れてきたのかい?」

「そうなのよ」


 私は彼に動画を見せる。


「確かに、日本語は擬態語が多いと言われている。英語では、smileやlaugh、cackleみたいに笑い方で動詞を使い分けることが多いけど、日本語は擬態語を副詞として補うことで表現………」

「そんなことはどうでも良いわ」


 私がツンとして彼の講釈を止めたので、彼はしゅんと頭を垂れる。


「でね、思い付いたんだけど」


 彼は「ほう……」と呟き、私をじっと見つめてくる。


「その擬態語が漢字で書けないのはおかしいと思わない?」


「例えば、『笑々』と書いて、ニコニコとか」


「『笑』にニコなんて読みはないけれど……。まあ、苛々(イライラ)とか滑々(スベスベ)もあるし、そこまで変な表現ではないかな」

「他には、炎々でメラメラ。凍々でカチコチ」

「面白いね」


 彼の理解も得られたので、私は調子に乗ってポンポンと思い付いた単語を並べる。


「柔々でモフモフ」

「残念。やわやわって読みがあるんだ」

「でも、モフモフの方が現代っぽくない?」

「それなら、フワフワでもいいじゃないか」

「モフモフよ、絶対」


 彼は「そうだね」と言って、クスリと笑う。


「それから……雨々でシトシト」

「雨なら、ポツポツやザーザーじゃないの?」

「ポツポツは『雨』の中の点が二個くらいじゃなきゃ。ザーザーは点が十個は必要ね」


 彼は楽しそうに笑った。


「面白いけど、そんな漢字は無いじゃないか」

「でも……ポツポツ、ザーザーは擬音語でしょ。私は擬態語しか言ってないわ」

「あ…」


 私の言葉に、彼はガーンと衝撃を受けたような顔をする。


「まさか、君からそんな指摘を受けるなんて……」

「あなたと五年も付き合ってるからね。いろいろと覚えたわよ」


 私がぐいっと胸を張ると、彼は苦笑する。


「もう少し『怠々』しようか」


 彼はそう言って、ソファの私の横に座る。


「それはなんて読ませるの?」

「ダラダラだよ」


 私たちは、声を揃えて笑った。


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