【笑】
【笑】
訓読み:わら-う・え-む
音読み:ショウ
部首:竹
画数:10
意味
1 喜びなどで表情を崩す
2 1によって声を立てる
3 馬鹿にする
4 力が入らなくなる
5 花が咲く
今日は休日なのに、天気が悪い。どこにも出かけず、二人ともダラダラとしていた。
「ねぇ。日本語って擬態語が多いの?」
私はスマホを片手に、ソファに寝転がる。彼は読んでいた本を椅子の上にそっと置く。
「面白い動画でも流れてきたのかい?」
「そうなのよ」
私は彼に動画を見せる。
「確かに、日本語は擬態語が多いと言われている。英語では、smileやlaugh、cackleみたいに笑い方で動詞を使い分けることが多いけど、日本語は擬態語を副詞として補うことで表現………」
「そんなことはどうでも良いわ」
私がツンとして彼の講釈を止めたので、彼はしゅんと頭を垂れる。
「でね、思い付いたんだけど」
彼は「ほう……」と呟き、私をじっと見つめてくる。
「その擬態語が漢字で書けないのはおかしいと思わない?」
「例えば、『笑々』と書いて、ニコニコとか」
「『笑』にニコなんて読みはないけれど……。まあ、苛々とか滑々もあるし、そこまで変な表現ではないかな」
「他には、炎々でメラメラ。凍々でカチコチ」
「面白いね」
彼の理解も得られたので、私は調子に乗ってポンポンと思い付いた単語を並べる。
「柔々でモフモフ」
「残念。やわやわって読みがあるんだ」
「でも、モフモフの方が現代っぽくない?」
「それなら、フワフワでもいいじゃないか」
「モフモフよ、絶対」
彼は「そうだね」と言って、クスリと笑う。
「それから……雨々でシトシト」
「雨なら、ポツポツやザーザーじゃないの?」
「ポツポツは『雨』の中の点が二個くらいじゃなきゃ。ザーザーは点が十個は必要ね」
彼は楽しそうに笑った。
「面白いけど、そんな漢字は無いじゃないか」
「でも……ポツポツ、ザーザーは擬音語でしょ。私は擬態語しか言ってないわ」
「あ…」
私の言葉に、彼はガーンと衝撃を受けたような顔をする。
「まさか、君からそんな指摘を受けるなんて……」
「あなたと五年も付き合ってるからね。いろいろと覚えたわよ」
私がぐいっと胸を張ると、彼は苦笑する。
「もう少し『怠々』しようか」
彼はそう言って、ソファの私の横に座る。
「それはなんて読ませるの?」
「ダラダラだよ」
私たちは、声を揃えて笑った。




