表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
ユピテル編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/82

060話 5月19日#02

 午前10時頃までカフェで話をした後、俺はレイたちと別れて、1人で旧市街へとやって来た。


 少し奥まで進むと、俺は立ち止まって周囲を見渡した。



 「『いて座の星霊使い(サギタリウス)』か……」



 そこには、昨日窓辺にいる女性を見た小さな店があった。



 「ちょっと話を聞いてみるか」



 俺は、店の中へと入っていった。



 ――中は、まるでドールハウスの中だった。



 花柄の壁紙、磨き上げられた木の床、置いてある全ての棚には、どの段にもレースの敷物が敷かれている。棚に入っているのは、たくさんの本。それと、人形の置き物。どういうわけか、爺さんの人形が多かった。



 ――あ、違う。確か『小人(ドワーフ)』ってやつだ。つるはしを振りかぶっていたり、石を積んだトロッコに乗ったり、おとぎ話に出てくるドワーフそのものだ。



 カウンターにはチェック柄のテーブルクロスがかけられていて、その上にドワーフの人形が1人だけ置かれていた。銀色のベルの隣でハンマーを振り上げている。たぶん、頭の上のスイッチを押すと、呼び鈴を鳴らしてくれるんだろう。



 ――にしても。



 「何か、入る場所間違えた気がする……」



 ここは、剣を引っ提げている男が1人で入るようなところではない……と思う。



 「……まあ、いいや」



 俺はカウンターに近づき、ドワーフのスイッチを押した。



 ――チャリリリン♪



 ――何か、予想以上にかわいらしい音色が聞こえてきた。



 「はいはい、いらっしゃい」



 俺は目を丸くした。出てきた人物が、意外すぎる。



 「ど、ドワーフ……?」



 長いヒゲをたくわえた爺さんで、見た感じ身長が1メートルちょっとしかない。眼鏡をかけ、魔法使いみたいな三角帽子を被り、童話の世界のドワーフが現実に現れたかのようだった。



 「いや。ただの人間じゃよ」



 爺さんがにこにことそう言うと、奥からのそのそ、もう1人現れた。



 「いらっしゃい……まあ、またすごい美丈夫さんが来ましたね」



 同じような身長の、婆さんだった。こちらは、そのまま編み棒を持って暖炉脇のロッキングチェアに座っていそうな、毛糸帽をかぶり、ガウンを着た人物だった。


 俺は婆さんのお世辞を聞き流して、早速本題に入ることにした。



 「ちょっと訊きたいことがあったんです。こちらのお店に……」


 「まあまあ。お茶をお出ししますから、どうぞそこの椅子におかけになって」



 ――いきなり出鼻を(くじ)かれた。



 「えっと、ありがとうございます。それで、ここにきの……」


 「お茶は紅茶とハーブティー、どちらがよろしいかしら?」


 「えっと……紅茶で。それで、き……」


 「お砂糖はいくつ?」



 婆さんはのんびりと、俺に角砂糖の入った瓶を見せた。



 「じゃ、じゃあ、1つお願いします……」


 「それで、お兄さん」爺さんが、俺と反対の席にゆっくりと腰かけた。「今日は何の用で?」


 「あの、訊きたいことがあるんです」ようやく話を聞いてくれそうな雰囲気になった。「昨日、この店の出窓に……」


 「あらまあ、困った」奥から婆さんが出てきた。「お茶菓子を切らしてしまって……さてはおじいちゃん、隠れて全部食べたでしょう?」


 「そんなわけなかろう。わしは『だいえっと』中なんじゃぞ」


 「そう言って、この前もたくさん食べてたじゃありませんか」


 「そんな記憶ごじゃいません」


 「うそよね?」


 「ウソじゃごじゃいません」


 「……まあ、仕方がないわ。お兄さん、この飴玉1粒で許してちょうだい」


 「……はあ……」



 ――俺は、梨味の飴を1つ手に入れた。

この世界に、ドワーフはいないみたいですね。エルフとか人魚とか吸血鬼とかも、創作物の中にしかいないそうです。

そういうファンタジーじゃなくてごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ