047話 5月16日#03
「……あと、持ち物検査についても訊いておきたいんだけど」
「以前の検査で聞いて初めて知ったんだが、」レイはがっくりしていた。「普通の収納魔法だと、容量制限があるみたいで、」
「……確かに、そうらしいな」俺は頷いた。
「私……星霊界の自分の部屋の中に収納しているから、他の人よりはるかに大量の持ち物を持ってるらしくて……」
「どんな物持ってるんだ?」
「……本」
「どのくらい?」
「…………10万冊くらい」
「え……」
――図書館か。
「それ全部、1冊1冊丁寧に検査するから、時間がものすごくかかるんだ」
「……ちなみに、キミの武器である大剣は?」
「あれも大変だった」レイは落ち込みすぎて、四つん這いになっていた。「デカいし重いし魔力量が私以上に多いから、兵士の方も戸惑っちゃって……」
「……どのくらいの重さ?」
「150キロ。星霊のアリエスとほぼ同じくらい……魔力もそうなんだけど」
「………………」
想像以上の重さだった。
「あれ、アリエスの分身みたいなやつだから、本当は『モノ』じゃないんだけど、どうも検査対象に入るみたいで……」
「……まあ、魔法の杖とかも検査対象らしいからな……」
「結局『検査できない』って返してもらうまでに1週間はかかって……」
――とりあえず、大変であることはわかった。
「街に入るのは、諦めないといけないのだろうか……?」
「うーん……」俺には何とも……
その時、ピコンとピエール33世が白く光った。
『……ワタクシなら、どうにかできると思いますよ』
その言葉に、レイははっと顔を上げた。
『ワタクシ、これでも神なので、あなたの収納魔法と魔力そのものを隠すことができますよ』
「……ホント!?」
『ええ。ただ……』ピエール33世は、すぐに紫色の光を点滅させた。『今のワタクシの状態とあなたの本来の魔力量を考えると、15分はもたないと思います』
「……ということは、他の検査をさっさと済ませればいいんだな?」
『そうです……あ!』ピエール33世は、再び白く光った。『それをすればワタクシの魔力量も減るので、ワタクシも検査を通れるかもしれません!一挙両得ですね!』
「そもそも、何で神が検問に引っかかるかどうかを気にしてるのか、わかんないけど」
俺は苦笑いをした。
「とりあえず、その方向でいくか」
『「おおー!」』
……こうして俺たちは物陰でこそこそと、検問を通るための練習を始めた――もはや俺たち、ただの不審者だよな。




