039話 5月15日#02
ミライは、意外にも鏡のようなものを取り出した。
『鏡のようなもの』の縁は、きれいな銀色で繊細な模様が彫られていたが、肝心の鏡面が、穴が開いているかのように真っ黒だった。
そして実際、ミライはその『穴』の中に腕を突っ込んで、中から何かを取り出した。
「あれは……何だ?銃の一種か?」
見たこともないくらい大きくていかつい形だが、銃の仲間であることは確かだ。
「……未来の武器」
ひとことそうつぶやくと、ミライは銃の引き金を引いた。俺は素早く、跳んでその場から離れた。
――ズガガガガガガガ!!!
途端に、俺の今いた場所に銃弾が雨あられと降り注いだ。
「え?待って、『未来の武器』?」俺は目を丸くした。「ちょ……怖すぎじゃね?」
だが、こうも思った――相手が物理的な攻撃を中心としているなら、俺でも対処のしようがある!
俺は剣を引き抜き、前にかざすように持ち替えた。
ミライは銃の向きを変えて、俺に向けて撃った……のだが、俺の体を包むように魔法陣が現れて銃弾を吸収し始め、俺自身には1つも当たらなかった。
――言っとくけど、これは俺の魔法じゃないぞ。俺が『前からの攻撃を防いでくれる』機能を持った剣を、大金をはたいて手に入れてたからだぞ。
魔法は、何が飛んでくるかがわからないと対処のしようがないが、銃は前に向かってしか攻撃できない。銃使い対策にと買った剣が、今ほど役に立ったことはない。
「ちっ!」ミライは銃を捨て、『鏡』から別の何かを取り出した。
今度出てきたのは……ん?剣……の柄?
よくわからず戸惑っていると、ミライは剣についていたスイッチを押した。
すると、柄がブーーンと鳴って、剣の刃のような形の光が柄から生えてきた。
「それは?」
「……未来の映画に出てくる剣」
「いや、映画かよ!」
――ミライはオタクなのか?
それはさておき、剣を振り回されたら今までの方法では対処できない――てか、俺が攻撃できない。早く何か対策を考えないと。
ミライは、とりあえず剣士ではないらしく剣の振り方が適当だったので、かわすのは問題なくできた。
ただ、『剣』の方に問題があった。
「芝生が焦げてる……」
剣の『刃』に当たった芝生の葉が、チリチリと燃え上がっていた。
それを見た俺は、「この剣は、もしかしたら熱を出すのかもしれない」と考えた。仕組みはよくわからんが。
――それなら、上手く対処ができるかもしれない。
俺は後ろへ飛び、ミライと距離をとった。ミライは当然、前へと踏み出した。
ミライは剣を両手で持って、俺の頭の上に振りかぶった。
その一瞬で、俺は今度はミライの懐に飛び込み、ミライの腹を殴りつけた。その勢いで剣の刃がミライに当たる……直前で、光の刃は消失した。危ないと判断して、ミライがスイッチを切ったらしい。
――だが、この隙を逃す俺ではない。
俺はミライの後ろへ回り、腰あたりを思いっきり蹴りつけた。
「はぶっ!!!」
体勢を崩したミライは、倒れて顔面を地面にぶつけた。
マシンガンに剣が勝てるとは……魔法があるだけで、武器種による優劣関係が変わるんですね。剣・槍・斧・弓矢・銃・体術などなど……それぞれに長所と短所があり、人によって好みや向き・不向きがあるみたいです。




