表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
ウラヌス編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/51

028話 5月13日#06

このエピソードから、ノベルアップ+版と同時公開となります。

 「『みずがめ座の星霊使い(アクアリウス)』なのか?」



 レイは女に訊ねた。



 「ああ、そうだ」女は、じっとレイを見据えていた。「どうせ興味ないだろうけど、『スターリア』って名前だ」


 「『石』のありかを知ってるか?」


 「まあな。だが、」スターリアはふんと鼻を鳴らした。「てめえなんかに渡すつもりはない……てか、渡すなと言われている」



 ちょうどその時、俺は1階にたどり着いた。俺は、看守たちに見つかる前に、大きな声で叫んだ。



 「早く逃げろ!!ここにいたら、絶対危ないぞ!!!」



 すると、1人の看守がこちらに近づいてきた。



 「お前、誰だ?俺たちの邪魔をするな……ぐうっ!」



 俺はまた、看守を殴って黙らせた。



 「とにかく逃げろ!!!あの2人の戦いに巻き込まれたら……!!!」



 ――ズドーーーーーン!!!!!



 爆発が起き、いろいろな物の破片が頭上から落下してきた。


 労働者たちも、看守たちも、ざわざわと言葉を交わしていた。



 「逃げろ……早く!!!」



 ようやく、みんなが動き出し、外へ通じていると思われる大きな扉に向かった。看守の中には労働者たちを押しのけようとしている者もいたが、ほとんど全員がパニック状態で、他の人にかまっている暇はないようだった。



 『カイトさん!』ピエール33世が現れた。『他の階の皆さんは、みんな避難を始めました!』


 「残念だが、その人たちのことをかまっているヒマはないな」と俺はつぶやいた。「柱も壁も天井もぶっ壊れてる……このままだと、この建物が崩れる」


 『どうしましょう?……といいますか、』ピエール33世はカメラを上に向けた。『レイさんと戦っているのは、どなたです?』


 「アクアリウスらしいぞ。しかも、『石』を渡すのを拒否してる」


 「……どうして『石』をくれないんだ?」



 レイは、落ちてきた天井の破片を避けながらスターリアに訊ねた。



 「だから、『石』を渡すなと言われている」


 「誰から?」


 「そんなの教えるわけねえだろ」スターリアはギターを構えた。「どっちにしろ、アタシは持ってないけどさ」



 するとギターをかき鳴らし、その場でジャンプした。



 「『ビートステップ』!」



 スターリアは見えない足場に飛び乗るように下りて、空中で静止した。それから再びジャンプして、同じ魔法をかけた。


 スターリアの動きはどんどん速くなっていき、あっという間にレイと同じ高さまで上り詰めた。



 「じゃあ、『石』はどこにあるの?」


 「知らねえよ!」スターリアはレイに向かって跳び上がった。「あの領主の父娘(おやこ)に聞けよ!あいつらが持ってるんだからさ!」


 「え……」



 俺はそれを聞いて、その場で固まってしまった。



 「『グルーヴランス』!」


 「『クリムゾンブレス』!」



 2人の魔法がぶつかり合い、また爆発が起こった。


 そして、建物の天井が、少しぐにゃっと曲がった。



 「時間がない!?」


 『あ!そうです!』ピエール33世が白くピコンと光った。『いいことを思いつきました!』


 「……何?」


 『ワタクシが、建物が倒壊するまでの時間を稼ぎます!ワタクシの魔法で、この建物を守るんです!』


 「そんなことできるのか?」


 『ええ!たぶん15分くらいしか保ちませんが』


 「じゃあ、その間に全員を建物の外へ避難させる!」


 『よろしくお願いしますよ!』



 ピエール33世がオレンジ色に光ったのを見てから、俺は出口の扉の方へ走った。そこに集まった人たちを落ち着かせようと、必死に呼びかけた。



 「落ち着いてください!まだ建物が崩れるまで時間があります!!」



 あの2人が戦いを止めたら……とも思うが、やっぱりそうはいかないものかもな……。

???:スターリアさんは、その楽器をどこで手に入れたんですか?


スターリア:星霊界のアタシの家の隣の『みなみのうお座』とかいう奴が、何を思ったのかアタシとやぎ座の星霊使いを引き合わせてさ、『プレゼント交換』とかいうのやらせやがって……その時もらったギターだ。妙にデカい音が鳴るから気に入ってる。


???:それ、珍しいギターですよね?


スターリア:詳しいことは知らねえ。何年か後に開発されるとか何とか言ってたけど、よくわかんねえ。本人に訊きな。


???:そうします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ