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第一章 幸助の話-6

※本作は 文芸社より2026年3月に書籍化 されます。

応援してくださる皆さまのおかげです。ありがとうございます。


30歳のとき、僕の人生は音を立てて崩れた。

母のくも膜下出血による介護、うつ、解雇、転職失敗。

どれかひとつでも重いのに、一度に全部が襲ってきた。


それでも――

毎日「1日20分だけ」書くことを続けた。


この作品は、

人生のどん底に落ちた男が、

どうやってもう一度立ち上がったのかという、

“再生の記録” です。


読んでくださるあなたの人生が、

少しでも軽くなるなら、それ以上の幸せはありません。



不幸中の幸いか、その後、母は生死の境目を抜け、なんとか一命をとりとめることができた。意識が回復したのは、確か、母が倒れてから二、三週間後だったか。久しぶりに病室で対面した母は、まるで抜け殻のように変わり果てていた。

それでも、見舞いに訪れた際、「来てくれたの? ありがとう」と声にはならない母の思いを感じた。もうこの頃には、言語能力はほぼ皆無に低下していた。それでも、お菓子を持参すると、「いいよ。」と言って幸助に勧める。やはり俺の優しい母親なのだと実感し、幸助は涙がこみ上げるのを抑えきれなかった。


もしあの日、父が家にいなかったら、母はもうこの世にはいなかっただろう。奇しくも祖母と同じ年齢で、同じ病に倒れた母。祖母は命を落としたが、母は生き延びた。これは遺伝なのか、それとも定められた運命なのか。人生とは何なのか――そんな思いが、この頃を境に幸助の頭の中を去来するようになった。


母は半年間にわたり転院を繰り返した。家族で何度も話し合いを重ねた末(とはいえ、最終的には父・勝彦の判断に委ねられることになるのだが)、母の受け入れ先について悩み、施設への入所も検討された。しかし、直前となって考えを180度変えた父親が、「やはり家で介護をする」と強い意志の元、決断を下した。その決断に、家族の誰もが賛同した。

普段は厳しく、怖いとさえ思っていた父だが、そのような決断を下した姿を見て、幸助は父の中に優しさがあることを感じた。ただ、母親に会えるという嬉しい気持ちもある半面、本当に介護などできるのだろうかという不安も大きかった。そしてその不安は、後になって現実化する。


広告なしで全文無料公開中! 続きは2026年3月文芸社書籍で加筆修正版を!

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