第一章 幸助の話-22
※本作は 文芸社より2026年3月に書籍化 されます。
応援してくださる皆さまのおかげです。ありがとうございます。
30歳のとき、僕の人生は音を立てて崩れた。
母のくも膜下出血による介護、うつ、解雇、転職失敗。
どれかひとつでも重いのに、一度に全部が襲ってきた。
それでも――
毎日「1日20分だけ」書くことを続けた。
この作品は、
人生のどん底に落ちた男が、
どうやってもう一度立ち上がったのかという、
“再生の記録” です。
読んでくださるあなたの人生が、
少しでも軽くなるなら、それ以上の幸せはありません。
日々、「二十分の執筆活動」を地道に継続した。三十分では少し長い気がするし、十分では少ししか進まないので完成まで時間がかかってしまう。二十分は絶妙な時間設定だと思った。遅くまで仕事をしていても、二十分くらいであれば、なんとか確保できる。幸助は、なるべく気持ちよく作業できるよう、好きな音楽をかけながら執筆活動を続けた。
結果としてはそれが功を奏したのだと思う。毎日たとえ二十分だとしても、毎日の積み重ねは大きい。一週間もすると、一万字程度は執筆できていた。また、二十分と時間制限をすることで、集中して作業ができ、質も高まった気がする。
幸助が考えていた以上に執筆活動は続いた。日に日に書きたいというモチベーションが湧いてくる。そして、日中に漠然と平日考えていたことを夜な夜な執筆に生かすことができた。
「夢」は自分の工夫次第で誰でも叶えられる――幸助は自然とそう思うようになっていった。
次はホラーを書いてみようか、それともRPGのような世界観の小説に挑戦してみようか――幸助の頭の中には、アイディアが溢れんばかりに広がっていた。現在は、時間制限はあるものの、サラリーマンとして働きながら「二十分執筆」を続ける方が、むしろ良いアイディアが浮かぶかもしれないとも捉えられるかもしれない。
もちろん、厳しい世界で、素人の自分が結果を出せるのかどうかは分からない。それでも幸助は、淡々と、地道に執筆活動を続けていく。
やがて、少しずつ、「小説家になる」という夢が、現実のものと捉えられるようになっていった。書き始めた頃は「とりあえずやってみよう」くらいの軽い気持ちだった。それがいつの間にか、「絶対に小説家になってやる」という強い決意へと変わっていた。
あとは、平日の仕事にどれだけ耐えられるかどうかだ。
――でも俺は知らなかった。この二十分が、俺の人生を完全に変えることになるなんて。
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