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第一章 幸助の話-12

※本作は 文芸社より2026年3月に書籍化 されます。

応援してくださる皆さまのおかげです。ありがとうございます。


30歳のとき、僕の人生は音を立てて崩れた。

母のくも膜下出血による介護、うつ、解雇、転職失敗。

どれかひとつでも重いのに、一度に全部が襲ってきた。


それでも――

毎日「1日20分だけ」書くことを続けた。


この作品は、

人生のどん底に落ちた男が、

どうやってもう一度立ち上がったのかという、

“再生の記録” です。


読んでくださるあなたの人生が、

少しでも軽くなるなら、それ以上の幸せはありません。



その後、なんとか気力を振り絞って、ハローワークに足を運んでみたりした。平日にもかかわらず、そこには思いのほか多くの人々がいて、皆それぞれに職を探していた。「自分だけじゃないのか」と、少し安堵したのを覚えている。しかし、スタッフから提示される求人情報は、どれも以前勤めていた会社の給料水準を当たり前のように下回る。しかも、その仕事が本当に自分に務まるのものなのかどうかも分からないし、打ち砕かれた今の自分ではやっていける気がしなかった。自分には仕事をする能力がない――そんな思いが頭をよぎり、さらに幸助は自分に失望した。


そんな生活を続けて一か月ほど経った頃、前の職場の上司からLINEが届いた。


「またうちの会社で働かないか?」——まるで、自分が仕事を失ったことを予期していたかのようなタイミングだった。


恥をかなぐり捨てて、転職先の仕事を辞めてしまったことを正直に打ち明けた。上司は、そんな自分の話を真剣に聞いてくれて、心から相談に乗ってくれた。


かつては嫌で辞めた会社だった。「結局、元に戻るのか。」転職は失敗だったと頭を下げるようなものだ。ただ、そのときの自分には、それ以外の選択肢が無かった。


再就職には当然ながら面接などの手続きが必要だったが、意外なことに話はとんとん拍子に進み、思っていたよりも早く復職することができた。正直、戻る際には自分を非難する人も多いだろう、みっともない、情けない、そんな思いで一杯となった。ところが、職場の同僚は、快く自分を迎えてくれた。予想外の反応に、魂が震え、目から雫が零れ落ちた。本当に戻ってよかった――心の底からそう思えた。


結果的に、無職だった期間は一か月ほどだった。実際には二か月近く休んでいたのだが、転職元の会社が温情をかけてくれ、特別手当として一か月分の給与を支給してくれていた。その会社の上司や同僚には、本当に迷惑ばかりかけてしまったという思いが強く、本当に頭が下がる思いだった。力が及ばず、申し訳ない思いだった。


広告なしで全文無料公開中! 続きは2026年3月文芸社書籍で加筆修正版を!

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