#4 主人公はどっち
お久しぶりです。次回更新は未定です()
”私”が姉上と話して聞いた事を、父上に報告したその夜。睡眠前の雑談中に、”私”があることを聞いてきた。
「⸺これは、ハジェにだけ言うのだけど」
「どうした、ミジェ」
「もしかしたら、お姉様は転生系悪役令嬢なんじゃないかって思ってね」
「……なるほど?」
確かに、あり得なくもない考えだ。あぁだが、そうだった場合、ある可能性が浮かぶ気がする。
「……もしも。もしもそうだった場合、俺が対象の一人にいる可能性、あると思うか?」
「………そうね。お姉様の弟だから、ありえるわ」
”俺”が攻略対象か……寒っ。でも、確かに有り得る。いやっでも、嫌だな……原作の役割が悪役一家という大穴にベットしておこう。
「……ねえ。私たちってちゃんと、お父様とお母様よね?」
”私”が、妙な所を不安がる。
はぁ……そんなの、分かりきっているだろ。
「それはあの親バ……家族BIGLOVEな様子から、分かりきってるだろ」
「それは…そうね」
そこで一度、会話が途切れる。が、”俺”はすぐに顔を上げ、一つ思い出したことを尋ねる。
「⸺ところでミジェ、父上に会った時にお兄様と呼んだが、どういう風の吹き回しだい?」
「イヤだわハジェ。二人の時は兎も角、それ以外で愛称呼びはアレでしょう?」
「まぁ、そうか。流石に俺たちも学園に入学するからね……細かいところも直していかないとか」
「そうよ。会話して直していきましょう、お兄様」
「分かったよ、ミジェ」
⸺それから。ついに俺たちは、入学式を迎えることとなった。
入学式はつつがなく行われ、何か事件が起こる様なこともなかった。平和だ。その後、”俺”は何かに巻き込まれる様な事もなく、一週間が過ぎた。
*
「………また」
「ミジェール様?」
「いいえ、なんでもございませんわ」
入学式から一週間。お兄様の周りは平和なのだけど、私はあることに悩まされていた。それは……⸺。
「⸺いっけなーい!」
「……ぇ、あっ、きゃっ?!」
「えへへ、ごめんね?」
「い、いえ。だい、じょうぶ…ですから」
今、目の前でぶつかり事故を起こした二人の女性。元気な方はミルディン男爵家の長女、ハリア嬢。反対に、オドオドとした方はフェアリス伯爵家の長女、シャルル嬢。
何を悩んでいるのか、それは……どちらが乙女ゲーの主人公なのか、ということだ。
正直、見た目からは判断がつかない。
二人ともふわりとした金髪少女で、比率の差はあれど、どちらも可愛い系だ。
立場で考えると、平民から生まれた庶子であるハリア嬢が主人公かと思うが、端々の態度などからどうも横取りをしている、様に感じるのだ。
シャルル嬢が立候補しようと手を上げかけた委員会に即座に手を伸ばして立候補したり、基礎魔法の実技授業の時に、シャルル嬢の番を押し退け自分を目立てる様にしたり……少なくとも、ハリア嬢は”知ってる側”の人間なのかもしれない。そう……⸺転生者かも、しれないのだ。
一方でシャルル嬢は、いつもオドオドとしており、自己主張が弱い。此方はなんとなく、所謂ところのドアマット系を感じる。実際、ドアマット系に必要な家族構成になっているし。
どちらのお家の事情も、まだ全てを調べきれていないが、シャルル嬢がヒロイン、または主人公の可能性が高そうだ。………じゃあお姉様はどちらかに?
いや、まだ序盤。もしかしたらお姉様が知ってるヒロインはまだ、学園に入学していないかもしれない……落ち着け、”私”はお姉様を貶めさせない為に動くのだ。予想だけでは無く、事実確認をしっかりしてから動くのだ。
「⸺ルシエル嬢。行きましょうか」
「えぇ、分かりましたわ。ミジェール様」
”私”は昔から仲良くしている侯爵家の令嬢を連れて、次の授業を行う教室へと向かった。
コツコツ書いていきます。
更新が遅いのは、見切り発車が多いからですね()




