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オンラインゲーム:サンドボックスウォーズ ―画面の向こうの絆―  作者: 黒瀬雷牙
第十章 Whiteの物語

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第五十四話 フローライトvsサンドウォール

【オニッシュ】「よし、開幕からぶちかます!前衛は任せて!」

【ココア】「了解、後ろから支援するよ」

【White】「俺は盾で正面抑える。隙を見せるな」


 フローライトの最高戦力・オニッシュが、サンドウォールのメンバーを一人、また一人と薙ぎ倒す。

 その背後では、ハルトとゆずがそれぞれ、ジャコウとG2に突撃。


【ハルト】「この戦力差なら、余裕だ!」

【ゆず】「さぁ、行くよ!」


 通常ならば格上の二人が相手でも勝利は確実。

 ーーそう思われたその瞬間。


【ジャコウ】「かかったな!」


 すなっちのバフが発動し、状況が一変する。

 ハルトとゆずの攻撃は通りにくくなり、防御は異常なまでに硬化。回復力は規格外に増大し、ダメージがほとんど通らない。


【ハルト】「な、なんだこれ……!」

【ゆず】「嘘でしょ?」


 連続攻撃を仕掛けるも、サーバー総合力2位のバフの力は絶大。ついに二人は圧倒され、戦場に倒れ伏す。


【システム】《ハルト 撃破》

【システム】《ゆず 撃破》


【ココア】「うそ、ハルトとゆずが!?」

【White】「開幕からこれか。予想以上だ……」


 フローライトの開幕は、まさかの絶望的なスタートを切った。

 全員の心に、すなっちの規格外の力の恐ろしさが刻まれる。


【スカイ】「ならば、デバフを撒いて動きを止める!」

【Gemini】「風魔法で足止め!逃がさない!」


 スカイとGeminiの巧みな魔法が、サンドウォールの戦力を縛る。

 動きの鈍ったジャコウを、ココアが素早く翻弄し、一撃で撃破。


【ココア】「くらえ、これで一人!」

【システム】《ジャコウ 撃破》


 さらにWhiteが正面からG2を捕捉。大槍で圧倒し、一撃で仕留める。


【White】「ここで止める!」

【システム】《G2 撃破》


 しかし、戦況は一瞬で変わる。

 飛車がスカイとGeminiの存在に気づき、仲間たちと連携して突進。


【飛車】「奴らをまとめて討つ!」


 瞬く間に二人を囲み、連携攻撃で押し切る。


【システム】《スカイ 撃破》

【システム】《Gemini 撃破》


【ココア】「うそ……また、二人が!」

【White】「飛車、速すぎる!」


 開幕わずか数分で、フローライトは半分。

 戦場には、すなっちの規格外のバフと、サンドウォールの連携力が突きつける絶望感だけが残った。


【オニッシュ】「くっ……ぽよぽよのデバフが強すぎる……!」

【White】「俺が前を抑える、オニッシュは耐えろ!」

【ココア】「任せて!こっちでぽよぽよを潰す!」


 フローライトの最前線、オニッシュはすなっちの暴力的バフとぽよぽよの魔法デバフで苦戦。

 しかし、Whiteが盾で正面を抑え続け、オニッシュへの攻撃を最小限に食い止める。


【ココア】「もらった!」

【システム】《ぽよぽよ 撃破》


 ココアが素早く背後に回り込み、バックスタブが炸裂。ぽよぽよを討ち取った。

 その瞬間、ぽよぽよのデバフが消え、オニッシュの体勢が整う。


【オニッシュ】「よし……これで!」

【White】「うむ、ここから反撃だ!」


 オニッシュが再び攻勢に転じる。フローライトの前線は息を吹き返し、戦況はわずかに均衡を取り戻した。


【すなっち】「ふん、俺は支援だけじゃねぇ。攻撃もやれるんだぜ!」

【ココア】「なっ……!?」


 すなっちは巨大なモーニングスターを振り上げ、衝撃波が場を裂く。ココアは仲間と離れ、孤立した位置に押し込まれる。


【White】「ココア、離れろ!」

【ココア】「う、うわっ……!」


 前後の連携が断たれ、ココアは防御もままならず、フローライトの前線は一瞬にして混乱する。


【オニッシュ】「くっ……支援が届かない……!」

【White】「俺が前を抑える。オニッシュ、反撃の準備だ!」


 Whiteが大盾を構え、オニッシュを守る。オニッシュはすなっちの圧倒的攻撃を前に踏みとどまり、必殺の一撃を狙う。


【すなっち】「くらえ、光の鉄槌!」


 振り下ろされた一撃がココアに直撃。強烈な衝撃と共にココアは、地面に叩きつけられた。


【システム】《ココア 撃破》


【White】「ココア!」

【オニッシュ】「まずいですね…」


 前線に大きな穴が開き、フローライトは再び絶望的状況に立たされる。

 しかし、Whiteとオニッシュは互いに目を合わせ、立て直しの作戦を練る。


 戦場の最前線では、すなっちの暴力的攻撃でココアが撃破され、フローライトの前線は大混乱に陥る。

 だが、戦場の後方ではまだ希望が残っていた。

 後方にて、タイガーが食い止め、むーが射抜き、残る敵は飛車のみ。


【むー】「もう一息…!」

【タイガー】「おうよ!斬り込み準備完了!」


 むーが足を穿ち、飛車の動きを封じる。


【むー】「今だ!」

【タイガー】「だぁっっしゃぁぁあ!!」


 タイガーが巨大な斧を振り下ろし、飛車の防御を見事に破る一撃を叩き込む。


【飛車】「無念…」

【システム】《飛車 撃破》


【むー】「やった……飛車撃破!」

【タイガー】「後衛支援、まだまだ続けるぞ!」


 後方の二人の活躍により、フローライトの残存戦力は立て直しの余地を得た。


【White】「ナイスだ!」

【オニッシュ】「まだ、僕達は終わっていない!」


 前線で絶望的状況に陥っていた仲間たちも、この報せに勇気を取り戻した。

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