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サンドボックスウォーズ  作者: 黒瀬雷牙
第五章 リデルの物語

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第二十三話 高難度ダンジョンで素材集め

 フローライトの面々も、ケルベロスの時と同じように、ギルド一丸となってリデルへの協力を始めていた。


 本戦という大舞台。

 テーマは「温かい冬」。

 そして、相手はアメリアとメリッサ。


 中途半端な箱庭では、到底太刀打ちできない。


【ココア】「今回は勝ちに行く庭だね」

【みぃ子】「全員で支えましょ!」

【ゆず】「素材集めから本気で!」


 その空気は、かつてケルベロスに挑んだ時とよく似ていた。


 そして、同じ頃。


 オニッシュが所属するDARK KINGでも、似たような光景が広がっていた。


【BROS】「オニッシュ、今回はガチで支援するぞ」

【ザン・シャオ】「アメリアとメリッサだけじゃない、一蓮托生のケルベロスや、フローライトにも油断するな」

【オニッシュ】「……うん。全力で行く」


 ライバルであり、仲間でもある。

 それぞれのギルドが、それぞれの出場者を支えるために動き出していた。


 フローライトの作戦会議で、真っ先に口を開いたのはギルドのエース、Rainだった。


【Rain】「スカーレットとの差別化を考えるなら、普通の箱庭素材じゃ足りない」


 チャットが一瞬、静まる。


【Rain】「箱庭ギルドじゃ行けない難易度のダンジョンで素材を集めよう」

【White】「……つまり」

【Rain】「奈落と、火山です」


 その言葉に、数人が息を呑んだ。


 火山と奈落。

 いずれも高難易度エリアで、一般的な箱庭ギルドではまず挑まない場所だ。


【そる】「スカーレットのメンバー的に……」

【烈火】「火山も奈落も、自殺行為だな」

【らいおん】「あそこは戦闘特化向けだし」


 スカーレットは、美麗な箱庭と演出に特化したギルド。戦闘難易度の高いダンジョンは、そもそも主戦場ではない。


【Rain】「だからこそ、ここで差をつける。素材の質で、世界観の深みを作る」


 その提案に、フローライトの空気が一気に引き締まった。


【ココア】「いいね、やろう」

【White】「リデルの庭のためなら」

【リュート】「無茶する価値はある」

【らいおん】「火山でも奈落でも行くぜ」


 こうして、フローライトは二手に分かれることになった。


 奈落組。選抜メンバーは、戦闘力重視。


 Rain

 White

 ココア

 そる

 烈火

 らいおん

 リュート

 そして、リデル。


【烈火】「よし、地獄観光だな!」

【そる】「観光で済めばいいけどね」


 深淵の底でしか手に入らない素材。温かい冬というテーマに、あえて過酷な場所の素材を組み込むための挑戦だ。


 他のメンバーは火山組。リーダーはハルト。


【ハルト】「無理はしない。生きて帰るのが最優先だ」

【みぃ子】「了解です!」

【ゆず】「溶岩落下だけは勘弁……」


 高温地帯でしか採取できない鉱石や植物。

 冬の温かさを演出するための、重要な素材になるはずだった。


 こうしてフローライトは、本戦に向けた本気の素材集めを開始する。


 すべては、リデルの箱庭のために。


 奈落組は、順調に第一層・遺跡エリアを進んでいた。


 崩れかけた石柱。

 ひび割れた床。

 天井から垂れ下がる黒い蔦。


 かつては、この時点ですでに全滅していた場所だ。


【そる】「……前より、楽じゃね?」

【White】「敵の動きが見えるようになったな」

【ココア】「昔は雑魚にやられたもんね」


 モンスターを次々と倒しながら、メンバーは確かな手応えを感じていた。


 成長している。


 以前は、第一層の序盤ですら危険だった。

 それが今では、安定した連携で進めている。


【烈火】「俺たち、強くなったよな」


 その中で、少し緊張した様子を見せていたのが、らいおんだった。


【らいおん】「奈落、初めてなんだよな……」

【そる】「まあ、誰でも最初はそんなもん」


 一方、落ち着いた様子で周囲を見渡しているのが、リュート。彼とRainはかつて、DARK KINGに所属していた時に、第三層まで到達した経験者だ。


【リュート】「第一層の最後に出てくるのは、懸念の蜘蛛・シャスエティ」


 その名を聞いた瞬間、数人の表情が引き締まる。


【White】「聞いたことあるな」

【ココア】「状態異常の塊、だったっけ?」


 リュートは小さく頷いた。


【リュート】「ああ。毒、麻痺、混乱、呪い……あらゆる状態異常で翻弄してくる、嫌なタイプのボスだ」


 シャスエティを見たことのない面々は、巨大な蜘蛛の姿を思い浮かべる。

 糸で拘束し、毒牙で削り、混乱で仲間割れを誘う。単純な火力勝負では通じない相手。


【烈火】「面倒くさいやつだな」

【Rain】「ヒーラーの腕が試されます」


 その視線が、自然とリデルに向く。


【リデル】「……任せてください」


 静かだが、芯のある声。


 仲間を支え、立て直すのが自分の役目。

 それは、現実でも、ゲームでも変わらない。


【らいおん】「よし……初奈落、やってやる!」


 遺跡エリアの奥。

 不気味な蜘蛛の巣が張り巡らされた広間が、ゆっくりと近づいてくる。


 第一層ボス 懸念の蜘蛛・シャスエティ。


 奈落の本当の試練は、ここからだった。

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