表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サンドボックスウォーズ  作者: 黒瀬雷牙
第二章 ゆずの物語

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

120/139

第五話 フローライトvs 焼肉キングダム

 土曜 21時。


 フローライトvs 焼肉キングダム。

 焼肉キングダムというギルドの、最後のギルドバトルが幕を開ける。


 銅区画は薄暗い空気に包まれ、遠くで戦鼓の音が鳴り響いていた。

 互いに相互布告は成功し、舞台は整った。


 北西銅区画。ここはフローライトが防衛する地。


「ここは任せてくれ」


 主防衛に立つのは、フローライト随一のタフネスを誇る騎士・White。


 その横には、剣士 ゆず。

 背後には風魔法の Gemini、支援を担うヒーラー リデル、そして火力の炎剣士 烈火。


【White】「絶対に突破させん!」


 Whiteの言葉に、ゆずは頷きながら剣を握り直す。


【ゆず】「……絶対に守り抜く」


 北東銅区画、ここは焼肉キングダムが守る地。


 フローライトの進行部隊が影のように集結する。


 戦線を切り裂くバックスタブ使い、ココア。

 物理も殴れるタフ僧侶、そる。

 狙撃ポジションにつく弓使い むー。

 槍を構えるバランス型の ハルト。

 そして、フローライトが誇る最高戦力、

 上級水魔法使い Rain。


【Rain】「全力で行きます、相手への礼儀です」


 Rainが静かに呟き、杖の先に青い魔力が灯る。


 対する焼肉キングダム、北西銅区画へ向かうのは、元DARK KINGの二人が率いる防衛部隊。


 ギルマス らいおん。剣と盾を操る堅実な王道ファイター。

 その隣には、幻術使い リュート。

 さらに魔法剣士 REBORN、

 ヒーラー みぃ子。


【らいおん】「最後くらい、きっちり見せてやるか」


 らいおんが盾を構え、リュートがほのかに笑う。


 北東守備には副リーダーの槍使い ペンギン、そして少し変わったスタイルのヒーラー 料理長。


【料理長】「きっちり料理しときますよ」


 料理は回復に時間はかかるが、回復と同時にバフ効果が発動する。料理長が鍋を構え、ペンギンが槍を叩きつけて気合を入れる。


 そして夜九時。銅区画の大地に衝撃が走る。


 ギルドバトル開始。


 風が巻き上がり、魔法の閃光が夜空に弾ける。

 剣が交錯し、咆哮が飛び交う。


 フローライトと焼肉キングダム。

 それぞれの誇りと想いを背負った戦いが、ついに幕を開けた。


 北東銅区画。


 開始の合図と同時に、空気を裂く音が響いた。

 料理長が構えた鍋の前に飛び込んできたのは、光速にも似た一本の矢。


 むーの一射。


 矢は容赦なく料理長の胸元へ突き刺さり、彼の体を後方へ吹き飛ばす。


【ペンギン】「料理長!!」


 ペンギンが慌てて振り向いた、その刹那。


【ハルト】「よそ見してる暇はないぜ」


 低い声とともに、ハルトが地面を蹴る。


 槍が弧を描き、風を巻き上げる。


【ハルト】「スパイラル・ドライブ!」


 回転する突きが、ペンギンを一瞬で飲み込み、そのまま中央ラインまで吹き飛ばした。


 反撃の暇など与えない。

 むーの追撃、そるの一撃、そしてRainの水魔法が地を洗うように広がる。


【ココア】「あらら、私の出番はなかったねぇ…」


 ほんの十数秒、焼肉キングダム北東守備、崩壊。

 あまりにも、一方的だった。


【システム】《北東銅大区画 勝者:フローライト》



【料理長】「やっぱり強ぇな……フローライトは」


 料理長が起き上がりながら、悔しさよりも笑いに近い息を漏らす。


 その言葉が、今回の決着を何よりも雄弁に物語っていた。


 一方、北西銅区間。

 こちらは一筋縄ではいかなかった。


 先陣を切った烈火が、剣を灼熱で包んで突撃する。


【烈火】「燃えろ、焔牙ッ!」


 だがその軌道を読んだかのように、リュートが笑った。


【リュート】「幻影・ファントム・ダブル」


 烈火の前に、そっくり同じ姿の烈火の幻影が出現する。


 一瞬の迷い。その一拍の隙に、らいおんの盾が烈火の横から叩き込まれた。


【烈火】「くっ……!」


 烈火は吹き飛ばされ、そのまま戦線離脱。


【システム】《烈火 撃破》


 後衛を守るようにリデルが回復に走るがーー


【リュート】「させないよ?」


 リュートの幻術が視界を奪い、回復が一瞬遅れる。

 そこへ、らいおんの正確無比な一撃。


【ゆず】「リデルさん!!」


 ゆずの声が届くより早く、リデルは地に膝をついた。


【システム】《リデル 撃破》


 二人が倒れたことで、北西は一時大きく押し込まれる。しかし、フローライトもここからが本番だった。


【ゆず】「Gemini、いくよ!」

【Gemini】「もちろん!」


 Geminiが風を巻き上げ、ゆずが一気に懐へ飛び込む。


 REBORNの魔法剣がきらめき、みぃ子の回復光が彼を支える。だが、それを上回る連携速度だった。


 Geminiの風刃がREBORNの足を止め、ゆずの脇をすり抜けるように流れる。


【ゆず】「これで終わり!」


 ゆずが愛刀・魂穿を構え、気息を止める。

 振り下ろしたのは、最短の一直線。


【ゆず】「一文字いちもんじッ」


 銅区画の空気が、真っ直ぐに斬り裂かれた。


【システム】《REBORN 撃破》


 REBORNはそのまま霧のように崩れ、みぃ子の回復も追いつかず、Geminiの追撃の風で倒れ込む。


【システム】《みぃ子 撃破》


【Gemini】「よし、クリア!」


 Geminiが息を吐く。


 ゆずは刃についた光粒を払って、さらに前を見据える。


 まだ、北西は終わっていない。

 らいおんとリュート、本命はここからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ