プロローグ 約束
ダークキングに、スカイが加入した。
大戦で名を上げた“ダークホース”の参加に、ロビーはひときわ活気づいていた。
その賑わいの中、ひとり静かにログインしてきた影がある。
――オニッシュ。
その姿を見つけた瞬間、スカイの胸が強く鳴った。
二人が顔を合わせるのは、あの激戦以来だった。
【スカイ】「……オニッシュさん」
短い間が空き、オニッシュが小さく笑う。
【オニッシュ】「来てくれたんだね、スカイ君」
名前を呼ばれる。それだけで胸の奥がほどけていく。
しかし、ロビーは騒がしく、落ち着いて話せる状況ではなかった。
二人はそっと、個人メッセージへ移った。
【スカイ】「俺……君を迎えに来た。絶対に一人にしないって決めたんだ」
一拍の沈黙。
返ってきた文字は、どこか震えて見えた。
【オニッシュ】「スカイ君にだけ、本当のこと、言うね」
スカイは息を飲んだ。
【オニッシュ】「私……お姉ちゃんのクレカで課金してたの。怒られて、管理されるようになって……でも、今の配信ペースなら、あと2〜3ヶ月で全部返せると思う。返し終わったら絶対に自由になる。その時は、ちゃんと戻るから」
苦しさと決意、そして少しの恥ずかしさが混じった、勇気ある告白だった。
スカイは迷わなかった。
【スカイ】「わかった。じゃあその間、ずっと一緒にいよう。俺、ダークキングにいるからさ。何かあったら、すぐ相談してよ。全部じゃなくていい、少しでもいいから」
間を置いて、ぽつりと返事が届いた。
【オニッシュ】「……ありがとう、スカイ君。約束する。返しきったら、一緒にフローライトに帰ろう!」
【スカイ】「もちろん!」
小さなスマホの画面に並ぶ文字。
ただそれだけなのに、二人の距離は確かに近づいていた。




