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サンドボックスウォーズ  作者: 黒瀬雷牙
第八章 スペシャルオーダーズの物語

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第四十二話 最強の僧侶

 開幕の合図と同時に、戦場が爆ぜた。

 中央金大区画。石畳がスキル光で白く焼かれ、轟音が空気を震わせる。


【ランスロット】「前衛、押し込めぇぇッ!!」


 ランスロットの号令に、スペシャルオーダーズの突撃陣形が一斉に駆ける。

 それに正面からぶつかるのは、ダークキングの()()()


 ダークキングのヴァルターが一歩踏み込み、大槍の穂先が白い残光を引いた。


【ヴァルター】「穿ッッ撃連鎖(ラッシュ・パイル)!!」


 まるで連打のような高速刺突。通常のタンクなら反応すらできず串刺しにされる速度だ。


 しかし迎え撃ったのは、王国騎士団の三人。

 ガウェイン、ガラハッド、レオネル。

 基礎ステの格が違う前衛エリート達だ。


【ガラハッド】「ここは通さんッ!」


 ガラハッドが盾ごと押し込み、

 ガウェインが横から斬り上げて軌道をずらす。

 だがずらした先で、レオネルの突きがヴァルターを牽制。


 それでもヴァルターの刺突は止まらない。


【ガウェイン】「速いな……全員、読みが追いつかねぇ!」


 刺突が地面を抉り、ガウェインの胸甲に火花が散る。

 一撃ごとにHPバーが削られる。防いでいるのにダメージが出るのがヴァルターの恐ろしさだ。


【レオネル】「前衛3枚でこれかよ……ッ!」


 それでも彼らは後退しない。彼らが倒れれば、後衛が一瞬で溶かされる。


 一方その横では、狂戦士の狼牙が咆哮を上げていた。


【狼牙】「来いよォォォ!!もっと俺を削れッ!!」


 HPが減るほど火力が跳ね上がる狂戦士。その仕様を理解しているからこそ、前衛は撃ちあぐねる。


【黒鉄】「ダメだ、削りすぎると暴走モードに入るッ!」

【Miley】「けど削らなきゃ止まらない!!」


 狼牙の斧がひと薙ぎ。回転斬りが空気ごと爆散し、黒鉄が大きく吹き飛ばされる。


【黒鉄】「一瞬で半分持ってかれたぞ!?あの火力バグってんだろ!」

【Miley】「低HP補正が乗り始めてる……やばいッ!」


 狼牙は笑っている。

 本当に楽しそうに。


【狼牙】「もっと!もっと殺し合おうやァァッ!!」


 その火力はすでにブルーアーチの2人では受け止めきれない。

 しかし退けば、前列は開き、中央突破を許す。


【Miley】「止めるしかない……! ここで死ぬ気で踏ん張る!!」


 HPの調整をしながら、狼牙の爆発火力暴走に乗り切る瞬間を探る。


 ヴァルターの刺突が前衛三枚を削り、狼牙の狂気がスペシャルオーダーズの前列を破壊寸前に追い詰めている。


 まだ開幕数十秒。


 だというのに、

 スペシャルオーダーズの防衛ラインが既に悲鳴を上げ始めている。


 そしてこの二つの戦線の背後では――


 暗黒魔術師ノクターン、

 嫌われ職Dr.D=eath、

 トリックスター・リュート。


 ダークキングの恐怖は、まだ始まってすらいない。

 だが、スペシャルオーダーズの本領もここからだった。


 ヴァルターの刺突が三枚盾を削り、狼牙の暴走火力が前列を割り裂こうとしていたその瞬間、戦場の空気が、一段変わった。


【レオネル】「来るぞ、全員合わせろ!!」


 黄金光が五人を包む。

 後衛のある僧侶が放った、最強クラスのバフ魔法・ユナイト・コンダクション。


 ガウェインの剣が白炎を帯び、

 ガラハッドの盾が金壁へと変わり、

 レオネルの突きに雷光が走る。


【ガラハッド】「押し返すッ!!」


 大地が震えた。

 ヴァルターの連撃を、ガラハッドが正面から受け止め、ガウェインとレオネルが同時に斬り込む。


【ヴァルター】「ッ馬鹿な、俺の連鎖が押し負ける……!?」


 白光三重突撃・トリニティ・ドライブ。

 前衛三枚が重なった瞬間火力が、ヴァルターを逆に弾き飛ばす。


 同時に、反対戦線でも――


【Miley】「黒鉄、今っ!!」

【黒鉄】「任せろおおッ!!」


 黒鉄のハンマーに蒼炎が灯る。

 Mileyの補助魔力がその一撃を加速させる。

 狂戦士・狼牙が笑いながら突撃した瞬間。


【黒鉄】「ぶっ飛べェェェッ!!」


 暴走直前の火力補正を逆利用したカウンター強打が直撃し、狼牙のHPバーが一気に吹き飛んだ。


【狼牙】「くっそ、この俺様がもう退場かよッ…!」


【システム】《狼牙 撃破》


 狂戦士、轟沈。


 そしてヴァルターも、ガウェインたち前衛3人の連携突撃に貫かれ、地面へ叩き伏せられる。


【システム】《ヴァルター 撃破》


 わずか数秒で、

 サーバー最強前衛の二枚が沈んだ。


 その様子を、遠くから見ていた黒王の眼が細められる。


【黒王】「……やはり。“あいつ”が一番厄介だな」


 黒王が大剣を肩に担ぎ、一直線に飛び出す。


【黒王】「カノン、あとは任せる。俺はあいつを止める」

【カノン】「あぁ、任せろ」


 轟音黒い残光が空を裂く。重い衝撃音が響いた。


 黒王の大剣を受け止めたのは、巨大なモーニングスターを片手で回す男。


 金色の外套、鉄壁のオーラ。

 それでいて、僧侶職とは思えないほどの筋力ステ。


 サンドウォールのギルドマスターにして、

 サーバー最強の戦う僧侶。


【すなっち】「やっぱり来たか。……俺の相手は、お前だと思っていたよ、黒王」


 大剣と鉄球がぶつかり、衝撃波が戦場の空気を巻き上げる。


【黒王】「あぁ、他の奴じゃ相手にならねぇだろ?すなっち!!」

【すなっち】「そうだな、今日こそリベンジさせてもらうわ!!」


 黒王 vs すなっち。

 サーバー屈指の怪物同士が、ついに対面する。

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