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元海軍少尉の受付嬢  作者: 影光
二章 狩場へ
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ベースキャンプ

 山を下る川の音が響き渡る山麓への道を2台の迷彩模様のトラックが走る。

 軍用とだけあって走破力はすさまじく、ロクな整備のされていない悪路を難なく走り抜ける。

 銃砲から始まり、戦車や戦艦に戦闘機など、外大陸に比べ兵器技術の進んだランデル国ではあるが、モンスターのうろつく狩猟エリアは相変わらず危険なために道路工事がされず、放置されたままとなっている。


「サクラさん、ここでの仕事には慣れましたか?」

 装甲に囲まれたトラックの中で、隣に座るサクラに話しかける。

「はい、始めはハンターの扱いが正規軍の下請けなところや、対竜地雷や手榴弾とかの使ったことのない道具などの勝手の違いに戸惑うところがありましたが、今ではすっかり慣れました」

「それはよかったです。機関銃の扱いとかも大丈夫ですか?」

「機関銃に関しては、まだ慣れないですね…

 特に連射した時の音が苦手で…」

「あれは辛いですからね…」

 陸戦訓練で重機関銃を撃った時の体験を思い返す。

 三脚で固定されていたとはいえ、12.7ミリの銃弾を射撃した時の衝撃はすさまじく、訓練で鍛え上げられた体でもしっかり構えていないと反動に負けて照準が狂ったり、場合によっては転倒してけがを負うこともある。

 そのうえ、音もうるさい。

 1発でもすさまじいのにそれを毎秒10発以上のペースでぶっ放す。

 基本、耳栓などの防音器具を使用するが戦場で紛失する場合もあり、それを想定して耳栓なしや草や土を耳に詰めて使用することもあった。

 耳栓なしで撃った時の鼓膜への衝撃と激痛は今でも忘れられない。

「あんた、もしかして海軍出身か?」

 対面に座る、ベースキャンプの防衛を担当する陸軍兵士が不意に声をかける。

「あんたの腰に掛けている拳銃、海軍の支給品だろ?」

 護身用に掛けているオートマチック拳銃。

 海軍で支給されたもので、ギルドのロッカーにしまっていたものを今回の任務用に携帯した。

「事情がありまして、除隊しました」

「そうか、実は俺も元海兵だ。

 シャークというイカレ野郎のしごきが耐えられなくなって陸軍に転属した。

 アンタも同じクチか?」

「そんなところであります」

 そのシャークを殴り飛ばして除隊した…とは言えぬまま、淡々と返す。

 トラックにガタガタと揺られること20分、下流エリアのベースキャンプが見えてきた。

 『大滝前エリア』と呼ばれるこの場所は、その名の通り大きな滝がすぐそばにあり、ミギナ山地でも特に水気が多いため年間通して清涼らしい。

 また、洞窟内にあるため飛空竜たちに見つからない半面、ここからでは外の様子が分かりにくい。

「お疲れ様です」

 駐屯していた2人の職員と兵士数名が交代、私たちが乗ってきた車両に搭乗して下山する。

 カレンの指示に従ってトラックに積んでいた傷薬や銃弾、簡易な武器の整備道具などの支給品をアイテムボックスと呼ばれる鉄製の箱にしまうと、狩猟に向けて簡易的な食事をとる。

 ぶち込まれていた軍事刑務所で製造された、軍用の携帯口糧。

 製造日は収監されていた時期のものである。

 保存がきくように乾燥された固形物をかじり、缶切りを使って缶詰を開ける。

 トマトソースの掛けられたミートボールと好物のクッキー。

 艦内の売店で陳列されていたクッキーとは少し違うが、なかなかに美味しい。

 一通りの準備が終わった午前9時32分。

 狩猟開始だ。

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