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元海軍少尉の受付嬢  作者: 影光
二章 狩場へ
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新しい役目

「君にフィールドでのハンターのサポートを任せたい」

 日の登り始めた早朝、外の洗い場で職員や所属するハンターの衣服を洗濯していた私に、ギルドマスターがそう言葉を発する。

 受付嬢となって1ヶ月。

 仕事に慣れてきた私に新しい役割を任せても良さそうだと判断したらしい。

「洗濯が終わったら、現地でのハンターのサポート要因として他の子と一緒にフィールドに行って貰いたい。頼めるか?」

「問題ありません」

 作業の手を止めて承諾する。

 カレンから聞いた話では、フィールドでの受付嬢は現地に一週間ほど滞在して、モンスター討伐時の狩猟証明書の発行から始まり、ベースキャンプまでの支給品の運搬や怪我したハンターの手当の他、現地の異変の有無の確認や生態数の簡易的な調査なども並行して行うらしい。

 場合によっては銃砲を駆使してハンターの援護も行うのだとか…

「で、どこへ向かうのでありますか?」

「ミギナ山地の川エリアだ」

 手入れのされた立派な髭を冷たい風に揺らしながら、淡々と答えるギルドマスター。

 ミギナ山地とは、ここから10キロメートル離れた場所に位置する、自然豊かな山地。

 山頂にあるオーエンダル湖からバルゲの海へと川が流れ、水に含まれる養分が近隣の生態系を支えている。

 陸軍省の管轄下にあり、商業狩猟用として管理されている。

 ランドファングやピルゲルなどのモンスターが多数生息することから付近に住宅地はなく、ハンターズギルドの関係者や軍人など一部を除いて立ち入りが禁止されている。

 商業狩猟用に環境が整えられており新人ハンターの訓練場所にもなっているほか、陸軍の基地も近く、事故があったとしても素早く駆け付けられる。

「今回の現場は陸軍の基地が近いから不測の事態があったとしても十二分に対応できるだろう。

 いざとなればベースキャンプにある電信機や発煙弾で陸軍に救助を要請しろ」

「了解であります」

 首を縦に振って承諾。

 返り血の付いたハンターの衣服を洗い終えると、物干し竿に掛けて天日干しにする。

 ラジオで聞いた天気予報では曇りのち晴れ。

 予報が当たっているのならば、夕方にはちゃんと乾ききっているだろう。

 一陣の風が衣服をパタパタと揺らす音を背に、裏口からギルドの中へと入っていく。

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