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なろうモノ嫌いの異世界記  作者: 不連続がと
サイドストーリー:召喚屋ポタルの大会記

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18/28

Ex1話 参加動機!

本編12話中の召喚獣大会のお話、兼、設定資料まとめ的なもの、です。

一応、それなりにはちゃんと考えてるんだよ!っていう……


本編ではあまり多く割けなかった、戦闘シーンがたくさんです!

――エンデュラン王国領土、イニシアの街、召喚屋ギムズにて。


「それ、よいしょ、いちに、いちに、あーん、よがじょーず、と。」


その日、サジは店の裏手の広場で、オンの前足を持ち上げて、二足歩行の練習をさせていた。


きっかけは、ポタルの言葉だった。


『使い魔はね、熟練していくと、人型に変身出来るようになるんだよ!』


(そういえば……俺、オンのことペット扱いしてたかもな。)


そう反省したサジは、「少しはヒトとして扱わなくては」と思い立った。だが、


「オンも人型になれるのか?」


と本人に聞いてみたところ、首を振られたため、なんとなく、こうして歩行練習を始めたのだった。


「お、飲み込みが早いな! 今日中には二足歩行できるようになるんじゃないか?」


オンは賢い使い魔なので、本当はサジが想像する以上に高い知能を持っている。

使い魔の特性として、生まれた瞬間からサジの記憶を共有しているので、サジの現実世界の経験も、異世界での経験もちゃんと頭に入っている。



……ただ、それを知らない主人(マスター)が一生懸命手を引いてくれるのが、なんだか嬉しくて。

だからオンは、黙ってこの時間を楽しんでいた。


そんなとき。


「こ~んに~ちは~↑」


聞いたことのある声が聞こえた。


店に来ていたのは、ハーピー。胸に「バラード・ランド・ハーピー」と書いた名札をつけている。

以前、「ハピサキ」のハーピーの代表として召喚屋ギムズに訪れていた人物である。



「これ、ポタルさんにぴったりだと思って~↑」



バラードが持ってきたのは


「王都召喚獣大会……?」


◇◇◇


――王都召喚獣大会。召喚術士が、己の召喚獣を1対1で戦わせ、その優勝者を競う大会。


「というわけらしいんだが、ポタルは出場しないのか?」


「やだ。」


研究室から連れ出してきたポタルの第一声である。


「「えー↑!?」」


サジとバラードが同時に声を上げる。


「面倒くさいし、目立ったって良いことないよ。今だって、別にお仕事には困ってないしね。」


「そうか?残念だなぁ。」


「お?」


「せっかくの召喚の天才の技、俺としては見てみたかったなぁ。」


「ほほう」


「仕事半分って言ってたけど、最高の観光の思い出に、なると思うんだよなぁ。」


「そうかそうか、なるほどなるほど」


ポタルの表情が変わった。


「そういうことなら♪いいかもねぇ。」

「そうそう、この大会、王都公認で賭けの対象にもなってるんだよね。」

「サジの衣食住は全部面倒見てたし、一人で買い物もしないだろうから、給料を渡してなかったけど」

「帳簿にはしっかりつけてあるから、今回、わたしに乗っておけば美味しい思いが出来るかもね♪」



(ノってきたな。ありがとう、女神ギム様)


ポタルをノせることに成功し、あの憎たらしいがどことなく憎めないあの女神に、初めて感謝する。


「そうしたら、問題は」


そう言いながら、ポタルがポスターを裏返す。


そこには。



参加費

・S/s以上のランカー 500リム

・A/aランカー 1,000リム

・B/b ランカー2,000リム

・C/cランカー 3,000リム

・D/dランカー 4,000リム

・E/eランカー 5,000リム

※1参加キャンセル時は半額返金

※2予選会勝利時は全額返金



「まぁ、<<薔薇の月>>案件で結構儲かったから、大丈夫そうだね?」


「なにこれ」

サジが質問した。


「見ての通りだよ。この大会はね、参加費がかかるの。わたしはBa(ビーエー)ランクだから、1,000リムかな。」


「1,000リム!?イニシアのパン屋が1個1リムだから100円としたら……ざっくり10万円ってことか?かなりかかるじゃないか。」


「予選で勝てば返ってくるから!あ、負けたらおしまいだけど」


「怖いって。」


ひと呼吸おき、もう1つ、気になることを質問するサジ。


「じゃあ、A/aっていうのは……?」


「それはね。」


ポタルが説明する。


王都のランクには、大文字で表される”武”のランク、つまり戦闘力のランクと、小文字で表される”文”、つまり学術や、政治的、経済的、文化的貢献のランクの2種類がある。

多くの冒険者の場合、クエスト等を成功させることで文武の両方のランクが上がるので、文ランクの方はあえて省略することも多い。と。


「へー……確か、ロゼさん達がC、カーロウがBって言ってたっけ。」


「そうそう。で、うちは商売を誠実にやってるけど、あんまり戦闘力を見せつけることはしてないから、Baランクなの。」


(予選で負けたら1,000リム、つまり100,000円失うのか……?体調不良で欠場とかでも5万円だろ?うーん。煽っておいて、少し申し訳ない気分になってきたな……。)


「ち、ちなみに、なんで大文字と小文字に別れてるんだ?」


「それはですね~↑」


バラードが教えてくれる。


「昔のエライ人が言うには――、」




「『剣はペンよりもデカし』、だそうです~↑」




(なるほど――。深いな……。)




こうして、召喚屋ポタル・ギムズの王都召喚獣大会への挑戦が始まるのだった。


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